69 【開拓VRβ版実況17】 境界
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。
開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。
現在バランス確認という名目で大規模βテスト実施中だ。
不具合や説明不足をチェックするためにベータテスターには実況を推奨している。
始まりの街、第一定都から南の岬を回ってたどり着く西の大河のほとり、エンジは正体不明だった霧の森の住人と河港を開く交渉を果たしてきたところだ。
船の周りは狩猟者達が警戒に立ち、それ以外の人達はめいめい自由に過ごしている。
エンジは今、船のそばの岩でスライムと戯れていた。
瘴気で熱を出したエンジにはひんやりした感触が気持ちいい。
― これは/1 無害って事でいいんじゃね/3 ?/6
― まだわからんぞ。/2 戦って/5 勝てなそうだから/2 /04 仕掛けてこないだけかもしれん/2
視聴者があれこれ分析している。
― 今/5 まかろんぐらい/6
― こいつのような/6 マカロンが/1 いるか/2
― 優勝力士が/1 もらう/2 やつ/03 ?/6
― 枕ぐらい/6
― こんだけ/5 でかくなるなら/2 /05 熱で/4 臥せってる/2 子供/01 やられるだろ。/2 /7 絶対/6 カーマン/1 想定してないだろ/2 これ/3
― 狩猟者/3 呼べ/2 /7 今のうちに/5 退治してもらえ/2
「え……/6 瘴気熱も/3 治してもらいましたし……/2 」
エンジは抱っこしているひんやりしたスライムを見つめる。大きさはクッションぐらい、まん丸い。
― 治したんじゃなくて/2 近くにある魔力を/3 食べてるだけだぞ/2
エンジはスライムを置いて向き直った。
「……人とか/3 動物を/3 食べてはいけません/2 」
― スライムに/3 無茶言うな/2
― 情が/1 移っちゃったか/2
― まぁ/6 どこまで/6 でかくなるか/2 /03 見てみたいのはある/2
― でっかくなったら/5 人を/3 襲うぞ/2 /7 魔物なんだから/3
― 大学で/5 大暴れした/2 スライムみたいになるのが/01 オチ/3
― ラッタマーシさんに/5 スライム/3 飼育/2 禁止/03 言われてたろ/2
「うーん……/6 」
不意に茂みを踏み分ける音が聞こえてきた。
不穏な気配を察したのか、スライムはぴょいっと飛ぶと、森の中に転がって行って見えなくなった。
― あ/6
「あ……/6 」
― あ/6
― 勘が良い/3
― 意外とアクティブ/3
― スライムころりん/6
― あの俊敏性なら/4 エンジに/3 勝てたのでは/2 ?/6
― あいつに/4 人/1 襲われたりしたら/2 /7 後味悪いんだけど/2
― この森の魔物は/1 強いから/3 /04 手ごろな大きさの/9 スライムは/1 むしろ/6 格好の餌食じゃないかなぁ/3
「ほらぁ/6 旦那/1 無事じゃねーか/3 」
茂みをかき分けてきたのはいつもの狩猟者三人組だった。
「いくら旦那でも/6 小石サイズのスライムに/4 やられたりはせんわな/2 」
「こいつが/1 旦那が/3 心配だって/2 /04 戻ろうとするんだぜ/2 」
過保護とからかうアードットの横で「無事で何よりっすよ」とふてくされるカーマン。
― クッションサイズに/3 なってたから/2 /04 あながち/6 カーマンも/1 間違ってはいない/2
― 意外と/6 次の瞬間には/5 ぱっくりいかれてたかもしれないぞ/2
遠くの森の奥の方から「わっ!」とか「スライム居た!」とか、森の中を警戒してたらしい狩猟者の声が聞こえたがすぐに静かになった。
スライムはやられてしまったんだろうか……恩スライムの生死を確認する勇気はエンジにはなかった。
「エンジさーん/1 休憩しますかー/2 ?/6 」
船の方から声をかけられた。
あまり落ち着けず、夜は更けていく。
翌早朝、つまり現実時間の数十分後。船の甲板上、徒歩組も含めて交代で休憩をとっていたエンジ達は、がけ崩れのような轟音が響くのを聞いた。
「何!?/6 」
「なんだ?/6 」
― 何?/6
― 地震?/3
― どっからだ?/5
― 音の方向/1 分かる/2 ?/6
― 霧の森/5 ?/6
― あそこ/5 崖が/1 ある/2 から/05 反響しそうなんだよな/2
― 川に/5 波紋が/1 できてるね/2
― 波紋の方向を/3 見る/2 限り/04 東の上流っぽい/5
「煙?/6 霧の森の方から/5 煙が/1 上がってます!/2 」
マストの上から声がかかった。
― まさか/7 昨日の今日で/5 第二定都とか/1 ?/6
― エンジは/1 何か/3 感じなかったん/2 ?/6
「遠いので/4 チェックしていませんでした/2 /7 この辺には/2 何も/3 感じませんでした/2 」
― 霧の森の人/1 巻き込まれてたら/2 /05 やばいんとちゃう/3
「すぐに/6 メンバーを/3 揃えて/2 調査に向かう/2 /7 準備をしていてくれ/2 」
エプヴィルの号令で慌ただしくなった甲板。その辺に寝こけていた狩猟者三人組もあくびしながら起き出した。
「偵察班の話によると/4 霧の森と/59 僕らの停泊地点の間ぐらい/05 かなり広範囲で/6 煙が上がっています。/2
延焼や/1 匂いが/1 ないので/2 /04 火災ではなく/3 土煙かと/3 思われます/2 」
森の中を歩きながらイドレードが報告する。
何が起こるか分からないので狩猟者を中心に開拓者、あとは責任者のエプヴィルと霧の森の住人と話したエンジ。
皆押し黙り、数人分の足音と枯葉を踏むステッキの音を響かせ数分間。
現場にたどり着いた面々は絶句した。
自分たちのいる森と、霧の森の間を断絶するかのように。樹木が爆発でなぎ倒されたかのように根こそぎ横倒しになっていて、それがどこまでも続いている。見晴らしのよさは直線の高速道路のようだ。
そして、横倒しになった木々の川の向こう岸というべき場所で、霧の森の主が手を振っていた。
「ここが/1 私の/1 希望する/2 境界線だが/03 /7 どうだろうね?/6 ああ/6 倒れた木は/3 木材として/4 使って構わないよ/2 」
― それ/1 線じゃなくて/3 帯/3
― 意味わからん/2
エプヴィルが地図を取り出して確認する。
完全ではないが大雑把な距離は分かるようになっているようだ。
「この境界で/4 十分に/6 河港は/3 作れる/2 /7 寛容な森の主に/3 感謝だな/2 」
「むしろ/6 ここで/5 断って/2 /04 機嫌損ねたくないですね/2 」
イドレードがなぎ倒された木の川を見つめる。
これをやるにはそれこそ自然災害級の魔法が必要だろう。
そうして速やかに解決したわけだが。
「僕/1 いらなかったですね……/2 」
― そんなもんだぞ/6
― 話をまとめるまでが/1 大変なの。/2 エンジは/1 よくやったよ。/2 多分/6
配信停止されてたから/4 肝心のところで/5 何/3 やったのかは/2 /03 俺らには/1 わからんけど/2
ちょっと寂しい気分になりつつ、開拓は進む。




