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「エイト!」


ナナミはエイトの声に顔をあげるとエイトが駆け寄って来るのが見えた。


「おかえり…遅いから心配したのよ」


ナナミはギュッとエイトを抱きしめると


「ごめんね…山爺が病気で…倒れて…大変だったの…」


エイトがギュッと抱き締められている体をずらしてどうにか喋ると


「おい、ナナミ。エイトが苦しそうだぞもっと力を緩めてやれよ」


ラルクが後ろから声をかける。


「えっ!ご、ごめんねエイト!…ってラルク?どうしたの?」


ナナミが初めてラルクが居ることに気がついた。


「エイトと帰ってきたんだけど…気が付かなかったのか?」


「エイトしか見えなかったわ」


ナナミが真顔で答える。


「お前ら可愛がりすぎじゃねえのか…」


ラルクが呆れると


「エイト!ナナミ!」


カズキとジャックが急いで戻ってきた。


「よかった、無事に先に着いたんだな」


カズキはすぐにエイトとナナミのそばに行くと二人を抱きしめた。


二人の温もりを感じるとようやくほっと息をつき苦笑しているラルクをみた。


「ラルク、悪かったな。さっきは助かった」


「全く、俺があそこで助けてなかったら町が無くなるところだったぞ!」


「そこまでしねぇよ!まぁ引っ越す事にはなったかもしれないが…」


カズキが至極真面目に言うと


「まじかよ…冗談で言ったのに」


ラルクの笑顔がひきつる。


「一体何があったの?」


ナナミがエイトを抱きしめながら心配そうにカズキ達を見つめた。


「エイトは町に降りていたみたいで…」


カズキが言うとナナミはエイトを見つめる。


「ご、ごめんなさい…」


エイトはナナミに見つめられて下を向く…


「何か理由があったのよね?」


「山爺のところに行ったら山爺が倒れてて…薬がもう無くなりそうになってたの…」


エイトが小さい声で話していると


「エイトは薬を貰いに町に降りたんだよな?」


カズキが思わず声をかけると


「カズキ、エイトに説明させて…」


ナナミがじっとカズキをみた。


「はい…」


カズキが黙る…


(やべぇ…ナナミが怒ってる…久しぶりにみた)


ラルクはナナミから見えないようにそっとカズキの後ろに隠れた。


「それで?エイトちゃんとエイトの言葉で教えて」


ナナミがエイトに先を話させる。


エイトはナナミの目を見ながら町に行ったこと、薬屋のおばあちゃんから薬をもらってジャムをあげたこと、その途中でチーズをもらった事を話した…


「そう…おじいさんの為にした事は偉いわ。でもその前にジャックを使ってカズキや私に連絡する事も出来たわよね?」


「は、はい…」


「いいエイト、あなたが傷つくことで悲しむ人がいることを忘れないでね」


エイトははっとしてナナミを見るとナナミは不安そうな顔をして自分を見つめていた。


「うん、ごめん。ごめんなさい!ナナミ」


エイトはナナミに抱きつくと


「僕の為に怒ってくれてありがとう。ナナミ大好きだよ!」


ナナミはエイトの言葉に一瞬驚いた顔をすると


「私も大好きよ…」


エイトを優しく抱きしめ返した。


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