29話 再会
ナインの掛け声とともに周りにいた取り巻きたちが龍輝の襲い掛かかる。
敵の数は5人、ナイフを持った構成員が真っ先にとびかかってきた。
それを軽々とかわすとかがみこんだ相手の背中に龍王の一撃を与えた。
龍王の魂の能力は自分の体の一部を自分の身に着けている鉱物に変える能力だ。
そのため龍輝は『天石』を普段から持ち歩いている。
天石とは天界にしかない超貴重な石で、数年前までは名前がついていなかったため学者たちがこぞって自分の考えた名前を付けようとしていたのだが全く決まらず、気づけば皆天石と呼んでいたのだ!
この天石、魂持ちに有効かつ人を殺めないで有名な石なのだが、戦うのに人を殺せないという点でやばい方たちには全く人気も出ず、しかも超貴重ということもあって現代で使っている人は全くいないのだ。
「まずは一人」
一人やられたことでナインは少しビビり始め、その場から自分だけでも逃げようと考え始めた。
「お前たち!裏切り者一人に何をしている!早く桜さんをこっちに連れてくるんだ!」
「へ、へい!」
ナインは取り巻きたちに指示すると龍輝に背を向け逃げ出そうとした。
「いったん引いて仲間を呼びに行くだけだ、逃げるわけじゃない……」
ナインが後ろを向くと、そこにはかなたがいた。
「あ!龍輝いたー!」
「お兄ちゃん!」
「かなめ?それに、かなたか!?」
「誰だお前らッー!!」
ナインは爆風で砕けた石の塊を慌てて拾うと、かなたに向かって思いきり振りかぶった。
そして、そのまま勢いよくかなたの顔面に直撃した。
かなめ達は皆よけると思っていたので驚き、かなたの頭からは血が流れていた。
「ど、どうだ!僕の一撃は!こいつに直撃したぞ!」
ナインが両手をあげ上を向き調子に乗り出した。
かなたはナインに問いかけた。
「龍輝と桜は何であんなボロボロなんだ」
「そんなの見たらわかるだろ!僕がここまで追い詰めたんだよ!」
「そうか」
「なんだ?強がりか?誰だか知らないが頭から血が出てるぞ?あぁ!それ僕がやったのか!痛そうだなぁ」
「全然痛くねぇよ」
「いつまでも強がってるんじゃねぇぞ!」
ナインがふとかなたの方を見ると、またビビり始めてしまった。
「何があったか知らないけどな、俺の友達を傷つけるやつは絶対許さねぇぞ!」
かなたはナインの顔面を勢いよく殴った。
無意識のうちに水竜の能力も発動していたようで、殴りかかった右手には水のウェーブがうっすらとかかっていた。
ナインは少し吹っ飛ばされ一撃で気絶した。
「あと俺はな、奇数嫌いなんだよ」




