96 【開拓VRβ版実況25】 未知の崖上
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。
開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。
現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。
西の大河の北。つまりエンジたちが今いる第一定都から北西。
そこに広大な草原が発見された。
海路では遠周りが必要で、第一定都から陸路でいくには北の絶壁に阻まれて攻略が難しい。
それならば、と気球が開発され、北の崖に挑んでいる。
しかし、気球に居るザスフームの切羽詰まった声だけで崖上の様子が見れない状況。
― やばやばやばあ/6
― もちつけ/6
― イグドナさぁん!/1
― せめて下で/5 やられてくれないと/2 復活できんかもしれない/2
― 何縁起でもないこと/3 言ってんだ/2
― 飛び降りれるわけあるかぁ!/2 千メートルだぞ!?/3
― だって/6 崖上/5 測量されてないし/2
― 上の方に/5 視点/3 合わせてる/2 人/01 いないの/2 ?/6
― 実況視野の外だ/5
― リアルタイム同期だと/5 エンジの半径百メートルちょいが/1 限界/3
― 誰か/1 イグドナさん達の実況と/3 二窓してない/2 ?/6 状況/3 教えて/2
「きゅい!きゅい!きゅーい!」
視聴者とキューイの焦りのコメントの嵐の中、エンジは崖上に目を凝らし、魔力を感知しようとする。
イグドナと思しき影が崖から気球に向かって飛び出した。
気球に弾かれるかと思いきや、気球を包んでいる網にしがみついて事なきを得たようだ。
同時に崖上に現れた黒い影。イグドナを捕らえようとするかのように腕を振るい、気球を狙って俊敏に動きまわっているのが見える。
「二人を/3 救助!/2 全力で/4 引け!/2
半数は/1 武器を/3 持って/2 待機!/2
魔物も/1 飛び降りてくるかもしれん!/2
ニスミハ!/1 気球を/3 崖から/5 離せ!/2 」
エプヴィルの号令で緊張が走る。
エンジもステッキを構えた。
パークサズラムとドーエクが見物人の避難をさせ始める。
「肉食動物って事しか/3 分かんないー/2 」
「ウェンカ!/1 お邪魔になっちゃう/2 早く!/6 」
ウェンカは崖上の魔物を識別しようとしたらしい。
警戒してか、崖が高すぎるせいか、崖上の影は追ってはこないようだ。
「気球に/3 飛びついてくるか、とも/2 /03 思ったのだが/2 /7 警戒心の高さが/1 幸いしたか/3 」
無事、地上付近に降りてきた気球を見て、エプヴィルは息を吐いた。
「ご無事ですか!?/6 イグドナ様、/1 ザスフーム様/1 」
「あ……あいあいさー……/6 」
「俺は/1 全然無事ですけど……/3 」
気球に乗っていたザスフームはともかく、イグドナは腰が抜けかけてへたり込んでいた。
― クマ?/6
― シルエット見る限り/4 クマっぽい/1
崖上の影がこちらを見下ろし、雄叫びをあげる。
「ひっ/6 」
人々の間から小さい悲鳴が上がった。
エンジも思わずステッキを握りしめる。
崖上の影は動かない、じっとこっちを見つめ、たまに崖に手をついている。
― もしかして/6 降りれるところ/3 探してんのか?/2
「すごいでかいんですよ!/6 四足歩行時でも/5 私の身長の/9 倍はありましたもん!/3 」
「遠目に見えた時は/5 「あ、何か来る、やば」って/03 思って/2 声かけただけだったんですけど/2 /7 マジでやばかったですね/3 」
「ザスフームに言われてようやく魔物に気付いたんだけど、逃げなきゃ死ぬと思ったね」、とイグドナは語った。
そして語りながらキューイを抱っこしてわしゃわしゃ撫でている。安心するらしい。
「きゅいぃ~」
「住民に/5 崖の上への/3 注意の/2 呼びかけは/03 済ませた/2 」
パークサズラムが声をかけに来た。それにサラッと情報を付け加える。
「ああ、/6 前々から/5 頻繁に/5 崖上の魔物は/1 落ちて来てたみたいだぞ/2 」
「何!?/6 」
パークサズラムの爆弾発言にエプヴィルが困惑した。
「大抵は/1 ウシやシカ型の魔物だな。/3 /7 崖から/5 転落死したと思しき/2 魔物の魔石が/01 落ちてることがあったらしい/2 」
「そんな話は/1 初耳だぞ/3 /7 ずいぶん前に/5 転落事件が/1 数件/3 /7 ギルドに/5 報告されていただけのはずだ/2 」
「今/5 言っただろ、/2 魔石が/1 落ちてることがあるって/2 」
― 住民が/1 ネコババしてた?/2
「プレイヤーは/1 街の北の端に/3 行く/2 用事なんて/01 滅多にない/3 /7 大型の魔物の魔石は/1 住人には/5 いい稼ぎだったみたいだぞ/2 」
― 落石ばっかりじゃ無かったっぽいな/3
― そんな/6 守株待兎みたいな/6
エプヴィルはため息をついた。
「さすが/6 情報屋といった所か……/3 」
「今/5 情報が/1 出てきた/2 理由は/01 それだけじゃないと思うぞ。/3 周辺住民も/1 思ってるんじゃないか/2 ?/6
あれが/1 落っこちて来たら/2 /05 元気に暴れそうって/2 」
話を聞いていた全員が崖上をうろうろしている魔物を見る。
― 木から落ちるクマの画像/3 思い出した/2
― 麻酔でも/3 撃ってみる/2 ?/6
― それ、/1 気球を/3 クッションにして/2 助かる/2 フラグでは……/03
今すぐ気球をどかせと視聴者達が喧々囂々し始めた。
― ……あれ/1 降りてこようとしてない/2 ?/6
エンジが上を見上げると、崖上の魔物は後足を崖にぶらぶらさせていた。




