62 【開拓VRβ版実況17】 霧の森
「ちょこちょこ/6 中断しましたが、/2 /7 無事/6 西の大河に/3 着きました。/2
あちらが/1 噂の霧の森です/3 」
― どうしてこうなった/6
― 西の農園から/5 第一定都に/3 帰るんじゃなかったの/2 ?/6
― なんで/6 西の大河に/5 ?/6
― この会話/1 何回目だ/3 ?/6
― エンジ/1 第一定都で/5 乗り過ごす。/2 /7 ガナフドラ第一警備と/5 一緒に/8 西の大河へ/3 イマココ/5 (コピペ6回目)/6
視聴者同士で情報を交換している通り。思いがけない遠出になってしまったエンジだ。
長い実況になっているので動画はこの辺りで前後編とかに分けようかなぁ、などと思っている。
とはいえ、開拓の最前線をその目で見れる数少ない機会を得たともいえる。
エンジ達が停泊している西の大河は広く、西の対岸にうっすら山影が見えなければここを海岸と勘違いするぐらいの広さだ。
対岸の南、この大河の河口付近には第二定都の街があるはずだが、遠くは白く煙って何も見えなかった。
停泊地の周りはうっそうとした森に囲まれていて、荷揚げは木々を切り倒してできたわずかな草地と桟橋で行われている。
霧の森は停泊地から少し北に向かった所にあり、瘴気で煙っていた。
奥にある霞がかった森の木々はひときわ大きく、その森の北には岩山がそびえているが、第一定都の街の北にある絶壁に似ている、屏風のような崖は第一定都の北から西に向かってここまで伸びているらしい。
早速交渉に赴く準備をしているガナフドラ第一警備の面々を尻目に、エンジは視聴者に話しかける。気分はレポーターに近い。
「僕は/1 お留守番です/2 」
― せやな/6
「すまぬ/6 エンジ殿。/1
森の奥は/5 測量も/1 ままならぬゆえ、/2 /04 連れていくわけにはいかん。/2
我も/1 交渉がなければ/2 /05 留守番なのだ/2 」
近くに居たエプヴィルに返事を返された。
― 測量/1 まだだったのか/3
― 森の中だと/5 視界/1 悪いもんね/3
― 測量範囲外で/5 倒れられたら/2 /05 回収にも/2 手間がかかるからな/6
森に向かうエプヴィル達に手を振る。数十人来ているのだが、留守番組は航海技術のある開拓者のプレイヤーを含む十数人、エンジが知っている顔はイドレード、イグドナ、ダクザドルぐらいだろう。
イグドナが第一定都の魔物退治を手伝ってくれた狩猟者で、ダグザドルがイオナの農園についてきてくれた開拓者だった。イドレードには両方のタイミングで会っている。縁があるのか、イドレードがアクティブなのか。
「僕の分のご飯まで/3 すいません……/6 」
「エンジさん/1 食べ忘れると/5 マジで/6 動けなくなるので/2 /7 何でもいいから/3 腹に/5 入れてください/2 」
「余分に持ってきてるから/4 平気だよ/6 」
お留守番組は遅い朝ご飯を食べながら、ひたすらおしゃべりする事になる。
イドレード達が、能力値の分析を教えてくれた。
「僕は/1 大砲の命中率も/3 高いみたいなんです/8 /7 投擲物が/1 若干ターゲットに/3 引き寄せられるというか……/2 /7 剣も/1 吸い寄せられるように/6 当たる事があるんで/2 /04 おそらく/6 命中率補正は/1 ありますね/2 」
― 補正って/1 そういう風にも/6 利くのか/2
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。
開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。
現在バランス確認という名目で大規模βテスト実施中だ。
不具合や説明不足をチェックするために運営がベータテスターに実況を推奨している。
― 暇だな……/6
― やる事ないからな/2
たまに桟橋に近寄ってきた魔物をイグドナが追い払いに行ったがその程度だ。大抵は銃声に驚いて帰っていく。
「前回の留守番よりは/5 魔物が/1 多いですね。/3 /7 人への/3 警戒心が/1 薄くなってきたのかも/2 」
「それはそれで/6 厄介だ。/2 この辺の/5 魔物は/01 強い/3 」
イドレードの言葉にダグザドルが渋い顔をする。
完全に暇を持て余す実況に突入したので船をあちこち見て回る。
「船の左右に/5 赤緑の色ガラスのランプが/1 あるんですねー、/2 /7 おしゃれです/3 」
― それ/1 航海灯だね/3
― 暗い夜間だと/5 どれくらいの大きさの船が/1 どっち/3 向いてるか/2 /01 分かりづらいでしょ。/2
だから/7 赤緑白のランプを/3 決まったところに/5 つけるようにしたんだよ。/2
そういえば/7 この決まりが/1 できたのも/2 19世紀か/5
― 先頭向いて/5 右に/5 緑/3 、/7 左に/5 赤な/3
― エンジ/1 君/1 一応/6 運輸会社の社長だから/3
― 普通知らんわ/2
― これに倣って/4 /7 飛行機の左右に/5 点いてる/2 光の色も/01 赤緑だったりする/2
― ちなみに/7 飛行機の方を/5 航行灯と/3 いう/2
視聴者の退屈しのぎにはなったようだ。
「あれ/1 どこの船だ?/6 」
不意にエンジのそばにいたプレイヤーが呟いた。
川下から汽船が一隻のぼってくる。
もう一人のプレイヤーが答えた。
「第一定都では/5 見覚えがない/2
第二定都の川船じゃないか/1 ?/6 」
とりあえずステッキを構えたエンジが視聴者に向けて呟く。
「すごいですよね/3 /7 僕/1 全部の船の特徴/3 覚えられてないです/2 」
― エンジは/1 航海灯も/3 今/5 気づいたろ/2
「また/6 砲撃される/2 とかは/01 勘弁ですよ……/6 」
イドレード達も身を固くしたが、向こうはこちらを意に介さず川上に進んでいく。
船が行ってからエンジもほっと一息つく。
「撃ち合いとかにならなくて/2 /04 ほっとしました/2 」
「いや/6 ……ちょっと待ってください。/2 連中/1 あそこで/5 投錨してますよね/2 」
川上の、こちらに砲を向けるには苦しいがそこまで遠くない位置で船が止まった。
右舷の砲台の先は、霧の森。
「まさか/7 また/6 霧の森を/3 砲撃しようってんじゃないでしょうね/2 」
イグドナが呟く。
「止めに行くんですか?/2 」
「下手に/6 言いがかり/3 つけられたくないなぁ……/2 」
エンジの問いかけにイドレードは弱気だ。何せ、一度話しかけに行って撃沈されている。
「エプヴィルさんが/1 あそこに/5 居るかもしれないんだから、/2 /04 私たちが/1 攻撃しても/2 /05 自衛が/1 成り立ちますよ!/2 」
「いやいや!/6 きわどいよ!/6 」
「とりあえず/6 危険だから/4 戻れと/2 /03 エプヴィルさんに/5 連絡した/2 」
― こっちから/5 何かすると/2 戦争になりそうだな/2
「エプヴィルさん/3 心配ですね/2 」
平静を装って森の方を見ながらエンジの心臓が早鐘のように鳴っていた。
なぜなら、魔力感知で相手の船を探ってみたところ、以前ニスミハが作った爆弾の十倍以上の魔力の塊を感知したからだ。




