77 【開拓VRβ版実況19】 引越し計画
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。
開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。
現在βテスト中で、不具合や説明不足をチェックするためにベータテスターには実況を推奨している。
が、追加募集されたプレイヤーが集う第二定都という町が、風の噂で異常事態になっているとは言われていた。
今回エンジたちの第一定都の街に相談に来たのはその町の貴族のプレイヤーの一人、ミルフマだ。
治安の悪化と態度の悪いプレイヤーに疲れ切っている。
そこで第一定都への引越しを検討しているが、一筋縄ではいかなそうだ。
「ジドヴィン第三十三は/1 情報通信会社/3 だから/7 戦力とは/3 みなされてなくてな/2 /7 幸い/6 引き留められることはなかった/2 」
元第二定都のパークサズラムが吐き捨てるように言う。
「しかし/7 工業会社のミルフマとなれば/5 話は別だ/3 」
「うむ、/6 現在/5 武器を/3 手に入れる/2 方法は/01 大きく二つ/3 ある。/2
本国から/5 輸入する/2 か、/7 自力開発するか。/2
我らガナフドラ第一は/5 ニスミハが/1 開発を/3 担当してくれたが/2 」
「それでも/7 ニスミハさんから/5 大砲のような射程は/1 工業の/4 助けがないと/2 /05 厳しい/3 と/03 言われましたね/2 」
「うむ/6 」
パークサズラム、エプヴィルとドーエクの話を聞いてエンジも色々考える。
「ミルフマさんの会社は/1 戦力アップに/3 欠かせない/2 と/03 思って/2 /7 引き留められる可能性が/1 高い/3 っていう事ですか? /6 」
「はい、/6 今回/5 第一定都に/3 渡るにも/2 /05 戦々恐々でした……/3 /7 商談っていう事で/4 なんとか……/3 」
「完全に亡命を/3 疑われている/2 」
何でそうなってしまったかはわからないが、皆で協力してほのぼの開拓ゲームがとんだ恐怖政治の舞台になってしまったらしい。
「そうなると/5 今回/5 ミルフマに/5 手土産が/1 必要よねぇ……/3 」
「交渉決裂として/4 お茶を濁す方法も/1 あるが、/2 /7 次から/5 第一定都に/3 来づらくなるな/2 」
イオナとパークサズラムが、揃って顎に手をやり、考え込む。
「我らの会社が/1 武装船でも/3 発注するか/2 」
「エプヴィルは/1 やる気が/1 溢れすぎてるわね/2 /7 向こうを/3 刺激しかねないわ/2 」
「そうですねぇ……/6 鉄道を/3 発注していただいてよろしいでしょうか/2 ?/6 エンジさん/1 」
「え!?/6 僕ですか!?/1 」
「運輸会社なので/4 適当かと。/3 霧の森の主に/3 会える/2 のも/01 あなただけですし /3 」
急にドーエクに話を振られて慌てるが、ミルフマに何かしらの戦果を持たせる必要があるところまでは理解できている。
「悪くない手だと/3 思う/2 /7 工場を/3 こちらに/5 移転する/2 口実にも/03 なる/2 」
「鉄道って/1 高価なのよねぇ。/3
私たちが/1 集まって話し合う/2 可能性は/01 十分に/3 あるわ。/2
カモフラージュに/4 ピッタリよ/3 」
エンジは以前から調べていた各輸送方法の特徴について思い出す。
「鉄道の特色は/1 沿線施設が/3 破壊されなければ/2 /05 魔物に/3 遭遇せずに/2 通行できます。/2
確かに/6 この辺に/5 鉄道が/3 敷けたら/2 /05 便利です/3 けど/7 」
エンジも鉄道については考えてはいたが、現在の会社の規模ではちょっと難しかったのだ。
「ここに居る共犯者全員が/1 金を/3 出すから/2 /04 心配するな/2 」
「共犯って……/1 」
パークサズラムの言い方はあれだが理解はできる。
「十九世紀から/5 鉄道は/1 土地に/4 線路に/4 機関車に/4 ……と、諸々の設備投資に/3 ものすごく/6 お金がかかる/2 事業だったわ。/03
だから/7 株式会社が/1 発達したぐらいに/2 」
「つまり/7 一人では/5 できないってことですよね……/2 」
イオナの物言いで観念したエンジだが……
「お金を/3 借りる/2 って/01 ゲームの中だとしても/5 プレッシャーが……/3 」
「共同経営ですから/4 そんな深刻に/3 考えることありませんよ?/2 」
そんなエンジをいたわるドーエクだが、申し訳ないが毎回いい笑顔すぎて胡散臭くなるのはご愛敬だ。
「ドーエクは/1 こう/3 言っている/2 が/7 まぁ/6 赤字を/3 出したら/2 /05 エンジと/3 ミルフマを/3 燃料にするさ/2 」
「え/6 冗談ですよね?/2 」
燃やされる。と、パークサズラムを見る。
おびえる二人を見てパークサズラムはニヤッと笑った。
「魔石を/3 使った/2 蒸気機関だ/01 /7 単純計算で/5 ミルフマなら/1 五往復、/2 エンジは/1 二往復できるぞ。/2
