超常現象解決部! 発足編2
人物紹介も含めたプロローグ的なものも踏まえた二話目です!
ちょうど咲良達がやわやわと教室を出た頃、三年生にして全校生徒の憧れの存在、生徒会長・鍜冶町まことは、しなやかなロングヘアーを一度後方へと払い、几帳面に各教科書をスクール鞄に仕舞うところであった。
予習・復習はまことにとって日課であり、当たり前の行為であったが、それを腕を組んで見詰めるメガネ女子が一人。
「相変わらずねぇ。あんた鍛冶以外も本当にマメな性格よね」
そう言って仁王立ちしているのは、まことの親友・五十嵐栞菜であったが、彼女こそそのマメな性格をよく表してした。
手にはなんだか分からない分厚い帳面を持ち、何事かメモしているように見受けられたからだ。
「栞菜こそ。何を記してるのよ」
「わたし? わたしは今日、これから歴史研究クラブに顔を出すのに資料のおさらいさね」
苦笑いしたまことは、整った眉を下げながらも、放課後の予定を失念しているのかと栞菜に注意喚起したものだ。
「放課後は校長室よ! 忘れてない?」
「…………そう。そ、それが終わってから行くのよ、クラブ!」
あからさまな無言の数秒を経て、動揺を隠しきれないメガネ美人は、記帳まこととは対照的に眉を吊り上げつつも、高い鼻の先を指で2、3度タッチし、そそくさとその帳面をカバンに戻し咳払いをすると言った。
「エホン! まぁ……それじゃ。行くとしますか。校長室……」
普段は大人しく清楚なイメージの栞菜であったが、一度口を開けば、それはただの先入観であったかと人々に思わせるほどこ想定外の口調であり、また行動であった。
文武両道、生徒からの人望と憧れを一手に担う美少女まことは、豊満なバストを揺らして立ち上がると、高身長にして引き締まったボディを包むブレザーのボタンをきっちり閉め、重そうなカバンを手に、クラスメート達にもう一方の手を振りながら挨拶して廊下に出ていく。
栞菜は完璧に見える親友を追うようにメガネを一度グイッと上げると、小走りに教室を出た。
かくして美し過ぎる生徒会長と謎の意外性を誇るメガネ美人は、あたかも肩で風を切るかのように颯爽と校長室目指して廊下を歩き始めたのであった。
つづく
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