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発足編11 瞳を輝かせた足軽と茜の憂鬱

足軽教諭の顧問就任の件と茜の憂鬱とは!?

部長である咲良を差し置いてベラベラと妖怪・千秋楽について語り尽くした足軽は気分爽快、爽やかな笑顔で目を輝かせていたが、突然変異したかのような足軽を見詰める美少女らは、一様に目が点になっていた。


「な、なるほど! ではこの妖怪はどうやって退治したらよいのですか??」

「えっ退治するんですか? もっと穏便に出来ないのかなぁ……」

「力士なんだから、やっぱり同じ土俵で勝負よ! 勝負!!」


またまたバラバラな意見が部室内を飛び交ったが、なんと足軽はその処置方まで知っていた。


「一ノ門さん、正解! 妖怪・千秋楽はただ勝負がしたくて徘徊するだけの妖怪。取り組みをして土を付けることが出来ればまた何処かへ消えるはずだよ!」



始めて足軽を頼り甲斐のある顧問として認識した三人は、引き続き妖怪・千秋楽の追跡を目安箱と、この謎のSK探偵事務所のスクープサイトで追跡しようと話をまとめた。


そんな熱気の籠った部室内で黙々と何かの作業に当たっていた海野は、一息つくと4人を見ながら呟いた。


「足軽が何故この部の顧問になったかわかったか」


咲良達は顔を合わせると自信満々に大きく頷き、声を揃えて言った。



『足軽先生は妖怪()()の顧問てことだね!』



そして昔から妖怪の類いに強烈な興味を示し、様々な本などを漁っては知識を得てきていた足軽もまた、鼻息荒く拳を握って宣言した。


「そういうことでしたか! やっとこの部での僕の使命が見付かったような気がします! よし、妖怪・千秋楽について色々と調べ尽くしますよぉ!!」


それは男版ネオ栞菜に近しいものがあり、三人は密かに興奮状態の足軽をネオ足軽と呼称するようになり、咲良は明日の放課後、全員揃って目安箱設置の許可を貰ったコーヒー屋へとご挨拶に行こうという内容のメールを鍛冶ガールメンバーに飛ばすのであった。




一方で権爺と共に歴史研究クラブへと足を運んだ栞菜は二つ返事で目安箱設置の了承を得ていたし、まことも生徒会の仕事に忙殺される傍らでそのメールを既読、陸上部で汗を流す茜もまた、メールを確認し休憩と偽って遊びに来ていた軍司によって内容を知ることとなる。


「おいそこっ! サボってんじゃねぇよ、テメーは剣道部だろうが」

「うるせーよ、今大事な解決部のことで話してたんだからな! 最優先事項なんだろ?! ()()()は! フンッ!」


新たに着任した陸上部の強面顧問とガラの悪さで勇名を馳せる軍司との睨み合いは、陸上部はおろか、全ての生徒の注目の的であったが、もはや仲裁が面倒臭くなりつつあった茜は深いため息と共に、顔を擦り付ける両者の頬を両手で目一杯遠ざけると眉を吊り上げて宣言した。


「もう! いちいちケンカしないでよ! 今度私の前で揉めたら二人とも()()だからね」


そう言い渡すと、再度競技に集中しゆく茜。

絶交という言葉に硬直した番場教諭と軍司はしばらくは身動き一つしなかったが、最後には何事もなかったかのように咳払いをして解散する。


「オホンッ。まぁなんだ……早く道場に戻れよ」

「お前もちゃんと顧問しろよな」


「命令すんじゃねーよ」

「テメーこそ先生に向かってお前とはなんだよ」



「聞こえてなかったのっ!?」


茜はもはや部活動に集中する気力を失い、体育座りするとぼちぼちと暮れ始めた空を見上げて、またしても深いため息をつくのであった。


(明日はコーヒー屋かぁ。やっぱり陸上と解決部の両立は厳しいのかな……ていうかあの二人が邪魔なだけなんだよね……なんで仲良く出来ないのかなぁ)



相変わらず鈍感な茜は、それが自分に好意を寄せているが故の不仲なのだと1ミリも気付くことなく、何のために今日は陸上部に来たのかと深いため息を連発し、まこと・姫子に次ぐ豊かな胸を太ももに押し付け、引き締まった美脚を両手で結び、小さくなるばかりなのであった。



つづく


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