4話 秘書が有能だとやることが無い。
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次の日。俺は微睡みの中から水面に浮き上がる感じで目覚める。しかし睡魔とは厄介な物でもう一度寝かせようと誘われるがそこを踏ん張り起きる。
「マスター!おはようございます。」
「ん?おはよ。」
少し元気なハリのある声が聞こえる。近くで囁くように襲いたくなってしまうかのような声を出される。数秒経ち俺はある違和感に気づく。
俺は身体を持ち上げようとして少し重りがお腹辺りにあるがしかし暖かく、人形見たいで抱きしめたくなる…………なる?
俺は疑問が少しづつ大きくなりやっと頭の回転が始まったあたりで目を開けるとそこには水色の目に白い髪をした少女が俺のお腹の上に横んなりながら乗りこちらを見ていた。
俺は驚き固まる。そして気づく。二つの柔らかい物が当たるのとハリのある太ももが俺の足に絡ませて来るため余計に混乱する。
「マスター おはようございます」
「あぁ。」
俺は動けず、しかし頭は凄く回る。そして息子を止めるため我慢をしつつ感触を堪能する。ロリではないがロリもいいかもと思ってしまう自分がいるため自己嫌悪も陥りそうと色んな感情が一瞬のうちに駆け巡る。
結局何を言いたいのかと言うといいぞ。ロリ。純粋かどうかは分からないが俺はこの心を大切にしたい。
「お前は……ヒカリ…か?」
「はい!マスター ヒカリです!」
「どうしたんだ?その姿。」
「ダンジョンが物凄い勢いでレベルアップしたため私もこうしてマスターの隣にいることが出来ました!」
幼い顔ながらも綺麗な笑顔でこちらを見る。その笑顔が俺には眩しいため少しだけ目を細めてしまう。でも世の主人公達の気持ちがわかったのかもしれない。守ろう。この笑顔。いや。マジで。
「ヒカリそろそろいいか?」
「え?あ!すいません。マスター」
「大丈夫だ。」
流石に息子が悲鳴を上げ始めてきたため退避することに隠すつもりは無いがバレてないのならバレない方が良いからな。バレぬなら、バレるまで隠そう、ホトトギス。誰かが言ってたよ。多分。
「それで、ヒカリどのぐらいレベルアップしたんだ?」
俺はこの時油断をしていたのかもしれない。何故ならこの少女は神に作られた子なのだから。
「はい。FランクからSランクに上がりました!少し大変でしたがなんとな出来て良かったです!」
「そうか。それか。だから……。ん?すまん。もう一回言ってくれ。ちょっと耳がイカれたらしい。」
なんかデジャブ感が凄いんだがもし本当にそうならやばいぞ。この子。
「もう一回ですか?分かりました!FランクからSランクにあがりました!」
頭を突き出しいい子いい子してと目線で訴えているため、少し震えながら頭を撫でる。俺はやばい所に召喚されたのかもしれない。
「ヒカリ。どうやってそこまで上げたんだ?モンスターだけだったはずだよな?」
「はい!狼みたいな奴や羽が生えたトカゲ見たいな奴にヤギとライオンと蛇が合体していた奴。あ!あと鷹にライオンの身体に羽が生えてた飛んでいる奴がいました!そのモンスターは強かったです!」
…………。あ〜。分かったかもしれん。それって名前にすれば神獣にドラゴン。キメラにグリフォンだろ?ヤバい奴らじゃん。しかもそれ以外にもモンスターがいた訳だろ?うーわー。見掛け倒しだろこんなの。
「一覧を見ていいか?」
「はい!どうぞ!いっぱい頑張りました!」
うん。頑張りすぎだよ。ヒカリくん。おじちゃん目が死んじゃうよ。
ーーー ダンジョン ーーー
名前 秘境の扉
コア ヒカリ
ランク S
階層 一階
モンスターの数 40
モンスターの種類 193、196、543、210体
罠の数 20
宝箱の数 0
魔力供給量 3452720∕198000000000(約二千億)
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新しい一覧が出てきた。そして見た瞬間諦めた。諦めて違うことを考える。メリットならそこまで悪いことでも無いしな。
「ヒカリ。このモンスターの種類は倒した種類で合ってるよな?」
「うん。合ってるよ!」
「それとヒカリ。なんで口調がそんなに幼くなったんだ?」
「多分それはーモンスターの記憶のせいだと思う!」
「まさか。全てのモンスターの記憶を見たのか?」
「う…うん。みんな。頑張って生きてるから。」
俺は少しだけ勘違いをしてたのかもしれない。確かに強いのは凄いんだ。でも。強いからと言って精神まで強いとは限らない。そして俺もその中の一人だ。
「ヒカリ。こっちこい。」
俺は手招きをするとヒカリが笑顔でこっちに来た。そのまま脇を持ち膝の上に乗せて頭を撫でる。
「苦労をかけたな。」
「ううん。私は貴方のマスターだから。」
「そうか。これからもよろしく頼む。」
「うん!」
記憶を教えて貰って一緒に苦労しようとか、俺が頑張るから楽になっていいよ。とかは言わない。それは彼女にとっては辛いことだから。
だからそれは俺の心の中にしまいつつ、行動で示す。ヒカリに分からないようにな。
「よし。ヒカリ。ここのダンジョンを絶対に攻略されないダンジョンに変えて旅に出よう。」
「旅に?」
「あぁ。もしかしたら違うところにもダンジョンを作るかもしれないが、俺は少し世界を見てみたい。どんな世界でどんな事をしているのか…な。」
「分かった。マスター。私はマスターに着いていく。」
「ありがとう。ちゃんとここにも戻る。」
「うん!」
了承を貰った訳だがさぁ。行きましょう!とは残念ながらならない。ここを強く堅牢、堅国にして誰にも勝てない場所にしないとな。
そのためには階層を最低100階は作りボスも普通のダンジョンよりも数倍強くして諦めさせないとな。
ある意味ここからが俺が頑張るところだろう。ヒカリも一人で黙々と頑張ったのならマスターたる俺が頑張らなければ失格だからな。
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