95 【開拓VRβ版実況25】 遊覧飛行の前に
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
― ちっちゃい気球は/1 何に/63 使うの/2 ?/6
― パイロットバルーンでしょ/1 風向きとか/3 見る/2 やつ/03
― 紐とか/3 括り付けて/2 /05 上まで/5 飛ばすのかと思った/2
視聴者が話しているのは北の崖の下に立っているニスミハが持っている小さな風船についてだ。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。
開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。
現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。
西の大河の北。つまりエンジたちが今いる第一定都から北西。
そこに広大な草原が発見された。
第一定都と北の平原は陸続きのはずだが、第一定都の街がある平野の北には絶壁が広がっているため北進できない。
しかし、北の絶壁を超えれば陸路での攻略も可能かもしれないのだ。
ニスミハが小さいバルーンを飛ばす。見守る町の子供達から歓声が上がった。
これは風向きや強さを見るもので、わずかにやや西南、内陸の方に飛んでいった。
「風向き良好。/3 というわけで/6 この/1 魔素を/3 封入した/2 ガス気球ですわ!/03 」
既に気体の充填は済んでいるらしく、大きな家数軒ほどもある気球はまん丸だ。
「この気球は/1 密度が薄い/3 とはいえ/7 魔力の塊ですから/4 /7 魔物から/4 襲撃を/3 受ける/2 可能性もあります。/8
最終的には/5 崖上まで/5 道を/3 作るなりして/2 /04 交通を/3 確立したいところですが……/2 /7
まずは/5 偵察ですわ。/2
頼みますわよ/2 イグドナ様、/1 ザスフーム様/1 」
「あいあいさー/6 」
「がんばりまーす/6 」
狩猟者のイグドナと開拓者のザスフームを乗せて気球はふわりと舞い上がる。
地上では特に小さい子供たちがわーわーきゃーきゃー自分も乗りたいと大騒ぎだ。
イグドナは低空の間は子供たちに手を振って、その後は周囲の警戒に努めた。
高さの調節は下で待機している狩猟者開拓者が綱引きのようにロープを引っ張って調整している。
目の前いっぱいに広がる気球から少し離れ、エンジは崖と気球が視界に収まる位置まで移動していた。
「きゅいー」
キューイも足下についてきている。
― エンジ、/1 魔物の気配とか/1 ない/2 ?/6
「今のところ/5 感じないです/2 」
「きゅいー」
― でも/7 崖の上は/1 遠いからな/3
「そうですね/6 」
エンジと一緒に居るのはキューイと視聴者だけ、と思いきや。
「はい/6 こちらの目視では/4 異常ありません/2 どうぞ/6 」
ニスミハがエンジの横に居た。
― パーティー内チャット?/3
― パークサズラムさんの/9 通信魔法かも/1
― この崖/1 何メートルぐらいあるの/5 ?/6
ちょうど気球に乗っている二人から質問が来たらしい、ニスミハが答えた。
「崖の中ほど/5 五百メートルぐらいですわ/5 どうぞ/6 」
― 中ほどで/5 五百メートル/5
― その崖/1 高さ千メートルぐらいあんの!?/5
― 東京タワー/1 三個!?/3
― 南半球だったら/5 街/1 日陰になってたね/3
― 音声通話越しでも/5 読解補助語/1 作用すんの?/2
― ゲーム内だから/5 個人の/1 発した/2 言語情報として/05 処理されてるんだと思う/2
― 姿が見えない遠くから/5 マリノキアさんに/3 日本語で/4 話しかけても/2 /05 言葉通じるから/2 今更/5
― 現実の黒電話で/4 読解補助できたら/2 /05 謎の技術すぎるわ/3
― 昔々/5 プッシュ音で/4 読解補助信号を/3 送れるようにしようとしたことがあってな……/2 /7 全然流行らんかったけど/2
「エンジ様/1 ここから/5 異常が/3 見えたら/2 /05 教えてくださいませ。/2
わたくし、/1 気球の下に/5 移動しますわ/2 」
そこから気球はグングン上昇スピードを上げる。
ニスミハと上空のイグドナ達は連絡を取り続ける。
「こちらイグドナ/1 結構寒いです/3 どーぞ/6 」
「うかつでしたわ、/2 百メートルごとに/5 0.6度ほど/9 気温が/1 低下すると言われていますわ/2 /7 およそ/6 二十度になります。/5 」
「二十度!?/3
まぁ/6 動き/1 鈍ったら/2 いやだから/6 /7 厚着しなかったけどね/2 」
イグドナは猫耳なだけあって、回避を重視した軽装になっている。
「崖上/5 見えました/2 /7 今のとこ/5 魔物は/3 見えません/2 どーぞ/6 」
「向こうに/3 飛び移る/2 から/04 もちょっと/6 あげてー/2 」
「了解/6 高度/3 あげますわ/2 /7 何か/3 見えますか/2 ?/6 どうぞ/6 」
上空千メートルの足場をものともせず、イグドナが崖の上に飛び移った。
反動で気球が大きく揺れる。
「緑の草地/1 それと/7 動物……牛の骨の一部/1 ……かなりでかいです/3 」
ザスフームがイグドナの報告を伝えている。
「緑の草地ですわね……/3 失礼/6 その骨/1 魔物ですの?/3 それとも草食動物?/3 」
― 骨?/6
― ウシ?/6
― 野生動物かしら?/6
「イグドナが/1 調べてます……/2 /7 多分/6 魔物……/3 /7 ウシの魔物?が/1 死んだのは/2 割と最近……/05 」
― うぇ!?/6
― 何か/1 まずい/3 ?/6
― でけー牛の魔物の死因が/1 崖上に/5 ある/2
― 自然死ならあれだけど……/6
不穏な気配を感じたのか、キューイがきゅいきゅい鳴き出した。
「あー……/6 骨の状態から見て……/4 っ!イグドナ!/1 戻れ!/2 」
ザスフームの切羽詰まった声が伝わってきた。
崖下からは何も見えない。




