アイエー6 未知との遭遇
その日、魔王城は狂騒に包まれていた。突如、空から何かが突っ込んできたからだ。その何かは対遠距離魔法対策の結界もあっさり突破され、王城に突き刺さっていた。当然、衛兵たちはその何かに向かう。そして、その何かは、うごめいていた。どうやらヒトガタのようである。ヒトガタが頭だけ壁にめりこんでいるというシュールな図であった。しかし、間抜けただよう構図でも衛兵たちは全く笑えなかった。このナニカは結界を破って王城に侵入してきたのだ。警戒するのは当然だった。その何かは手足をバタバタとばたつかせて藻掻いているように見えた。衛兵たちに緊張が走る。下手に攻撃して状況が悪化してはいけない。上官の判断を待った。
魔法軍四天王の一人、ウゴーリは迷っていた。目の前の物体にどう対処していいか、正直言って全く分からなかったのだ。しかし、結論を出さなければならない。迷った末、攻撃することにした。敵性があることはほぼ間違いないのだ。
距離をとって魔法攻撃で仕留める、そういう腹積もりだった。しかし、放った魔法はそのナニカに吸収されてしまった。これにはウゴーリも吃驚。仕方なく、物理攻撃をすることになる。しかし、物理攻撃もその物体に弾き返されてしまった。これにはウゴーリも吃驚。ウゴーリは途方にくれた。