31
カズキがお風呂に入ってくると、エイトとジャックがピッタリとくっつき合いながら湯船につかっていた…
『なんだ?いつの間にか仲良くなったな』
カズキがクックッと笑いながらジャックを見ると
『エイトを一人にすると心配だからな!な、なにかあったら俺が怒られるんだから…』
ジャックがしどろもどろに答えると
『わかってるじゃないか。その調子でエイトを守れよ』
カズキは自分の頭を洗いながらジャックに話しかける…すると誰かが背中を洗い出した。
「エイトか?」
カズキが後ろを振り返るとエイトが一生懸命カズキの広い背中を洗っていた。
「冷えるから湯船入ってていいぞ」
カズキが言うと
「もう温まったから大丈夫だよ!僕じいちゃんの背中洗いたいのジャックが洗ってくれたみたいに…」
エイトが笑ってカズキを見ると
「ほう…ジャックが背中を洗ってくれたのか?」
カズキが笑いながらチラッとジャックを見ると
『せ、世話になったから…その礼だ…』
ジャックが気まずそうに答える。
「ジャックが洗ってくれた時すごく嬉しかったから、僕もじいちゃんを洗ってあげたくて…どう?嬉しい?」
エイトがカズキの顔を見て笑いかける。
「ああ…最高だ!疲れが全部無くなるようだ!」
カズキの言葉にエイトは嬉しそうに背中を流した。
心も体もポカポカになって戻るとキッチンから美味しそうな香りがしている。
「「ぐうぅぅ…」」
エイトとジャックの腹が同時になると
「お腹すいたよね、待っててねすぐに出来るから」
ナナミがお腹を鳴らすふたりを笑って見つめた。
すぐに美味しそうなご飯を用意してくれると…
「今日はみんなが狩ってきてくれたオークのトンカツだよたくさんあるからいっぱい食べてね」
エイトは目の前に出された大きなトンカツを見るとジャックと目を合わせる。
ジャックも同じようにお皿に入れてもらい今にもヨダレが垂れそうになっていた…
カズキも席に座ると…
「「「『いただきます!』」」」
声を合わせて挨拶をするとトンカツにかぶりつく!
「美味しい!すごく柔らかい!ふわふわの肉だぁ~」
エイトはあまりの美味しさにほっぺを押さえる。
ジャックは一口食べると固まってしまっていた…
『どうした?』
ジャックの様子にカズキが声をかけると
『う、美味すぎる…これ…ただのオークじゃないよな?』
カズキを見上げると
『これはハイオークのトンカツだな、オークより油が上品で美味いんだよ』
『ハイオーク!やっぱりカズキが仕留めたんだな…』
『そりゃあのまま野放ししておけねぇからな』
『クソ…いつか俺が仕留めたかった…』
ジャックが悔しそうにすると
『このくらいすぐに狩れるようにしてやるからいっぱい食って大きくなれ』
カズキはトンカツをかぶっと頬張る。
その様子にジャックも負けじとトンカツにかぶりついた!




