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79 【開拓VRβ版実況20】 玄関先の白い迷子

※お使いのパソコン・情報端末は正常です。

 セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。


― 今日は/5 特にやる事/1 ないんだっけ/2 ?/6

「そうですね/6 」

 ログインしたエンジは家の階段を下りながら視聴者に向かって返事する。


 やる事はあっても、プレイヤー同士で動くときは現実の日程の都合もあるので、進められないこともある。今日はエンジ一人でゆっくり町中をまわることになりそうだった。



 開拓VRゲーム。Walkers(ウォーカーズ) on(オン) the() Frontier(フロンティア)。略称WotF。

 舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。

 開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。


 現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。


 朝、玄関を開けると、聞きなれない音がした。

「きゅーい」


 エンジの家の玄関の前に、白くて短い毛、四つ足の、犬ぐらいの大きさの生き物。

 通行人に愛想を振りまいているらしく、通りすがりの紳士が玄関前の白い生き物にニコニコと手を振り、ちょっと帽子を上げながら歩いていく。

 紳士はこちらに気付くと軽く挨拶されたので、思わずエンジも挨拶を返す。

 白い生き物はそれで玄関の戸が開いたのに気付いたらしい、こっちを向いた。


「きゅーい!」

 犬ぐらいの大きさの白い生き物。


― 犬?/1

― 馬?/1

 エンジより早く視聴者がコメントする。


― ウシ?/1

― ヤギ?/1


― 仔ウシや/1 仔ヤギにしては/1 なんか違うような/3

― でも/7 角/1 あるし/2


― 鳴き声は/1 鹿とか/9 サイとかの/9 赤ちゃんみたいな/03

― 小鹿の鳴き声は/1 ねっ!/3 って感じじゃない?/8

― ぴゅーいみたいな声/1 出る/2

― じゃあ/6 鹿じゃね?/3


― 鼻づらが/1 鹿より/6 小豚ちゃんに近い/3 気もする/2

― 犬じゃないんだよな、/3 蹄だし/3 /7 大きさとしては/1 犬だけど/3


― かわいいね/6 蹄/1 いくつ/3

― 馬と同じに/3 見える/2



 困惑しているエンジはとりあえず玄関から引っ込む。

「マリノキアさん/1 玄関に居る白い子は/1 どうしたんですか?/6 」

「玄関でございますか/5 ?/6

 私が/1 今朝/5 お掃除した/2 時には/05 誰も/1 居られませんでしたが/2 /7 誰か/1 居られるのですか/2 ?/6 」

 心配な顔をされてしまったので慌てて否定する。


「では/7 迷子ですね。/1 ついでがあるので/4 開拓者ギルドに/3 連れていきますよ/2 」

「ぼっちゃま/1 見ず知らずの人に/3 ……あらあら/6 まあまあ/6 かわいらしいこと……/3 」

「きゅーい」

 玄関から顔を出したマリノキアさんのお許しが出たので開拓者ギルドに連れていく。


 エンジが歩くとトコトコとついてきた。

「きゅい」

「つかれてないですかー/2 ?/6 」

「きゅーい」

― かーわいい/6

― かわええ/6

 エンジや視聴者や街のNPCをメロメロにしつつ、白い生き物は開拓者ギルドまでついてきた。


「ここで/5 待っててくださいね/2 」

「きゅい」

 開拓者ギルドに着いたので、入り口で待たせて中に入る。


 受付に居たミルウェさんに話しかけた。

「すいません/6 迷子の仔ヤギ?/1 多分飼われてた動物が/1 うちの玄関前に/5 居たのですけど/2 /7 誰か/1 探していませんか/2 ?/6 」

「それって/1 その子ですか?/3  かわいいー!/6 」

 え?と、振り向くと白い子がギルド内までついてきていた。


― よく/6 分かんないで/2 /05 返事してるな/2 君/1

「きゅ」


 泥んこで入ってくる人も多いんで大丈夫ですよー、とミルウェさんに言われた。

「でも/7 エンジさん/1 その子/1 やぎじゃないですね/3 」

「そうですよね……/6 でも/7 何の動物でしょう/3 ?/6 」

「んー?/6 」

 二人で首をひねっていると、ギルド内に居た何人かがやってきた。


「旦那/1 」

 カーマンが白い子を見て言った。

「魔物っすね/3 」

「え/6 」


 カーマンに撫でられて嬉しそうにしている白い子を見ながら、エンジはヒヤヒヤする。

― 逃げろ/2 死ぬぞ/2

― ここが/1 狩猟者の巣窟だって/03 分かってんのか/2 君は!?/1

 視聴者もヒヤヒヤしている。

 狩猟者のお仕事は魔物を狩る事だ。


 ギルド内に居た学者のプレイヤーであるウェンカとリスジェイアも識別しようとしてみたが、そもそも簡単な識別ではあまり詳しく分からないようだ。

「すみません/6 有蹄類ということぐらいしか……/3 」

― それ/1 蹄/1/9 あります/2 ぐらいの/06 意味だよ/3

― ゲーム内の/5 分類方法が/1 十九世紀/3

― 要は/6 馬とか/9 牛とかの/9 仲間でしょ/3 ?/6


― 20世紀の終わりに/5 DNAの分析などにより、/4 奇蹄目と/1 偶蹄目は/1 かなり違う生き物と/3 判明/2

― うそやん!/6 まじで!?/6

― うしさん/1 しかさん/1 かばさんとかは/1 くじらさんのなかま/3

― 詳細は/3 鯨偶蹄目で/4 調べて/2

― ええ!?/6


 一部の視聴者を全然関係ないことで驚かせた白い魔物だった。



「テイマーっていう/1/9 魔物を/3 連れ歩ける/2 専門家も/01 いるらしいっす/2 」

 白い子のほっぺをふわふわしながらカーマンが言った。

「俺らも/1 無害な魔物を/3/9 狩るのも/2 /03 気が引けるんで、/2 /7 一回/5 何の魔物か/3 調べてもらった/2 方が/01 いいと/03 思うっす/2 」

― カーマン!/1 

― 小さい子には/5 優しいよな/2

― 人殺してそうな目/3 してるから/2 /04 誤解しがちだけど/2


 視聴者にはひどい言われようのカーマンだが、エンジは助言に従い、大学に向かった。

 白い子はエンジについてくるようだ。


「テリューナル先生は/1 今/5 教授室に/5 おられますよ。/2

 かわいいですねー/3 エンジさん、/1 この子/1 どうしたんですか/3 ?/6 」

「きゅい」

 ミーレ君に会ったので教授の居場所を聞き、経緯を説明する。

 校内に蹄で入るのもどうかと思い、抱き上げて運ぶことにしたが、大人しく抱っこされている。

 エンジも小柄なので割に大きい。


「苦しくないですか?/6 」

「きゅい」

「この抱っこ姿勢で/1 大丈夫ですかね?/3 背骨に/5 負担かかったりしてませんか/2 ?/6 」

「きゅーいー」

― この子/1 絶対/6 分かってないぞ/2


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