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85 【開拓VRβ版実況22】 工場排気と霧の森

※お使いのパソコン・情報端末は正常です。

 セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。


― 第二定都の方は/1 まだ動かんのかねー/2

― 紛糾してんじゃね/2

「どうなんでしょう?/6 」

 と、エンジが視聴者と話しながら動作確認部屋からログインした直後、エンジの視界にヘルプキャラの黒猫人形のハロウさんが浮かんでいた。



 開拓VRゲーム。Walkers(ウォーカーズ) on(オン) the() Frontier(フロンティア)。略称WotF。

 舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。

 開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。


 現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。



『プレイヤー:ミルフマ・ウェルクルスさんから メッセージが/1 届いています/2 』

 ヘルプキャラクター、黒猫人形のハロウさんがメッセージのお知らせをしてくれた。



 日程に都合がつき、エンジはミルフマに合流すべく船に乗って西の大河に向かう。

 霧の森の魔王様に工場建設の許可を取り付けるのが目的だ。


 この工場建設は危険な第二定都からミルフマの工場を引っ越すための口実になるため、ある意味ウェルクルス第四十七工業会社の社員の命運がかかっている、責任重大だ。



「エンジ様/1 いってらっしゃいませ/2 」

「きゅいー」

 マリノキアさん、ジェクルさん、キューイがお見送りしてくれた。

 小さいキューイは長旅で負担があるといけないのでお留守番だ。

 単独で霧の森から第一定都まで来た可能性は高いが、念のためだ。



「こちらが/1 簡単な計画案です/3 」

 一緒に船に乗り込んだドーエクから書類の束を渡された。


「パークサズラムさんとエプヴィルさんの情報網と/4 イオナさんの土地利用状況の報告から/4 まとめたものです/2 」

「ドーエクさん/1 ありがとうございます/6 」

「向こうで/5 ミルフマさん/1 ニスミハさんも/1 現地の情報を/3 分析していますので。/2

 それと/3 合わせることになります/2 」

「分かりました/2 」

 学者のニスミハは向こうに滞在して色々調べていたようだ。


― 急に忙しくなってきたな


 視聴者のコメントに同感のエンジだ。



 西の河港に着いたのは夜。

 そこここにかがり火が焚かれ、狩猟者が警戒に当たっている。


「エンジさん/1 よろしくお願いします!/6 」

 西の河港に着くと、港に来ていたミルフマが手を振って挨拶してきた。

「お待ちしておりましたわ/2 」

 ニスミハも一緒だ。セージドとマルシールア、オージハッドも一緒に居る。イドレード達は警備だそうだ。


 西の河港は開拓が進み、森の魔物に奇襲を受ける事は心配しないでよさそうな程度には開けてきている。

 一方で家は元からあった家をリフォームしたり簡易的な掘っ立て小屋を作ったりしているようだ。


「木材は/1 あるんです/2 けど/7 加工が/1 追い付かないんです。/2 人手が/1 足りなくて/2 」

― 好景気/1 ここに極まれりって感じだ/3

 セージドの説明に視聴者が相槌を打つ。


 足音に混じってエンジやミルフマのステッキや傘が桟橋を軽くたたく音が静かに響く。


「街が/1 できてしまった/2 後では/05 難しいところでしたが、/3 /7 今のうちなら/5 工場の建設に/3 取り掛かれますわ/2 」

「そ、そうですね/6

 でも/7 この土地を/3 買い上げるとなると……/2 」

 ミルフマは巨大プロジェクトを突如動かすことになった立場なので大困惑している。


「ご心配なく。/6

 この土地は/1 /7 第一定都の共同プロジェクトが/1 測量、/2 管理、/2 開拓しておりますので/2 /04 フロード第十一、/1 ガナフドラ第一、/1 ノチリスノイラ第八、/1 ダスバックス第五が/1 土地を/3 お貸しする/2 契約です/03 」


 にっこり笑うドーエクさんに視聴者のコメントが殺到する。

― それ/1 /7 信用できる相手じゃないと/5 事業/1 終わったら/2 /05 工場/3 置いて/2 出てけって/2 /03 言われる/2 契約では……/03

― ドーエクさん/1 笑顔が/1 怖いんだよな/3

― 河港が/1 第二定都に/3 乗っ取られるの/2 /03 警戒したんでしょ/2

― 新人差別/1 ないわー/3

― ミルフマさんは/3 信用していいと思うけど/2

― ドーエクさんも/3 信頼してあげてくれ。/2 いまだに/6 誰も/3 だましたりはしてないぞ/2


「何にしても/6 霧の森の主を/3 説得できた/2 上で、/05 という事になります/3 」

 真面目な顔になってドーエクが付け加える。

「が、がんばります/6 」

「がんばります/6 」

 そこにニスミハが地図などを含めたデータを持ってきた。

「こちら/5 工場建設時の/5 瘴気濃度の/9 変動予想図に/3 なっております。/2

 観測データが/1 少なすぎるため/3 /04 不確かなところも/1 多いですわ/3 」


 明りの下で資料を受け取り、ニスミハの説明を受けながら、がんばって読み込む。

 会談が皆も来れる位置ならいいが、そうでなければ霧の森の奥で、エンジだけで霧の森の主を説得しなければならない。


 聞かれたことを答えられないといけないので、一通り説明を受けたエンジは難しいテストを受けた後のようにぷしゅ~っと潰れていた。



 不意に、げんはじくポン……ポン……という音が聞こえてきた。

 エンジが顔をあげると、ミルフマが器用に楽器を奏でている。


「竪琴ですか?/6 」

「はい/6 こちらで/5 学者さんと/1 開拓者さん達が/1 作ってくれたんですよ/2 」

 音合わせが難しいんですけど……と、少し調整して再びポツンポツンと弾き始めた。


 しばらくすると、調整が済んだのか音楽を奏で始める。


 よその国の歌でもウェブ上で流行った歌は皆知っているせいか、シンセポップがアコースティックバージョンの様になっている。

 セージドやマルシールアがフンフンと鼻歌を歌うこともある。


 たまに民謡、いわゆるフォークとかトラディショナルと呼ばれる類の曲も入る。やはり古典的な楽器と相性がいいのかもしれない。


― WotFが/5 BGM/1 ない/2 という事に/03 今/5 初めて気付いた/2


― 著作権的に/5 大丈夫なのけ/3 ?/6

― きゅーさんは、/1 ゲーム音楽の/3 配信に/2 関して/05 一括して/6 契約/3 結んでる/2

― 音ゲの会社が/1 参入した/2 時に/05 各権利団体と/3 包括契約したぞ/2 

― たとえば/6 さっきの歌の権利団体は/1 某動画配信サイトに/3 なってる/2 から/04 セフセフ/3


― これで/4 曲使用を/3 怒られることはないでしょ/2

― 何かあっても/5 精々/6 配信動画に/5 歌のURL/3 入れた/2 テロップが/01 入るぐらいだと思うよ/2

― httpx://www.ja.cococoma.wd7r2dpdt544y /6

― 今/5 入れんで/2 ええねん/6

― 紹介しようと思って/2


 増幅のない楽器の音はか細い。森のそばの開拓地は静かに夜が更けていく。


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