87 【開拓VRβ版実況22】 理不尽な恋人
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。
開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。
現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。
西の河港、霧の森の魔王様に工場建設の許可を取り付けるのは、拍子抜けするほどあっさりと済んだ。
しかし、建設計画の中心人物の一人であるミルフマが魔王様から不思議な質問をされる。
恋人になぞかけのような無理難題を課す歌。
この解釈を教えてほしい。
以前、エンジが霧の森の中で唐突に聞かれたのは「魔物についてどう思う?」。
あの質問への回答も好感度に重大な影響を及ぼした節があるだけに、ミルフマの答えも重要になりそうだ。
ミルフマの答えは。
「結ばれることを許されない恋人へ/5 愛を/3 伝える/2 歌だと/03 思いました/2 」
― へぇ/6
― そんな解釈/1 あるんだ/2
― 源流の一つが/1 妖精の騎士と/5 人間の娘の/5 恋の歌だから/03
― 結婚できないから/4 遠回しに/6 お断りしてんのか/2
― 言い方/1
― まぁ/6 あっちの妖精の騎士は/1 死神や/9 疫病の擬人化って/9 説があるし/03
視聴者の言い方はアレだが。霧の森の魔王様は魔物になったことで周囲から魔力を吸収するようになってしまい、人の魔力を枯渇させて死なせないために人を遠ざけた過去がある。
その話はエンジしか知らないが、ミルフマは言葉を続ける。
「この理不尽すら/3 超えられたら/2 /05 あなたに/3 会えるだろうに/2 という思いを/03 歌っているのだと思います/2 」
― やっぱ/6 言い方/1 大事/3 /7 説得力が/1 違う/2
― 説得力/1 超/6 分かる/2
「…………そっか/6 」
魔王様が呟いたが、骨の反響で声色から感情を読み取れない。
「仲良くしていた子が、/1 ここを/3 離れる/2 前に/05 歌ってたんだ。/2
ありがとう/6 」
次に聞こえたのは明るい声のお礼の言葉だった。
― うぉう!?/6
― 変なこと/3 言わんで/2 よかったな/6
― これ/1 正解だよな!/3 正解で/3 いいんだよな!/6
― とりあえず/6 「遠回しなお断りの歌」って/3 回答じゃ/01 ダメだったってことは/3 分かった/2
― 言い方/1 大事/3 、/7 超/6 大事/3
ミルフマは魔王様の好感度を上げることに成功したようだ。
今後、西の河港に来やすくなるだろう。
「僕/1 必要ありませんでしたね/3 」
― そんなもんだぞ/6
― ドンマイ/6
「エンジー/1 」
「はい/6 」
唐突に魔王様に呼ばれた。
「人をいっぱい/3 連れてきてくれて/2 ありがとう/6
昔は/5 森の中と外から/5 歌を歌い交わすぐらいだったけど/2 /7 昔を/3 思い出して/2 嬉しかったよ/6 」
― この人の/1 言う/2 昔って/01 どれくらい前なんだ/5 ?/6
「いえ/6 こちらこそ/1 唐突なお話で/3 すいませんでした/6 」
「あの/1 元スライムの/9 白い子/1 元気にしてるかな/3 ?/6 」
「キューイですか?/3 」
「元気そうだね/3 /7 あの子/1 エンジを/3 探してたんだけど/2 /7 多分/6 東に/3 居るよっていう/2 /7 大雑把な事しか/3 言えなかった/2 から/04 心配だったんだよね/2 」
「元気にしてます!/2 ありがとうございました!/6 」
― キューイは/1 やっぱり/6 ここの/5 スライムだったのか/3
― 霧の森の主さん/3 ありがとー/6
― 元気にしてるよ/2
― あの子/1 言葉/3 わかんの/2 ?/6
― この人が/1 テレパシーみたいなのを/3 使えるんじゃね/2 ?/6
― きゅいきゅい/3 言われても/2 /7 エンジの居場所/3 知りたがってる/2 とか/01 分からんもんな/2 普通/6
「あの子/1 すごい魔物だから/3 /04 頑張ってね/6 」
― え/6
― え/6
― この人が/1 言う/2 『すごい』……/03 ?/6
― あの子/1 人間が/1/9 飼って/2 いいもんなのか/03 ?/6
― ダメだったら/5 今/5 教えてくれるだろ/2
― この人も/1 色々と/6 規格外だし……/3
― どう/6 すごいのかが/3 /01 めっちゃ重要/3
詳しく聞きたかったが、エンジも口下手だったし魔王様も語彙力がアレだった。
このコミュニケーションギャップは魔王様が古語を話してるせいだけではないはずだ。
― エンジ/1 ここに来るたびに/5 へこんでない/2 ?/6
― 何か相性/1 悪いのかな、/3 霧の森と/5
洋上で視聴者になぐさめられる。
キューイに関する不安を胸に、一路第一定都に戻るエンジだった。
― 何か/3 吸い取られてないか/2 運とか/6
魔王様が不死者だと知らないはずの視聴者が、ドレイン能力を言い当てているのが言いえて妙だ。エナジードレインで運は吸われないはずだが……。
第一定都の港にはキューイも来ていた。
「きゅいー」
「キューイ!/1 お留守番/2 偉かったですねー/3 」
― かわいいから/4 よし/3
― まぁ/6 大丈夫しょ/3
― 将来/5 ゴツくなる/2 とか/03 そういう事じゃない/6 ?/6
「エンジ様が/1 本国に行っている間も/5 いつも/5 いい子に/6 お留守番してn……ます。/2 /7 もっといつも/5 褒めてy……あげてください/2 」
「きゅう」
― そっか/6 エンジが/1 ログアウトしてる間は/5 ジェクルさんが/1 面倒見てくれてるんだ/2
― たまに/6 ジェクルさんが/1 大学とか/5 街とか/5 散歩させてくれてるぞ/2
― 重要課題は/1 済ませたし/2 /7 好きな事/3 して/2 /01 いいんじゃない/3
「そうですよね/6 」
エンジはキューイをなでて、今後はしばらく街でゆっくりしようと思った。
エンジはまったりのんびりプレイヤーだ。まったりのんびりプレイヤーのはずだ。




