超常現象解決部! 発足編3
続編であります!
ピカピカの一年生。そのクラスの放課後の風景は、何ともお祭りのように盛況であった。
入学してまだ二週間、いや早二週間というべきか。
希望に胸を膨らます新一年生は、つい先月までは学内の最高学年であったが、今は新入生として放課後は部活見学に余念がなく、出来たばかりの友達らと語らってはどこそこの運動部に何とかというイケメンの先輩がいたとか何とか、とにかくお祭りのように盛況だったのだ。
そんな心弾ませる新入生の中に、やけに制服のスカートの丈を気にする女子が一人。
席に座っては太ももを隠すようにそのスカートを前面に引っ張る素振りをしたり、急に立ち上がってはやはり膝上のスカートを下に伸ばしてみたりと、おおよそ見当のつかない謎の行動を繰り返していた。
そんな謎の少女の背丈は低く、がしかし、しっかりと育った胸元からは新品のYシャツを内側から破りそうな勢いで巨峰が控えていた。
サラサラの桃色ヘアーを二つ髷に、眉をひそめたりしつつも、なんとも可愛らしい顔立ちであり、絵に描いたようなぶりっ子な素振りをしていた。
そんなぶりっ子に挙動不審にして長身のクラスメートが駆け寄ってくる。
同い年ですかと思わず問いたくなる程の身長差と、大人びたその長身女子生徒は大和撫子か、艶のある黒いロングヘアーをそのままに、これまたバッチリ短めのスカート姿であった。
ブレザーのボタンをキチンと締めたその女子生徒は、謎の行動をエンドレスするぶりっ子にこう言った。
「ひひひひ姫子さぁん! いよいよ校長室を訪ねる日が来ましたよ!!」
職務質問を受けるレベルの挙動不審さで興奮気味にそう口を開いた女子生徒に、姫子と呼ばれたぶりっ子は笑顔で一度コクンと頷いて言った。
「緊張しますね! まずは迷子にならないようにしなきゃですね、四季彩さん!!」
そう、この二人は天文令和大騒動にて、縁あって鍛冶ガールのメンバーとなった天文(1548年頃)娘二人であった。
騒動の決着後、二人は咲良達の世界に留学という名目でタイムスリップして来たのだ。
もちろんそれを知る者はごく一部に限られ、本校への入学手続きやら難しい所は全てノープロブレムとなっていた。
なんといっても世界を救った鍛冶ガールのメンバー中浦姫子と四季彩神無なのだから。
そしてもう少し説明すると、姫子はスカートの丈が短いことに疑問を感じ、これまで着用したことのないそのスカートに、絶えず太ももの当たりがスースーと違和感があることを気にしていたのであり、うら若い女子がみだりに肌を露出することに恥ずかしさを浮き彫りにしていたのだ。
「みーんなそれくらい短いんだから! 姫ちゃんだけ長いと変に思われちゃうんだからね!」
咲良のその言葉に、一応は納得し、晴れて高校生となったが、スースーだけは、いかんともし難かった。
だが人は適応能力とやらのお陰で徐々に慣れゆくものであると栞菜に諭され、これここに至った訳なのである。
そして四季彩は年齢でいえばまことと栞菜と同学年であったが、こちらの世界を学ぶために一年生から始めた方が良いと、鍛冶ガール内で論議され、全会一致で決まり、姫子と共に一年生となったものである。
見た目はとっくに成人したかに見える四季彩であったが、見るもの全てが刺激となり、結果いつも挙動不審な人物に成り下がっているわけである。
そしてそんな二人も、咲良と茜、そして軍司、それにまことと栞菜同様に、とある日の放課後、校長室に呼び出され、今をときめく鍛冶ガールらが一堂に会するのであった。
ちなみに四季彩もバッチリ咲良に唆され、スカートの丈は太モモを顕にするほどであったが、彼女は姫子ほど恥じらいを感じないのか、はたまた咲良の言葉を信じ切っているのかスースーにかんしてはスルーしていた。
「急ぎますよ! 姫子さん!!」
「いやぁ~ん! 急に上を見られたらスカートの中まで見えちゃうよぉ」
なんとも楽しそうな二人は、当然迷子になったことは言うまでもない。
つづく
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