PHARALIS
●様々なタイプの楽曲の中で、得体の知れない怪物が動き回るアルバム。
【収録曲】
1.Schadenfreude
2.朧
3.The Perfume of Sins
4.13
5.現、忘我を喰らう
6.落ちた事のある空
7.盲愛に処す
8.響
9.Eddie
10.御伽
11.カムイ
前作から約3年9か月ぶりとなる、DIR EN GREYの新作アルバム。今作は全11曲とやや少なめですが、その分、楽曲ごとの個性がより濃くなっているように感じられました。約10分かけて目まぐるしく展開していく『Schadenfreude』や約9分の間緊張感を維持し続けるバラードの『カムイ』といった曲がある一方で、約3分間で凶悪性を隠さずに突っ走る『盲愛に処す』や『Eddie』のような曲もありますし、その他にも、ストレートな歌詞を聴かせる『13』や、儀式めいた雰囲気が醸し出されている『御伽』等といったバリエーション豊かな楽曲が収録されています。
もちろん、ベースとなる世界観は従来通りといった印象。得体の知れない怪物が様々な軌道で動き回っている様相がどの曲からもしっかりと感じられ、その雰囲気に終始圧倒されます。個人的には、前作のようなキャッチーさがもっと欲しいところもありましたが、様々なタイプの楽曲を通して、彼らが持つ独自の空気感を充分に味わえるアルバムになっているのではないでしょうか。
評価:★★★★★