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発足編9

怒涛の部長・咲良全開!!

足軽教諭たじたじーー

前日、夜半までかかった目安箱作成、そして新たに発足した超常現象解決部。


4つ制作された目安箱は姫子と四季彩の達筆な字でグッと本格的な物へと変貌を遂げた。

1つは生徒玄関付近に、そしてもう1つは萬屋すーさんが勝手にものづくり学校という施設に作った支部に。



残りの2つは揉めに揉めた結果、栞菜が出入りする歴史研究クラブと、すーさん達萬屋メンバーが足繁く通うコーヒー屋という喫茶店に設置することが決まった。


他に決まったことといえば部長(咲良)、副部長(姫子・四季彩)くらいのもので、新しく電話とWi-Fi設備が完備された部室にはニタニタとほくそ笑む咲良が誰よりも早く来ていた。



(ん~……なんか殺風景だなぁ。もっと飾り付けした方がいいかなぁ?)


超常現象を解決する部に果たしてそんなものが必要なのか、とにかく自宅から持ってきたノートパソコンを部長専用デスクに設置すると、またもやほくそ笑んだ。



「おや? 早いですね一ノ門さん」


部長専用デスクに収まってパソコンを起動させた咲良は出入口付近でそう言って立つ足軽教諭を確認するとニコッと笑った。

相変わらず、うだつの上がらない風体は見ているだけで笑いがこみ上げ、撫で肩の足軽教諭がずり落ちたメガネを上げる仕草に、遂に声を上げて爆笑した咲良。



何が可笑しいのかさっぱりわからない足軽教諭は入室すると、今日は伴場教諭は陸上部の顧問のため不在であり、海野教諭は遅れて来ると告げ、自身もそそくさと退室しようとしたが、そこは一人ぼっちの咲良に引き留められてしまった。



「ねぇ、先生! ホームページって作れる!?」


まさか言い出しっぺが作れないのかと受け持ちの生徒を前に目を細めた足軽であったが、パソコンについてはヘビーユーザーであったが故に少し態度をでかくして返答。


「まぁ出来るけどね……そこは自分達でやるべきじゃないかなぁ?」

「なんでー? だって先生だってこの部の()でしょ?」


(この部の人とはなんだ!)


顧問だろと内心ツッコミをくれた足軽は、重い足取りで部長デスクへと足を運ぶとマウスを何度かクリックし、その手の技術者ですかというスピードで、瞬く間に超常現象解決部のホームページの雛型(ひながた)を画面に作り出して見せた。


「すっごーい! 足軽先生()()得意なことってあるんだね!」


(にもとはなんだ!)


にもという文言にまたしても違和感を覚えたのだが、これ以上関わっては、またどんな雑用を押し付けられるか分かったものではないので、軽い苦笑いで済ませ、退出しようと無言で出入口を目指したが、奇しくも追加メンバーが声を弾ませすぐそこまで迫って来ているのが手に取るようにわかった。



(ふぅ……今日は僕がここに居なきゃいけないか……)


一応、顧問3人の間で取り交わされた決まりは、部が軌道に乗るまで常時最低でも顧問が1人は滞在することであった。

そして、それは当然他に受け持つ部などない足軽が多くこなすこととなるのであった。



(なんだろうなぁ……僕は何も教えてもらっていないのに、どうしてここにいるんだろう……)


足軽の憂鬱は姫子と四季彩の入室に軽く掻き消され、集まった美少女の色めき立つ平和な声がこだまするばかりなのであった。


そして彼女らは昨晩、海野に言われた通りの私物をテーブルの上にドサリと置き、姫子と四季彩は言葉を付け加えた。


「まことさんは生徒会で遅れるので、姫子が預かって来ました!」

「わたくしも歴史研究クラブを訪ねる栞菜さんから預かってきましたわ!」

「あそう? あたしも部活に出るからって茜から預かってるんだよねー」



(なんだ? 服と袋と金槌?? いやいや超常現象を解決する部だよね? 大工じゃないんだから……)


足軽の心ツッコミは止まらない。

それらは以前、天文令和大騒動の際、咲良ら鍛冶ガールを助けた必須道具である。


特別な反物(たんもの)で作られたお揃いの作務衣(さむえ)、そして不思議な力を秘めている手槌・黒鐵(くろがね)、最後に腰に巻いて黒鐵を納める腰袋。


咲良らはそれらの脇に懐から取り出したイヤリングをカランと置くのであった。


(ん? イヤリング?? もうね、全っ然意味わからんのよ……いつ、誰が説明してくれるのだろうか…………)


足軽教諭の憂鬱はとどまることを知らないのであった。



つづく

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