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「うっそ…」
あの固い魔石を軽く足で踏み潰したカズキを唖然と見つめるダレンに対して…
「まぁカズキだから」
ラルクは苦笑して残りの魔物を片付けていくと
「ナナミ僕だって戦えるよ！ちゃんとナナミを守れたのに…」
エイトはナナミに守られた事を悔しそうにしていた。
「あら、いっちょまえに男の子ね」
ダレンが笑っていると
「だってじいちゃんが男は女の子を守るもんだって…だからナナミは僕が守りたかったのに」
「エイト…ありがとう、次もし襲われた時はお願いするわ」
ナナミがよろしくねとエイトの頭を撫でているのを見て…
「ねぇあのナナミさんってさっきの攻撃見た感じ…かなり強そうだけど…」
ダレンがラルクにそっと聞くと
「あっ…まぁ…程々には戦えるかな…」
ラルクは視線を逸らしながらこたえた。
魔物も殲滅させて魔石も無事に破壊してラルクの仕事の依頼がようやく完了すると
「大分カズキとエイトには世話になったな、依頼の報告して報酬貰ったら二人には何かご馳走させてくれ」
「えー！私には！？私も協力したわよね！？」
「お前はギルドに報告しないだけありがたいと思え！それにいつまでここにいるんだよ。さっさとカズキに挑戦してコテンパンにやられて田舎に帰れ！」
ラルクの言葉にカズキが反応する。
「なんだ？俺と戦いたかったのか？」
「えーっと…まぁそうなんだけど、ほら今は魔物を片付けたし本調子じゃないでしょ？」
「あんなの準備運動にもならん、やるならやっちまおう。その間にナナミ、エイトの為に何か美味いもんでも作ってやってくれ」
「ええ！腕によりをかけて作るわ。エイトはどうする？」
「ナナミのお手伝いする！」
「ふふ、じゃあ二人でキッチンに行きましょ…あっそうだやるなら少し遠くでやってね。あんまり振動とか音があると気が散っちゃうから」
「おう！」
カズキはわかったと手を上げると
「じゃあ行くか？向こうに暴れるのにいい感じの場所があるんだよ」
カズキは二人を案内すべく走り出した。
三人はカズキ達の家から数キロ離れたところに来ると…
「どこが少しなの…」
カズキのスピードに合わせて走ってきた二人は息を切らせていると
「あのくらいエイトでも走るぞ」
カズキが当たり前の様に言うと
「お、お前！あんな小さい子にここまで走らせてるのか！」
「いや…いきなりはやってねぇし、エイトの歩調に合わせてやったりはしたが徐々に距離もスピードも出せるようになったから…」
「道理で俺達に着いてこれるわけだ」
ラルクが呆れる。
「それにエイトに傷薬やら色んな薬学も教えただろ？」
「当たり前だろ！怪我したらすぐにでも薬を塗ってやらんと駄目だからな」
「あのなぁ…あんな子供が料理したり傷薬作ったり…あのエナジードリンクだっけか？あんなの作れたりしたらいいように使われかねんぞ…お前みたいに…」
ラルクが言いにくそうにすると
「…そんな事は絶対にさせん」
呟くような小さな声でこたえた。
