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89 【開拓VRβ版実況23】 ケルピー?

※お使いのパソコン・情報端末は正常です。

 セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。


― ZZZ/6

― ZZZ/6

― ひま/6

― なぜ/6 砂浜に来て課外授業が……/1


 視聴者が暇を持て余し、エンジも眠い。


 開拓VRゲーム。Walkers(ウォーカーズ) on(オン) the() Frontier(フロンティア)。略称WotF。

 舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。

 開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。


 現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。


 西の河港の事を全面的にガナフドラに一任して一段落、ゆったりのんびりできそうな昼下がり。


 エンジは南の海岸で、キューイを遊ばせながら、テリューナル教授の授業を聞いていた。

 何か聞こうと思ってて教授の授業が終わるのを待っているわけだが、暇だ。


「そうして/6 フロギストンは/1 拡散していくわけですが、/2 /7 密に詰まった物質の中では/5 移動が/1 遅くなります。/2

 理論上は/5 圧力を/3 上げれば/2 /57 液化するわけですが/2 /7 フロギストンは/1 非常に移動しやすい/2 性質を/03 持つため/2 /47 一定以上の/9 圧力をかけると/2 /57 容器に/3 留められず/2 /7 容器の外に/3 逃げてしまいます。/2

 回復薬を/3 製造する/2 ときは/57 蒸発しないように/5 植物などから/5 抽出した/2 フロギスタノールを/3 凝集させるため/2 /47 非常に手間がかかります。/6

 回復薬が/1 高価なのは/3 /47 このように製作に/5 手間と/1 時間が/1 かかる/2 ことも/01 もちろん。/3 器具や瓶のガラスを/5 フロギストンと/3 化合させてありまして、/2 /7 封入した/2 フロギストノールの/01 拡散/2 を/03 防いでいるのですね。/2

 そのため/4 回復薬の瓶は/3 回収して/2 再利用する/2 ことを/03 推奨されているのです/2 」


 しかし、野外とはいえ一度講義に参加した以上は途中で抜けるのもばつが悪い。

 サリーリルカもミーレ君も真面目に授業を聞いている。


 キューイは街の子供達と一緒に波打ち際で遊んでいる。

 霧の森の魔王様曰く、すごい魔物。だが授業を妨害しようというそぶりすらみせない礼儀正しい子だ。


― あれ/1 何だ?/6

 不意に視聴者がコメントする。


― どれ?/6

― こっちは/1 おめーが/1/9 どこ/3 見てるか/2 /03 分かんねーんだよ/2

― なみうちぎわ/1 子供/1 やばい/2


 エンジも波打ち際に目を走らせると、少し離れて一人で貝殻を拾っている子の背後に大きな怪しげな影が浮かび上がるところだった。


― やばい!/6

― 例の毒蛸だ!/1


 エンジも立ち上がるか魔法を使うかで致命的に逡巡しゅんじゅんした。

 気付いた学生の悲鳴が上がる。子供が大蛸に殴られたら即死もあり得る。

 どうしたって間に合わない。


 不意に視界の外、真横から蛸に向かって、何かが高速で駆け抜けた。

 同時に巨大なタイヤが強く弾んだような鈍い音がする。


「グルルルル」


 駆け抜けた何かは一瞬で引き返し、子供と蛸の間に割り込んで、蛸の方に向かって唸り声をあげた。

 白馬とも竜ともいえるような姿。


― え/6

― 新しい魔物/1 来てる/2

― やばい/6

― 子供/3 回収しろ/2

― 強そう/3

― あの魔物/1 ちびっこ/3 守ってない/2 ?/6


― 見てた/2

 あれ/1 キューイだ/3



「きゅい」


 蛸の魔物は轢かれて絶命していた。波間に空気の抜けたボールみたいになった皮がぷかぷか浮いている。

 安全を確認したキューイは元の姿に戻っていた。


 しかし騒ぎに気付いて浜辺に居た人たちが集まってきている。


 学生がおずおずと話し出した。

「あの……/6 変身するなら/5 思い当たる魔物が/1 居ます……/2 /7 ケルピーって/3 言うんですけど/2 」


― ケルピー/1

― 人喰い水馬だっけ/3 ?/6

― 馬の姿してることが/1 多いだけで/3 /7 いろんな姿をとる/3 って伝説ある/1

― 飼えるんだっけ/2 ?/6

― 最近のゲームは/5 宗教関係は/3 避けるからなぁ/2

― ケルピー/1 この世界だと/5 どういう/6 立ち位置なん/5 ?/6


「ケルピー……。/1 馬の姿を/3 とる/2 ことが/57 多い/3 不定形の魔物です。/3 鬣を/3 持つ/2 蛇のような姿とも/37 言われています/2

 スライムに近い性質を/3 しており/2 、/7 人に/3 粘りついて/2 /7 水に/3 引きずり込み/2 捕食します/2 」


 教授のコメントに、周囲の空気がどことなく固くなる。


― んんん/6

― 毛の下に/5 鱗/1 あるな……/2

― 変身する/2 魔物なんだよね……?/01 うーん……/6

― 可能性/1 半々って感じ/3


 エンジはあわててキューイを撫でて安全をアピールする。

「僕は/1 ずっと/6 一緒に/5 居ますけど/2 /7 キューイに/3 べとつかれたことはないですよ!/2 」

「きゅーい」

 教授は首を振った。

「ケルピーは/1 普段は/5 大人しく/3 /7 本能的に/6 捕食行動を/3 とるのは/2 /17 背中に/5 人が/1 乗った時です/2 /05

 大抵は/6 鞍と/3 手綱を/3 着けた/2 姿で/04 現れます。/2

 背に/3 乗れば/2 /57 正体が/1 わかる/2 とも/37 言えます/2 」


 キューイが大きな姿を見せたのは今回が初めてだ。普段は精々中型犬サイズなのだから、当然背中に乗ったことはない。


「きゅい!きゅいきゅーいきゅい!」

 不穏な空気を察してかキューイが抗議の声をあげた。

 が、かわいいだけでは事態が収まらない雰囲気だ。


「キューイ、/1 僕を/3 乗せれますか/2 ?/6 」

「きゅい!?」

― 逃げちゃだめだ/6

― 大丈夫だって/3

― しかし/7 かわいかったから/4 許されてたけど/2 /7 正体不明の魔物って/1 存外怖いな/3


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