97 【開拓VRβ版実況25】 目をつけられた街
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。
開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。
現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。
第一定都の街の北には絶壁が続いている。
そして最近見えたらしい不穏な影。
気球で調査していたところ、崖上に生息していた巨大なクマの魔物に目をつけられてしまったようだ。
― 降りてこようとしてる!/2 降りてこようとしてる!!/2
― どーすんの/6 これ!/1
― 崖下をちらちら気にしていた魔物が/1 おいしそうなご飯があるって事に/3 気付いちゃったか/2
― まさに藪蛇/6
― 熊だが/1
視聴者が騒ぐのも無理もない、崖の上からゆっくりゆっくり降りてくる影は、見た目は丸々したクマさんのお尻だが。そのクマの魔物はおそらく体長十メートルほどある。このままだと数分後には町中に到着してしまう。
「俺らは/1 退くか/2 ?/6
貴族は/1 戦闘で/5 邪魔にしかならんだろう/3 」
パークサズラムの言葉に意外な提案をしたのはドーエクだった。
「……魔物は/1 魔力に/3 寄ってくるんですよね。/2
私たち貴族が/1 ここに/5 まとまっていれば/2 /05 狙ってくるのでは/2 」
エプヴィルも応じる。
「短時間で/5 まともな防衛線が/3 作れるとも思えんし、/2 /7 我らを/9 囮に/3 籠城戦か……/2 」
「……下手に逃げても/2 防衛線の構築は/1 不完全。/3 街を動き回らせれば/05 被害は/1 甚大……/3
よし、/7 会社でも/5 どこにでも/5 連絡を/3 取ってやるから/2 /04 貴族、/1 指示を出せ/2 」
パークサズラムに促されてドーエク、エンジ、エプヴィルが次々連絡を開始した。
「開拓者ギルドに/5 協力の/3 要請をお願いします、/2 それと、/7 この周辺の/5 建物を/3 フロード第十一商業が/1 買収します/2 」
「ノチリスノイラ第八運輸に/5 船を/3 準備してもらえますか?/2 /7 住民の避難が/1 必要かもしれない/2 」
「ガナフドラ第一警備に、/5 今/5 動ける/2 者/09 全員/3 街の北へ/5 呼んでくれ!/2 魔石も/1 要る。/2
それと/7 艦砲射撃も/3 準備させろ!/2 最悪/5 港におびき寄せて/2 撃つ/2
イオナ殿の農園にも/3 つないでくれ/2 /7 避難民が/1 いくかもしれん/2 」
「きゅいきゅい!」
なぜかキューイも喋る。
パークサズラムは手品のようにふわっと数羽のハトが飛び立たせると、目を丸くしているエンジに声をかける。
「情報通信会社が/1 使える/2 伝達能力のエフェクトだ。/3 /7 好きな相手と/3 リアルタイムで/4 通信できる。/2 /7 今呼び出し中だ/5 」
― 伝書鳩のイメージかな/1
「旦那~/1 」
聞きなれた声が街の方から聞こえた。数人が振り返る。
「あれは/1 たしかNPCの……?/3 」
「アードットさん/1 カーマンさん/1 ベクローさん/1 」
そして、西の河港を開拓に来ていたラウンド髭の開拓者NPCもいる。
「いや/6 あれだろ!?/1 あの崖の上に居る奴だろ!?/1 ぜってー無理だっつの!/2 狩猟者が/1 やれ/2 」
「バサップさんにだって/5 防衛の/4 塀/3 作るとか/2 /7 色々仕事/1 あるっすよ/2 」
「ねーわ!/6 ぶっ壊されんのがオチだ!/2 」
「わしらだって/1 普通に/6 殴り合ったら/2 /05 ぶっ飛ばされるのがオチだわいな/2 」
「早かったですね、/3 今/5 開拓者ギルドに/3 応援を出したところですよ/2 」
「そりゃ/3 知らなかったな。/2 /7 俺らは/1 おもしれーもん/3 見に来ただけなんだ/2 」
「だから/7 俺を/3 巻き込むなっつーの。/2 せっかく/6 西の河港が/1 一段落して/3 /7 休みに来たっつーのによ!/2 」
「変なものは/1 浮かぶわ/2 でけー魔物は/1 降りてくるわ/2
