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書類を書き終えると受け付けのお姉さんが受け取って手続きをしてくれる。
「じゃあエイトくんはお肉があればいいのね」
「はい、お願いします」
ペコッと頭を下げると、お姉さんは嬉しそうに笑ってお金を用意してくれた。
「お肉は捌いて用意しておくからまた後で寄ってくれる?お金は今渡しておくね」
ドンッと机にお金を置くと…
「こ、こんなに…どうしようジャック…これでお肉何本買えるかなぁ…」
おこづかいとしてもらったお金の何十倍も手に入れてエイトはどう使っていいのかわからずにいた…
とりあえずカバンにしまおうとすると…
『エイト…カバンに入れる時は気をつけろよ』
ジャックに注意されて思い出す…
『う、うん…』
エイトはキョロキョロと不自然に周りを確認するとそっとカバンにお金をしまった…
それを見ていたライトは
「なんでそんなにビクビクしながらしまうんだ?」
「えっ!な、なんでも無いよ!べ、別に変な事してないよ!」
エイトが慌てると
「まぁそんな大金手に入れたらビクビクするのもわかるよ、変な奴らに目を付けられないように気をつけるんだぞ」
「わかった!ライトさん、お姉さんありがとうございました!また帰りに寄るね!」
エイトは親切にしてくれたライト達にお礼を言うとギルドを出ていった。
「なんだ~、おじさん…じゃなくて師匠は人を信じるなって言ったけどみんないい人だったよね!」
エイトはジャックに笑いかけると
『たまたまだろ、今は金も増えたし気をつけろよ』
「わかったけど…せっかくお金も出来たしジャックご飯食べに行こうか!」
『そ、そうだな!それはしておかないとな!』
「お肉は帰りにギルドで貰えるし…後は町の人に話を聞くだけだね!」
エイトとジャックはルンルンと飛び跳ねながらいい匂いがする方へと走って行った!
『エイト!肉が近いぞ!』
ジャックが鼻をピクピクとさせると
「あっ!見て!あそこ外にお店がいっぱい並んでる!」
エイトが思わず大きな声を出すと
『エイト、そろそろ人が増えてきたから喋るのを気をつけろよ』
ずっと口に出して喋っていたエイトに注意すると
『ご、ごめん。ついね』
エイトが口を押さえる。
ふたりはお店をキョロキョロと覗きながら歩いていると
『どうしよう…どれも美味しそうで選べない。ジャックはどれがいい?』
エイトはジャックに聞くと
『俺は一番大きいのがいいな!』
『ならあの店かな…』
隅っこの方に少し離れて立っていた店に近づくと
『どうする?ここにする?』
エイトがじっとお店を見つめていると…
「おい!買うのか?買わないならさっさとそこをどけ!」
じっとお店を見つめていたエイトにお店のオヤジが怒鳴りつけてきた。




