2話 3人の友達
2月2日午前7時
かなたは夢を見ていた。
かなたには小学1年生のころからずっと仲のいい友達がいた。
そのとは6年間クラスが一緒で中学も同じ所に行くことが決まっていた。
ずっと友達だと思っている、高校に行っても社会人になっても老人になっても、くだらない話でいつも盛り上がってるんだろうなと。
目が覚めると8時だった。
「やばあああいい!遅刻だ!」
かなたが急いでリビングに向かうと、なんと!かなめが朝ご飯を作ってくれていた。
「おはようございます!かなた様!」
かなめはニコッと笑いながらご飯を机に並べた。
目玉焼きにベーコン、白米に味噌汁もついていた。
「かなめ!朝ご飯作ってくれたのか!」
「はい!」
元気の良い返事にかなたはわくわくしながら席に着いた。
「いただきます!」
かなたが味噌汁を手に取り、飲もうとした瞬間、かなめが言った。
「私、料理するの初めてでうまくできてますかね、?とりあえず色んな味がした方がいいと思って目に入った調味料全部入れてみたんですけど……」
もう遅かった。
かなたは味噌汁を一気に飲み終えると急に顔色が変わった。
かなたは吹き出しそうになりながらも我慢した、せっかく作ってもらったのに吹き出すなんてかなめに申し訳ない。
それに初めて作ってくれた料理を不味いなんて言えない、そう思っていた。
「味、どうですか?」
「すっごく美味しいよ……!かなめの料理は世界一だね!ぐふっ」
少し危なかった。
かなたは美味しい、そう言いながら全てを食べ終えると学校に行く準備に戻った。
「俺、これから学校なんだけどかなめはどうする?一緒に行く?」
「え?いいんですか?」
「た、多分大丈夫だと思う……!」
多分ダメである。
「でも、今日は遠慮しときます!その代わりに家をきれいにしときますね!」
「わかった!じゃあ行ってきますー」
そういうとかなたは学校に向かった。
かなたは学校に着くと黙ってすぐ席に着いた。
別に友達がいない訳ではない、3人いる。
少ないのかもしれない、でもかなたはそれでもよかった。
ぼーっとしていると先生が教室に入ってきた。
「はーい、みんな静かに!それじゃあ授業はじめますよー」
午後3時
ボーっとしているだけで授業のほとんどが終わり、帰りの時間がやってきた。
いつもの3人がやってくる。
「かなたー!帰ろー!」
来空が最初に来た。
「いいよー」
ランドセルを手に取った時、後ろからポンポンと肩をたたかれた。
振り向くとそこには今にも漏らしそうな未来がいた。
「かなた、帰る前にトイレ行こ……漏れる」
「漏れるな俺誘ってないで早くいけって」
「確かに、ちょっと行ってくるわ、ちゃんと待っててよー」
そう言うと未来は走ってトイレに行った。
遅れてきた芽久が呆れた顔で言った。
「おいて帰ったことなんて一度もないじゃない」
全員揃うと昇降口へ向かった。
階段を降りているときかなたが昨日会ったことを話した。
「そういえば昨日さ、異世界の人と会ったんだよねー、でさ!その人と今暮らしてるんだけどさ、まだちょっとしか知らないんだけどすっごい面白そうなことが起きる気がするんだよね!」
3人はかなたを見つめてポカーンとしていた。
未来が言った。
「かなた、ついに頭おかしくなったか……?いや、元からか……」
「おい、もとからってなんだよ!」
来空はこいつなに言ってんだ、と分かりやすく表情で伝えてきた。
めぐは心配そうな表情をしながら質問してきた。
「それって宇宙人とかってこと?」
「うーん、どうなんだろ?でも違うんじゃない?日本語ペラペラだったし!そうだ!今度紹介するよ!かなめもきっと友達ほしいだろうし」
3人は同じことを思った。
(かなめって名前、絶対女の子だよな、ホントにいるんだとしたら……)
こいつの家はまずいだろ……
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