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ジャックがエイトを引き離してくれたのでナナミは三人の周りに音声遮断の結界を張った。


「ま、まじか…それをここでやるか?」


ラルクがナナミの魔法に軽く引くと


「エイトには絶対聞かせたくないもの!」


ナナミから本気が伝わる。


「それで?本当に何があったの?エイトは…そんなに傷付いてないように見えるけど…」


心配そうにエイトを見るがジャックと楽しそうに何か話していた。


ラルクとカズキは町でのエイトとの母親の事を話すと…


ピキッ!


結界に亀裂が入った…


「お、落ち着けよ!」


ラルクが慌ててナナミをなだめると


「なんだってそんな人がエイトの母親なの…許せない!」


ぐっと拳を握る。


「本当に一度挨拶に行こうかしら…」


ナナミの言葉にカズキはニヤッと笑うと


「そりゃもう無理だ」


「なんで?そんなに遠くには行ってないでしょ?」


「いや、もう会えない所に逝っちまったから」


「やっぱりか…」


ラルクがだろうなと笑う。


「だってさっき何もしてないって…」


「俺達はな。まぁちょっとジャックか魔物を呼んで餌の在処を教えてやったけど…」


「悪い人ね」


ナナミが苦笑すると


「嫌いになったか?」


カズキがナナミを見つめると


「そんなわけないじゃない、ここで何もしてなかったら嫌いになってたかもしれないけど」


ナナミがカズキの頬を優しく撫でると


「うおっほん!」


ラルクが盛大に咳払いをする。


「そういうのは二人っきりの時にしくれねぇか?まだやるんなら俺はここを出てエイトと遊びに行ってやるぞ」


「駄目よ!エイトはこれから私とご飯を作るの!しばらくはそばに置いとくんだから!」


ナナミはパッと結界を解くと急いでエイトのそばに駆け寄った!


「完全にナナミを取られたな」


ラルクがニヤニヤと笑うと


「だな」


カズキは嬉しそうに笑った。


「ん?なんだ悔しくないのか?」


「何がだ?エイトとナナミが仲良くしてるのを見るのが俺の今1番の楽しみだ」


「すっかり馬鹿親になってるなぁ…」


「だって可愛いだろ、あんなに素直で人の事を思いやれるやつがこの国にいるか?」


「どうだろうな…」


これまでのこの国の奴らのカズキ達への態度を思いラルクは答えられずにいた…


「お前達以外にやっと命をかけられる人ができたよ」


カズキはラルクの思いを知ってか知らずか…穏やかに笑った。



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