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弟子入り


「僕は魔法が使えるようになりたい!」


「なるほど、どういう魔法がいい?」


「なんでも願いを叶えられる魔法! ドロシーみたいになりたい!」


「うーん、それには長い時間が必要になるね。今日から毎日ここへ来れる?」


「うん!」




「ドロシー、もういいんだ」


「修行は全然終わってないよ」


「僕は、魔法を手に入れても欲しいものがないことに気付いた。からっぽの人間だったんだ」


「そんなことはないよ」


「もうここには来ない。いままでありがとう」




「もうここには来ないって言ったのに」


「たのむ、妻の余命を伸ばしてくれ、魔法でもないと治らないと言われたんだ」


「欲しいものを手に入れたんだね」


「頼むよ」


「願い事は一人につき一つだけだ。修行を再開しようか」


「鬼め! 悪魔め!」


「いいや、魔法使いだよ」

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