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エイトは村の色んな人に話を聞いて回って居ると…
『エイト…何人かに後をつけられているぞ…』
ジャックが言うと…
『えっ!』
驚いて後ろを振り返ろうとする。
『見るな!』
ジャックに止められてどうにかぐっと堪えていると
『いち、にぃ、さん、しー…4人だな』
ジャックが耳をすまして足音を確認すると
『どうする?』
エイトに聞いてくる。
『えっ…どうするって…逃げる?』
エイトの答えにジャックは不満そうな顔をすると
『なんであんな奴ら相手に逃げなきゃならねぇんだよ!』
『うーん…じゃあまいて逆に尾行するってのはどうかな?』
いいこと思いついたとジャックに言うと
『それなら…まぁいいか、ラルクに報告する事も増えるしな』
ジャックの様子にエイトはニコッと笑うと
『じゃあもう少し建物が密集してる所に行こう!』
エイトが走り出すと、ジャックが後を追いかける!
走りながらチラッと後ろを見ると男達が慌てて後をつけてきた。
エイト達は住居が建ち並ぶ密集した場所に入り込むと…狭い路地を素早く移動する。
追っ手の目が二人を見失った瞬間を見計らってジャックが合図を出す!
『今だ!』
エイトとジャックは建物の上にジャンプをするとサッと身を伏せた!
すると下では…
「くそ!どこ行きやがった!」
「この路地に入ったはずだぞ」
「ここか!」
ガシャン!
男達が立てかけてあった板を蹴り倒していると…
「誰だい!」
住人達が騒ぎに家から出てきてしまった…男達はペッと唾を吐くと住人達をひと睨みして元きた道を戻って行った…
その様子を確認していたエイト達は…
『よし…今度は俺達がつけるぞ…』
ジャックが足音も立てずに下に着地するとエイトもそれに続く。
『エイトもだいぶ音を立てずに歩けるようになったな!』
ジャックがエイトの歩き方を褒めると
『そう?えへへ…嬉しいなぁ~でもまだ完全に消せないけどね』
照れているエイトを見ながら
『今まで会った奴らはみんな足音を立てるが…そんなんでやって行けるのか?』
ジャックが聞くと
『そうなの?僕みんな足音を立てないのかと思ってたよ』
『んー…わからんがあのギルドって所でもあのギルマスって奴はそんな歩き方してたな』
ジャックの言葉にエイトは関心すると
『やっぱり冒険者たちになるには完全に音を消さないと駄目なのかなぁ…僕も頑張ろ!』
エイトがやる気を見せているが…
ギルマスって奴と数人の奴らしかそんな歩き方してなかったけどなぁ…
ジャックはいまいち人社会の常識がわからずに首を傾げていた…




