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エイトにおばさんと言われて女はわなわなと震える。


後ろではジャックと大きなおじさんがおお!お歓喜の声をあげていた。


「よく言った!」


「偉いぞ!」


エイトが下げていた頭をあげようとすると…


「ふざけんな!」


女はエイトの頬目掛けて張り手を繰り出した!


エイトは最後だと思い受け止めようと目を閉じた…


しかし一向に痛みが来ない…そっと目を開けて確認すると…


「ま、間に合ったか…?」


女の手を掴んで捻りあげているカズキが目に入った。


「じ、じいちゃん…」


エイトは驚いてカズキを見つめる。


「間に合ってねぇよ!どこいってたんだ!」


大きなおじさんがカズキに呆れて睨みつける。


「ラルク?なんでここに?」


カズキがおじさんを見て驚いている。


「俺の事は後だ。それよりもお前はそのおばちゃんにようがあるんじゃないのか?」


「そうだな…」


カズキはさらに腕を捻ると


「痛い!痛い!離せー!」


女が暴れまわる。


捻りながら投げ飛ばすと、喚きながら地面の上をのたうち回っている。


カズキは女を無視してエイトに話しかけると


「すまん遅くなった…」


エイトは黙ったままフルフルと首を振る。


「あいつに…会ってしまったか…」


カズキが悲しそうにエイトを見つめると


「会ってよかった…やっぱり僕の親はカズキとナナミだよ…」


エイトはカズキに抱きついた。


「エイト…」


「まだ僕の事子供だって思ってくれる?」


「当たり前だろ!」


「僕の事…好き…かな?」


「だから当たり前だ!俺もナナミもエイトが大好きだよ」


「うん…僕も大好き」


エイトは目に涙を溜めてカズキを見つめた…。


「やめろ!そんなガキを好きになるやつなんていない!そいつは私の為に生きるんだ!」


女が喚くと…カズキの腕に力がこもる。


「ぎゃー!」


女は急に頭を押さえ地面に転げ回る。


「ラルク、悪いがエイトとジャックを家まで連れて帰ってくれないか?ナナミが心配して待っているんだ」


「了解!ほら行くぞ!」


ラルクは軽々とエイトを抱き上げると町を出ていこうと歩き出す。


「じ、じいちゃん!?」


「俺もすぐに帰るからこの人と少し話をしたらな…」


「ま、待って!」


エイトはラルクに下ろしてと頼む!


「じいちゃんにちょっと話すだけだから!」


ラルクが仕方なく下ろすとエイトはカズキに走り寄る。


「じいちゃん、その人…」


チラッとのたうち回っている母親だった人を見ると


「僕の家族はじいちゃんとナナミとジャックだけだからね!もうその人は関係ないから…」


エイトの心配そうな顔に


「大丈夫だ。別になんにもしないよ」


カズキはエイトの髪をサラッと撫でるとエイトは安心したようにラルクの元に向かった。


「じいちゃん!後でね!」


カズキに手を振るとラルクと歩いて行く。


「ジャック!行こ!」


エイトは女を睨みながら立っていたジャックに声をかけると


「俺はカズキをきちんと連れて帰るからエイトは先に行ってろ」


「う、うん…」


ジャックはカズキのそばに寄り添うと目を離さず女を見つめていた。

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