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ナナミとカズキはメガホックを倉庫に運ぶと


「エイト危ない目に合ったのね…怖くなかった?」


ナナミが心配そうにエイトに聞くと、エイトは笑って首を振る。


「カズキ、すごい!だいじょぶ」


ふん!と鼻息荒く興奮した様子で答える。


「エイトが怖い思いしなくてよかった…明日から私とお留守番する?」


ナナミが聞くと、エイトは少し考えて首を振り


「カズキといく!」


そう答えるエイトに少し寂しそうにしながらもナナミは楽しそうなエイトの姿にホッとしながら頷いた。


「じゃあ今日は二人が持ってきてくれた猪で美味しいご飯を作るね!汚れた体をしっかりとお風呂で洗ってきて」


ナナミがメガホックを一匹掴むと軽々と持ち上げる。


「ナナミ、おもくない?」


エイトは不思議に思って自分もメガホックを持ち上げようとするがあまりの重さにビクともしない…


「うっん!」


エイトの一生懸命な様子にナナミとカズキは微笑むと


「ナナミは魔法を使ってメガホックの重さを変えてるんだよ」


「まほー?」


「そうさ、ナナミは魔法使いで俺のパーティのメンバーだったんだ」


エイトが首を傾げる…あまりよくわかっていない様子に


「ナナミは魔法が上手って事だ!」


「ふふ、エイトもう一度メガホックを持ってみて」


ナナミは先程エイトが持ち上げようとしていたメガホックに重量調節の魔法をかけると…


「ふん!」


エイトの力でも難なく持ち上がる!


「わぁ!」


あまりの軽さに勢いが着きすぎてエイトがひっくりかえると…


「きゃ!エイト!」


ナナミが慌ててエイトを抱き上げる!


「エイト!大丈夫」


ナナミがエイトを見ると


「ナナミ、も、すごい…」


エイトは驚いてカズキとナナミを見つめた…。


すっ転んで汚れたエイトを連れてカズキはお風呂に向かうとナナミはメガホックを調理にかかる…


ガンッ!


ナナミは包丁をまな板に突き刺すと…


「エイトを襲うなんて馬鹿な事を…私がその場にいなくてよかったわね…しっかりと頂いてエイトの血となり肉となるといいわ…」


ナナミはメガホックの首を一刀両断するとあっという間に捌いていった…。



「ふー…」


カズキとエイトは昨日と同じようにお風呂に入ると…


「いやぁ…ナナミ怒ってたな…」


カズキが呟くとエイトがカズキを見つめた…


「ナナミ…おこる?ぼく…」


エイトが不安にして自分の行動を思い出していると


「違う違う!エイトに怒ってないぞ、エイトの事を襲ったメガホックに怒っていたんだ」


エイトはよくわからずに首を傾げていると


「可愛いエイトが襲われそうになったんだ、ナナミの気持ちも分かるよ…でもナナミがいなくてよかった…いいかエイト、ナナミはすごく強いからな怒らす様な事の無いようにな!」


「ナナミ…おこる…やだ。かなし…」


エイトはカズキの言葉に真剣に頷くと


「エイトはナナミが怒ると悲しいのか…」


エイトの優しい思いにカズキはエイトの頭をガシガシと撫でた…。

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