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「エイト!」


カズキは倒れたエイトを慌てて抱き上げる!


ジャックも驚いてエイトに駆け寄った…するとエイトの手足の傷に気がついた…


エイトは靴が脱げて裸足になっており足の裏は傷だらけで血が滲んでいた。


腕はところどころ赤く腫れ上がり、爪はいくつか剥がれていた。


「そ、そいつ…大丈夫か?」


ジャックがカズキに聞くとカズキはエイトに回復魔法をかける…エイトの傷がみるみる無くなっていくとホッと胸を撫で下ろした。


「エイトがボロボロになって泣きながら現れた時はお前を殺そうかと思ったよ」


カズキがジャックを見つめる…その顔は冗談を言っているようではなかった…


「すぐにエイトの傷を治そうとしたんだがな、エイトはお前が大変だっていって全然回復魔法をかけさせてくれなかったんだよ」


「えっ…」


「自分は平気だからジャックを助けてくれって言ってな、俺を引っ張るもんだからジャックを先に助けないとエイトも傷を治せないと思って急いでお前のところに向かったんだ」


カズキが仕方なさそうにエイトを撫でる。


「まぁよく聞いたらお前のおかげでエイトも大きな怪我はしなかったようだからな…よくやった」


カズキがジャックの頭をガシガシと撫でる。


「いや…俺は…何も出来なかった」


「そんな事ないだろ?二人が無事戻ってきた事が何よりだ。じゃあ家に帰るか」


カズキはエイトを抱き直すと


「あっ…でもまだハイオークが森を彷徨いてるかもしれない…」


ジャックが思い出してカズキに忠告すると


「もう大丈夫だ」


カズキが構わずにスタスタと歩き出す。


「もう大丈夫?」


ジャックが聞き直すと


「そいつならもういないからな」


カズキは笑うと家に向かって走り出した。


ジャックはカズキのあとを追いながらエイトの様子を伺う。


カズキに抱き抱えられチラッと見える腕は力が入っておらずダランと垂れている。


その様子からまだ意識が戻ってはいないようだった…


(無理しやがって…)



家に付くとナナミが気を失っているエイトを見ると心配そうに声をあげた!


「エイト!」


ナナミの声にエイトはカズキの腕の中でモゾモゾと動き出す!


「お、起きたぞ!」


ジャックが声をかけると…


「うーん…あれ?ナナミ?」


エイトはナナミの心配そうな顔がすぐ側にある事に驚き声をあげた。


「エイト、大丈夫なの?」


ナナミが怪我してる所はないか確認すると


「えっと…あっ!ジャック!」


エイトはキョロキョロと周りを確認する…ジャックは見えやすい位置に移動してやると…


「あっ!ジャック…よかった…」


エイトのホッとする姿にジャックの胸は熱くなった…

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