俺たちは/1 まぁ片道~往復といったところだ。/2 それでも/7 他と比べれば/5 魔力は/1 多い方だが/3 」
「調べたのか/2 ちなみに/6 我は?/1 」
「エプヴィルは/1 身体能力や/3 カリスマ性に/3 振ったんだろう/2 /7 片道とちょいだな/5 」
「カリスマ性って/1 何ですか?/6 」
エンジは能力をランダムしているので詳細を知らない。ドーエクが解説してくれた。
「NPCに/4 害されにくい/2 能力ですね。/03
おそらく/6 私、/1 エプヴィルさん、/1 イオナさん、/1 パークサズラムさんは/1 持っていますよ/2 」
パークサズラムは各人の色々なデータを集めていたようだ。
「エンジは/5 何が/1 どうして/4 そうなった/2 のかは/01 わからない/2 が/7 魔力特化は/1 間違いない/2 」
「エンジさんは/1 魔法を/3 よく/6 使ってるから/2 /04 習熟度かもしれませんねぇ/4 」
「ミルフマは/5 芸術が/1 他の能力値と/3 結びついて/2 /04 破格の魔力量を/3 誇っているようだ。/2 魔素の/1 持つ/2 共鳴の性質によるものか/4 ?/6 」
「そうなんです!/6 私/1 楽器を/3 作りたくて/2 /04 工業に/3 したんです!/2 」
「興味深いですね/3 」
パークサズラムの分析で意外な事実が判明するものもある、ミルフマとドーエクが各々反応する場所が違うのも面白い。
新しい楽器を発明する事、楽器をたくさん作って街のあちこちに楽団を作るのが夢だそうだ。
先は長そうだが、自由度の高いWotFらしいといえる。
視聴者が居たら「開拓者か学者で楽器職人になればよかったのでは……」とか言われそうだが。
「さて/6 引越しを/3 容認されたとしても/2 /05 条件を/3 付けられる/2 可能性が/01 高い/3 」
パークサズラムが頬杖をついて地図を睨む。
「私が/1 定期的に/5 第二定都に/5 戻るように/2 /03 強要されるとかでしょうか……/2 」
「我に/4 脅されていることにしていい/2 /7 お前を/3 見張っているぞ/2 逃がしはしない/2 とでも/03 言っておくか/2 」
ミルフマのコメントに被せるようにエプヴィルが牙をむいて怖い顔をして見せた。
標的をガナフドラに固定するつもりらしい。
しかしパークサズラムは別の懸念もあるようだ。
「あとは/7 人質に/4 従業員を/3 置いていくように/2 /7 言われるとかだな。/2
向こうの工場も/1 稼働しているだろうから/2 /04 工員は/1 必要だ/2 」
「いざとなれば/5 ストライキもできると思います……/2
でも/7 逃げ出すとなると……/2 」
工場を破棄して工員だけ逃がすのならなんとかなる。しかし向こうの船便はノチリスノイラ第三十二運輸会社が管理している。
「エンジ/1 船/1 余ってるかしら/2 ?/6 」
「最近は/5 第一定都の河の輸送も/1 落ち着いてきていて/2 /7 縮小しようかと/2 /03 話していたところです/2 」
「……無理を承知なのだけど/6 あなたのノチリスノイラの船/3 ミルフマの会社に/5 売ってあげてくれないかしら/2 ?/6 」
「え?あ/6 」
イオナの提案を察したエンジに、ドーエクが続ける。
「商売敵のノチリスノイラ第八運輸の船なら/5 砲撃も/2 辞さないでしょうが/8 /7 ウェルクルス第四十七工業会社名義なら/5 出入港に/2 問題はないでしょう/8 」
「ミルフマが/1 こっちに来るのと同時に/2 /05 全従業員/3 連れて逃げるわよ/2 」
イオナが鼻息を荒くしている所にパークサズラムが声をかける。
「ミルフマ/1 うちの従業員/3 工場に/5 潜り込ませてくれ。/2
NPC達に/5 脱出に必要な情報を/3 伝える/2 」
「情報通信会社さんは/1 スパイっぽい仕事も/3 するのね/2 」
「不気味か?/3 」
「かっこいいわよ/3 」
本気を出せばNPC従業員にストライキを誘発できるような能力だが、かっこいいと言い切るあたりイオナも大物だ。
話し合いもまとまって簡単な情報交換になったが、エンジの報告すべきことはなかった。というか全員エンジの動画をチェックしていて知っていた。逆に言うと、何もしないでエンジに話を通すと完全に筒抜けになる。
一方で、パークサズラムが不定期刊行だが新聞を出すと言って見本を持ってきたので、エンジはそちらの購読も契約した。自分の家とギルドと会社の分、大学の分はドーエクが払っていた。エプヴィルとイオナも会社用に購読するようだ。
「天気は/1 重要なのよねぇ……/3 /7 天気予報は/1 載せられるかしら?/2 」
「観測で/4 精度を/3 上げてる/2 所だ/05 」
「うちの農園にも/5 観測所/3 置く?/2 」
イオナとパークサズラムが何かの交渉を始めていた。
ミルフマが帰りの船に乗るのを、エンジ達は港で見送っていた。
「では/7 今度/5 一緒に/5 霧の森に/3 行ってみましょう/2 」
「はい/6 」
来るときには半泣きだったミルフマは元気になって帰って行った。
計画がうまくいくといいなと思うが、第二定都ではなしが通ったら今度は霧の森の魔王様にも話を通さないといけない。
責任重大だ。




