表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/15

手癖の悪さ

「あたし、盗んでしまうんです。なにもかも、誰かの物を」


「それは大変だね」


「貧しいのが悪いと思ってお金持ちと結婚しました。自分がからっぽなのが悪いと思って本を山ほど読みました。それでも」


「それはつらいね」


「お医者さんにもかかったの。がんばって直そうとしたの。いつ気付かれるか、私の罪が白日の下にさらされるかを考えると気が気でなくて」


「盗んだものは今どこに?」


「全部返しています。その場で、すぐに」


「じゃあ、問題ないんじゃないかな」


「いつか、ああいつか本当に、本当に盗んでしまうかもしれないじゃない。ああ、わたしは罪深い女です」


「なるほど。すこ~し頭の、このあたりを貸してくださいね」


「あっ」


「返さないけど」


 女はすべてがつまらなくなったが、心穏やかに過ごしているという。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