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「でも…ダレンさんが悪い事止めるなら…僕…友達になってもいいよ」


エイトの言葉にダレンの手が止まる。


「はっ?何言ってんのあんた…」


ダレンは馬鹿な事をほざくエイトを睨みつける。


「だって…ダレンさん誰か話を聞いてくれる人が欲しいんじゃないの?」


「そんな奴らならごまんといるわ」


ダレンは再び手を動かすとエイトの細い首をなぞる。


力があれば誰でも媚びへつらい話を聞いてくる。聞かない奴は殺すまで…


擽ったそうにするエイトは


「違うよ、ちゃんとダレンさんと向き合ってくれる人の事だよ。心のない返事は傷つくよね…」


エイトは少し寂しそうな顔でダレンを見つめる。


ダレンはエイトから手を離すと…


「何言ってんの…あんた…」


先程より力なく答えた。


興をそがれダレンはエイトから離れると


「あんたさっき見てなかったの?私があいつら殺すところ、怖くないわけ?」


「見てたよ。殺すの良くないと思うけど…僕の師匠が言ってたよ、死ぬ覚悟が無いやつが人を殺めるなって、でもここの人達は少なくとも自分が死ぬ覚悟は出来てるって思った…だから僕もその覚悟でいるよ。ダレンさんが僕を殺すって言うなら…最後まで抵抗するよ」


「あんた…師匠がいるの?そいつは今どうしてるのよ」


「えっ…こっちに向かってる…」


ードゴッ!


するとタイミングよく上で建物が壊れる音が響いた。


「あっ!来たみたい!じゃあダレンさん僕行くよ!」


エイトはグッと拳を握る!


「あと…よかったら…カバン返して欲しいんだけど…」


これから戦う相手にお願いしますと頭をペコッと下げる。


めちゃくちゃなエイトの行動にダレンは堪らず笑いだした!


「あはは!なんなのあんた!面白い子ね!なんか…染まりかけって感じで面白いわ~黒にも白にもなりそうね…」


ふふふ…


ダレンが笑うと


「いいわ、カバン返してあげる。あれは確かに凄いものだもんね…取り返したい気持ちもわかるわ。あれで一生は暮らせる金が手に入るものね」


「えっ?」


エイトは驚いた顔を見せる。


「えっ?」


今度はダレンがエイトの反応に驚いていると


「まさか…あなたあれの価値知らないの?」


「価値…あれはじいちゃんに貰ったものだから大切なの…中身は…いらないからカバンだけでも返して欲しいなぁ」


「ふーん…じいさんね…その師匠と同じ人?」


「ううん、じいちゃんはじいちゃん!」


「じゃあ腕輪を作ったのは師匠かじいちゃんってわけね」


「あっ!」


エイトは口を押さえる。


「フフ…」


これはこの子といれば強い奴と会えそうね…


「やっぱりあなたいいわね。よしじゃあカバンは返すわ!それに友達…ってのにもなりましょ!」


ダレンはニコッと笑ってエイトに手を差し出した。

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