気にならねぇ方が/1 おかしいっすよ/2 」
「あれが/1 気球ってやつかいな?/3 」
― そこで/5 野次馬しに来ちゃうのかよ。/2 やばいって/1 わかるだろ/2
― そういう/6 好奇心旺盛なとこが/1 開拓民なのか/3
ここの旦那らは金払いいいぞ、というアードットに、金に命掛けれるか、と悪態をつきつつ帰らないでいてくれるバサップだ。
「大体だ!/6 俺/1 今/5 まともな壁/3 作れる/2 ほどの魔石/03 持ってねーよ!/2 」
バサップのコメントにエプヴィルがエンジに向き直る。
「エンジ殿、/1 西の河港でやっていたような方法で/4 ここに/5 砦を/3 作れるか/2 ?/6 」
「西の河港でー……/5 ?/6 」
― セージドに/5 畑/3 掘り返してもらったり/2 木を/3 掘り返してもらったり/2
「……ああ!/6 早速頼んでみます/2 」
と、バサップとザスフームをともなって近くの空き家を使って練習し始めた。
「こんな感じでお願いします/2 」
と、模型を作ったザスフームの言葉を通訳。
「ここんとこに/5 こう、/6 柱を渡せば/2 /05 突進にも耐えるんじゃねーかな/2 」
「ここに/5 こう……/6 」
と、模型をいじるバサップの言葉を通訳。
開拓者が砦の模型となるミニチュアを作って打ち合わせをしている。
簡単な打ち合わせが済むとバサップが嬉しそうに声をあげた。
「はっはーん!/6 材料と魔力は/3 用意するから/2 /05 加工を/3 やれっつんだな!?/2
こりゃセージドの野郎が/1 夢中で遊んでたわけだ!/2 魔力に/5 糸目は/3 つけないでいいんだな?/2 お坊ちゃん!/1 」
「はい!/6 魔力は/3 気にしないで/2 頑丈なのを/3 お願いします!/2 」
「バサップさんが/1 何言ってるのか/3 わからないんですけど/2 /7 本当に大丈夫ですか/3 ?/6 こんな大きな建物だと/1 魔力切れとか/3 心配なんですけど/2 」
「はやくせいな!/2 もう上から三分の一近くまで/5 来てるわいな!/2 」
「うっせーな!/2 おめーら!/1
坊ちゃん!/1 この辺のボロ屋全部/5 魔法の範囲に/3 収めてくれ!/2 地面の下もだ/5 」
緊急事態に廃材を使ったにしては見事な手並みだったようだ。
ただ頑丈な壁を作るだけでなく、土台を作り、内側外側に骨組みを入れて補強されている。
屋上のある三階建てといった形だ。魔物が後足で立ち上がるとギリギリ屋上より頭が下になる予定。体重をかけて押しつぶされないようにしたかったようだ。
エンジは簡易砦の中の壁にもたれかかってゆっくりゆっくり移動していた。廃材から臭うのか、わずかにかび臭い匂いがする。
「……さすがに/6 魔力/3 使いすぎたみたいです……/2 」
「きゅ~」
腕を上げる気力がない。
― 初/6 魔力切れ/2 ?/6
― どんな/63 感じ/2 ?/6
「感覚が/1 ちょっと遠くなるというか/3 ……あっ/6 」
言った瞬間、エンジが何もないところでこけた。
― 素?/4 それとも/7 魔力切れのせい?/4
「体が重くて/3 /7 感覚が/1 一拍/6 遅れる感じで/2 /7 動きづらいです/2 」
立ち上がっては転び、起きようとしては転んでいる。杖にすがってようやく上体を起こす。
「きゅう!きゅい!」
キューイにも心配されているようだ。
― あ、/6 それ/1 ダメージ負った時の/5 描写と/3 ほぼ/6 同じだね/2
― それ/1 VR的に/5 大丈夫なのか?/3 VR外した時/5 変な感じになったりしない?/2
― 感覚/3 変えるのは/2 /01 医療研究時代に/5 大体/6 検証済みだよ/2
― 精々/6 ランニングマシンから/5 降りた/2 直後みたいな/06 違和感を/3 数分/5 感じる程度だぞ/2
「魔力の回復に/3 専念します。/2 動けるように/3 ならないと/2 」
エンジは体の力を抜いて周囲の魔力を集める事に専念し始めた。
街のあちこちから応援が到着したらしく、人の気配が多くなっている。直後に、外からエプヴィルの声が響いた。
「ニスミハ!/1 何を/3 する気だ!?/2 」




