7話 ヒカリの疑問
ヒカリの視点。
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私はヒカリ。マスターを補佐するコア。でも。分からないことがあります。何故。マスターはあの人達を解放したのでしょう?
初め、考えていた事は自業自得。きっと昔に王国も同じ事をした報いが来たのでしょう。としか。思いませんでした。だから解放はしないしダンジョンの労働力として残すと思いました。
しかし、やってみれば全くの手のひら返し挙句には解放もするらしいじゃ無いですか。私には分かりません。だから正直にマスターに聞いてみました。
「マスター!どうして解放したの?」
「ん?どうしたヒカリ?」
流石に急すぎたのか少し困った顔をしてしまいました。失敗です。
「ごめんなさい。マスター。少し疑問があってなんで捕虜達を返したの?」
「ん?それは…アイツらもアイツらなりに過去があるからな。」
「どういう事?」
「うーん。そうか。まず。アイツらはあの執事の言葉を完全に信じていた。これは分かるか?」
「うん」
私もそれは思った。見ていて少しだけおかしく話を聞かなそうに見えました。
「多分だが。アイツらの作戦は途中半場で折れることになる。言い方は悪いがここからが本番だと俺は思ってる。」
「本番?」
「あぁ。一度希望を失ったものは次の希望を見つけるまでは難しい。」
「マスター。それだと解放はダメじゃない?」
「あぁ。そこまでなら確かに解放はしなかったかもしれない。でも。希望を捨て、探し、また希望を見つけた時それは確固たる物になる。」
「うん。」
「俺は別にアイツらことは知らない。でも。仲間になるのなら話は別になり助ける建前が出来る。」
「マスターは助けたいの?」
「建前さえ有ればな。」
マスターはきっと助けたいんだ。でも。建前が欲しいため助けられない。なんで。建前が欲しいんだろう?
「マスター。なんで建前が欲しいの?」
「建前とは行動しうる最高の物だからだ。」
「建前がそうなの?」
「あぁ。ぶっちゃければ。建前とは最低限、その言葉道理の事をしてさえすれば何をしてをいいという事だからな。」
「!!??」
それじゃ!?全てが許される世界になるという事なの?あまりにも爆論で辛いよ。
「さらにいえば、状況証拠さえ残していなければ簡単にシラを切ることが出来る。だから犯罪は終わらない。」
「だから解放したの?」
「それも一つ。あとはただ単に一階層に街を作りたい。」
「街を作りたいの?」
「あぁ。そうすれば色んなものが手に入るだろう?」
「ダンジョンでも宝物から探せば色々とあると思うけど。」
「あぁ。確かにあるぞ。」
「なら……。」
「俺の世界の物ならな?」
マスターの世界のもの?確かに宝物にはマスターの思考を中心的にやっているけど。異世界のものも無くはないと思うけど。
「迷ってる顔をしてるな。」
そう言ってマスターは苦笑いをして「こういえば分かるかな?」という言葉に続きを言った。
「俺の世界を基準としてこのダンジョンは作られた。そのため確かに異世界の物もあるが全部ではない。もし、今は必要が無くても今後は必要になるかも知れない時無ければ集めるのに大変だろう?」
「うん。」
確かに。無いものを集めるのは骨が折れる位の大変なのは記憶がそう言っているいて分かる気がする。
「だから街を作り、ここの価値を高める。そうすれば俺らが行動する時に物が無いために行動の阻害をされる心配も無くなる。」
「確かに。ウンウン。」
「それにここは危険だからと世界の精鋭を集めて討伐される心配も無くなる。」
「おぉー!」
確かに!そうすればマスターや私達は安心して旅が出来る!
私は凄いと見てるとマスター少し困った顔で「ただな。」と言葉を続け。
「そのためにはまず。アイツらを仲間にして国との関係を良くしないと行けないんだけどな。」
「うーん。難しいね。」
私はウンウンと悩んでいるとマスターは急に笑いだした。
「な…なんで笑ってるの?マスター」
「すまん。考えている姿が可愛くてな。」
そう言って私の頭を優しく撫でてくれる。私はマスターの可愛いという言葉に頭がパンクしそうなぐらい嬉しくて顔を隠してしまう。
顔を隠している内にマスターは心配そうな顔で「大丈夫か?」と聞かれたので。
「だだだだ…ダイジョウブデスヨョョー!!」
恥ずかしさがマックスになりマスターの前から逃げ出した。
「……俺。もしかしてヒカリに嫌われたのかもしれない。ハー。どうしよ。」
この独り言は室内の空間でしか聞こえてなく残念ながらヒカリまで届いていなかったのだった。
私は一つ分かったことがあります。初めはマスターが賢くて強いからなんでも出来ると思いました。
それは今でも変わっていません。でも。それ以外に皆のことを思って行動していることが分かり納得致しました。
私はこれかもマスターと一緒にいます。たとえ辛くとも楽しく過ごせる日々が続くように微力ながら頑張らさせて頂きます。
これからもよろしくお願いいたします。マスター!
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