15話 人に矢を放ってはいけません
矢は一切ぶれることなくかなめの心臓めがけて一直線に飛んできた。
かなめはよけることはできない、どうする、どうする。
かなたの判断は早かった、というより、何も考えていなかったのだろう。
一瞬にして体の向きを変え、かなめに向かって飛びついた。
矢はかなたの足ギリギリを通り過ぎ地面に刺さった。
何も考えづに飛びつくものだからかなめは頭から、かなたは顔から倒れた。
かなたの手が入り、頭を強打するこたはなかったが、かなたは鼻から血を出した。
かなめは泣きそうになりながら言った。
「か、かなた様、大丈夫ですか」
「まあ何とか、それより気づいたことがあるんだけど……」
「はい、なんですか?」
二人は倒れながらこしょこしょと何かを話している。
そんなことしていたらもちろん狙われるに決まっている。
「おい!なにしてる!」
少女はもう一発放ってくるようだ。
「やばいやばい!早く起き上がらないと!」
かなたは素早く起き上がると、かなめから剣を渡してもらい、一気に少女の方へ向かって走り出した。
「水竜、師匠からもらった剣ってホントに使って大丈夫なんだよな?」
(ああ、相手を殺す気がないなら大丈夫だ!)
少女は矢を放った。
しかし矢は当たらず、かなたの足元ギリギリに刺さった。
「ちっ」
少女は次々と矢を放つ。
しかし、その矢が当たることはなく、気づけばかなたは少女の近くまで接近していた。
剣先がギリギリ少女に当たらないところまで近づくと、かなたは思いっ切り剣を下から空振りした。
少女は剣先に注目が行く。
高く上がった剣先を少女の持つ和弓めがけて振り下ろした。
コツン、一瞬の隙に和弓は少女の手元から離れ地面に落ちた。
「あなた、いったい!」
よし!かなたがそう思った瞬間、少女の左ストレートを直で食らうのであった。
「ぶふぁっ!」
少女は急いで和弓を拾おうとした。
「桜ちゃん!もうやめてください」
「かなめ……」
少女は膝をついて倒れこむと泣き出してしまった。
かなたは何が起きているのか全く分からずポカーンとしていた。
「え、どゆこと……」
少女が落ち着くのをしばらく待つと、話をしてくれるようになった。
話を聞くとどうやら二人は顔なじみだったらしい。
少女の名前は桜というそうだ。
「えっと、とりあえず二人はどこで知り合ったんだ?」
かなたが問いかけると、二人は少し考えて言った。
「覚えてない」
「覚えてないです!」
ならしょうがない。
「じゃ、じゃあどうやってここに来たんだ?」
「ここに来るのは簡単だったわ」
そう言うと桜は袴の裾から輪っかを取り出した。
「これを使えば自分の分かるところならワープできるの」
「おお!これでワープできるのか!」
「でも、試作品だから2回使ったら大体壊れちゃうってセカイさんが言ってたわ」
「だから私のなかったんですね!」
「え?かなめ2回使ってたのか?」
「はい、かなた様と会う前に……へへっ」
笑ってごまかした。
「試しに使ってみるか?」
桜が急に言い出したと思えば、もう起動していた。
「え!?ちょ!まだいろいろ聞きたいこととか準備とか!」
(せっかちな娘だな!がはは!)
「水竜!笑ってる場合じゃないって!」
「かなめ、龍輝のところに行きたいんだろ?それじゃあ、龍輝のところまでワープだ!」
「えぇ!もうお兄ちゃんのところまでいけるんですか!」
「もうだめだ……レベル5くらいでラスボスと戦う気分だ……」
「龍輝のところまでワープ!!」
桜がそう言うと輪っかが突然光だし、三人の周りに少し風が吹いてきている。
「まぶし!」
風の勢いが強くなると次第に輪っかに引っ張られ始め、片手に収まるサイズの輪っかに体が少し触れたとたん一瞬にして吸い込まれていった。
三人が吸い込まれ終わると輪っかだけがその場に残り割れて風に飛ばされていった。
楽しみに待っていた方がいるかは分からないんですけど、待っていた人本当に申し訳ないです!
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