16話 クソガキ
うわあああああ!なんてことはなく気づけばワープを終えていた。
「ワープしてるときとか、出てくるときは何もないんだ……」
「てか、ここはどこなんだ?かなめー?桜ー?」
どうやら二人は近くにはいないようだ。
「なあ水竜、これって結構まずいやつかな」
(そうだな、普通はまずいやつだな、だが心配ない!この俺の力があるからな!)
「さすが!頼もしいぜ水竜!」
それにしてもここはどこなのか、他二人はどこへ行ってしまったのか、そして一度あったであろうかすかな気配にかなたは警戒していた。
少なくても今いる場所は室内、そして奥へと続く道がある。
ここは廊下のようだ。
「水竜、とりあえずこの先進んでみるか?」
(そうだな、この先にあいつの気配もするしな)
「龍王ってやつか?その気配とかって俺にも分かんないの?」
(俺を使いこなせるようになったら分かるさ)
「しばらく先になりようだな……」
かなたは先に進みドアの近くまで進んだ。
ドアの前まで来て気合を入れようとした時、まさかの自動ドアで開いてしまったのだ!
「あ……」
もちろんそこには龍輝が居た。
「ずいぶん変な登場の仕方だな……」
龍輝は少し戸惑っていた。
「変っていうな!たまたま開いちゃったんだよ!」
「そ、そうか」
なんという間抜けっぷり。
「なんでもいいが、ここに居るってことは俺と戦うんだよな」
「やっぱりそうなる?」
「当たり前だ、ここをどこだと思ってる」
「えー、えー、えっ、ん……?」
龍輝は明らかに動揺していた。
「お前……まさかどこか分からないのに来たのか……」
「ワープで来ちゃったからなぁ……」
「ここはお前たちの敵の本拠地だぞ、まぁいい、かなめはどこだ」
「分かんない」
「お前ふざけてるのか?」
「いや、てか今かなめ関係ないじゃん!」
「関係ある!かなめを渡してくれたらお前と戦わない」
「ふーん、ちなみにかなめはどうなるんだ」
「それは……」
「まさか、殺すとか言ったりしないよな」
今までと違う言葉の圧、龍輝は明らかにかなたの様子が変わったことに気づいた。
「……」
龍輝は黙り込んだ。
「龍輝、俺はかなめと龍輝の仲が悪くても、敵として戦うことになったとしても、今日死んじまったとしてもいいんだけどよ」
龍輝は広い部屋の中心に堂々と立ち、かなたを見つめている。
かなたの目の色が変わった、これは戦いになる、そう確信した龍輝は龍王の力を解放した。
「かなめ気づ付けるのだけは絶対許さないぞ」
「龍王!」
そう言うと龍輝は一気にかなたとの距離を縮め、龍王の力を纏い殴り掛かってきた。
あいにく、かなたは剣を持っていたため最初の一撃は防がれた。
(かなた、クソガキみたいな会話してると思ったら急に戦闘かよ!)
「ごめん水竜!これじゃ話し合いは無理そう!あと俺はクソガキだよ!」
(こうなったら正々堂々どっちが強いか勝負と行こうじゃないか!龍王!)
「今の一撃を防ぐのか」
(彼は水竜と契約してるんだよな?)
「そうらしいぞ」
(龍輝、お前の全力を出すのにいい相手だ)
「ああ、桜の為にも、早めに終わらせないとな」
ぶつかる二人の戦い、かなめと桜の行方、龍輝の考えとこの研究所の目的、かなたはそれを知ることができるのだろうか。




