アイエー4 炸裂!ケツ魔法!
タカシは浮かれていた。異世界へ召喚されチートスキルを得るという異常事態に浮かされていたのだ。通常なら訝しんで当然なのだが、彼の頭はハッピーセットだった。王女は彼を切り捨てることを決定しているのだが、彼は己の運命を知らない。
タカシのもとへメイドがやってくる。王様との謁見があるとのことだった。タカシは着替えそして謁見の間に通される。
「あんたが王様か!」
タカシは話す
「死刑!」
王は答えた。
「は?え?」
タカシは混乱していた。
「不敬罪で死刑!!」
王は怒っていた。ただでさえ、報告で使えない勇者だとの認識であった。そのうえ、礼儀すらない。王にとって勇者など消耗品でしかないのだ。使えなければ取り換える。そういう判断だった。
王の言葉を聞いた兵士の行動は早かった。魔法を展開し、タカシへぶつける。
「うわあああああああああああ」
タカシ絶対絶命。
そのとき、不思議なことが起こった。
彼の尻が光輝き、魔法を吸収したのである。これぞ、究極のチートスキル ケツ魔法の秘儀 魔法吸収!!
タカシのチートスキル ケツ魔法はその間抜けな名称とは裏腹にしっかりとチートスキルをしているのである。その性能は一級品であり、あらゆる状況に対応可能なのだ。
兵士は抜刀した。魔法が効かないなら物理、流石王城に詰めているだけあり、優秀なのだ。しかし相手が悪かった。兵士は切りかかる。
その時、不思議なことが起こった。
兵士の物理攻撃は、タカシのケツに吸い込まれていった。これもチートスキル ケツ魔法の効果なのだ。物理反射である。
タカシは混乱していた。王と話した瞬間死刑を宣告され、攻撃されたからだ。彼は足りない頭で考えていた。そして結論をだした。コレ、追放系だ!!どこまでも頭ハッピーセットであった。
状況は膠着していた。魔法も物理も効き目がなかった。一方、タカシには攻撃手段がなかった。否、チートスキルは鉾と盾の性質を持つ。攻撃手段がないはずなどないのであった。タカシは考える。この状況を打開する手段を、そして思いつく。最低の技能を。
彼はケツから魔法を放ち、浮遊した。そして王城を突き破り逃走した。これぞ、秘儀、ケツホバリング飛行!!彼が立ち去ったあと、異常な臭気がのこったのである。
「おええええええええええええ」
誰しもが、あまりの臭気にえずいてしまったのだ。残ったものは嘔吐にまみれた王都だった。