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「急にいなくなりやがって!今までどこで何してたんだ!」


お母さんは僕を見るなり心配などするはずもなく怒り出した…


「あっ…あ…」


僕は息が詰まり何も言えずにいると…


「こんないい服を着て…もしかしていい家にでも拾われたのか?」


来ている服や持っている物をくまなくチェックされる!


「そら!この上着を寄越しな!親に渡すんだ!」


お母さんは僕から上着を奪うと自分で羽織る…そして靴を見つめると


「脱ぎな!」


怒鳴り声をあげた…


僕はビクッと肩をあげると急いで靴を差し出す。


その様子にジャックがお母さんに噛み付こうとすると


「なんだ!その犬は!うるさいから捨ててこい!そしたらお前の家に案内するんだ!」


ジャックを見るなりシッシッと手で追い払おうとする。


「ダ、ダメ…ジャック…友達だから…」


「お前みたいなグズでノロマな奴に友達なんか出来るわけないだろ!これからは産んでやった私の為に生きるんだ!」


ニヤッと笑うと肩から下げているカバンを見つめる。


「それも寄越しな!」


お母さんが僕のカバンを引っ張ると…

カズキとナナミの顔が浮かぶ…


僕の為にカバンをくれたカズキ…そのカバンが大きくて紐の長さを直してくれたナナミ…


このカバンだけは…


僕はギュッとカバンを抱きしめた…


すると反抗する態度が気に食わなかった母親がカァ!と赤くなる!


近くにあった木の棒を掴むと


「子供の分際で親に歯向かうんじゃないよ!」


バシッ!と木の棒で僕を叩いた、ジャックが飛びかかろうとすると今度はジャックに木の棒を向ける。


僕はジャックを抱きしめると腕の中に隠した…ジャックとカバンを庇って背中で痛みに耐える。


弱々しい攻撃に体の痛みはそんなに無かった…きっと魔物の攻撃の方が数十倍痛いだろう…だけど僕の心は痛みに悲鳴をあげていた…

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