61 【開拓VRβ版実況16】 航海
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。
開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。
現在バランス確認という名目で大規模βテスト実施中だ。
不具合や説明不足をチェックするために運営がベータテスターに実況を推奨している。
エンジは大広間の隅にあった椅子に座って休憩していた。
エンジ達が見学に来たイオナの農園の工房は色々なことをやっている。一緒に来た学者のオージハッドあたりは髪をまとめて何か作業していたりする。
― 俺/1 ビール/3 苦手なんだよね/2
― 俺/1 魚のワタ/3 だめ/2
「僕は/1 苦いと/5 体に良さそうな/3 感じします……/2 /7 ビールも/1 おいしかったです/3 」
― うめぼし/3
― しいたけ/3
視聴者間で暇を持て余した苦手なものしりとりが始まりそうになった時。イオナがやってきた。
「あと二十分かからないと思うのだけれど/5 /7 エプヴィル達は/1 船で/4 第一定都まで/5 戻るつもりみたいよ。/2
そこで/5 荷物を積み下ろしして/2 西の大河まで/5 向かうみたい。/2
船着き場は/1 ここから/5 少し離れてる/2 けど、/7 見晴らしも/1 いいし/3 /7 エンジも/3 一緒に/6 連れていく事はできるわ。/2
船で帰るなら/5 それが/1 一番速い/3 」
「それぐらいなら/5 待てます/2 」
― えー/6 待つの?/2
― 夜になっちゃうね/2
― でも/7 陸路も/5 途中で/5 暗くなるだろうしなぁ……/2
「わざわざ/6 警備に/3 人手を出してもらうのも/2 申し訳ないというか……/6 」
「あら/6 気を使わせちゃったかしら/3 /7 今すぐ/5 陸路で/4 送って行けるのよ?/2 泊まっていってもいいし/2 」
イオナさんは何かと世話を焼いてくれるが、ジョブは貴族だがエンジは小心者だ。
大名行列ほどではないとはいえ、近所の船着き場までとはいえ、自分が帰るためだけにまた警備の一団を仕立てなければいけないのは気恥ずかしい。ガナフドラの人に混ぜてもらえるならありがたい。
今なら一人でお外でやられて帰還魔法という手もあるが、それはそれで気まずい。
エンジは待つことにした。
「ドーエクが必ず泊まっていくから/4 感覚がマヒしてたわ/2 /7 普通は早く帰りたいわよね……/2 」
「いえ/6 そんな……/3 」
「とにかく/7 街に行くにも/5 大勢で/4 一日がかり/5 っていうのは/01 何とかしたいわ/2 /7 落ち着いて商談もできないもの/2 」
とイオナと話して、エンジはまたのんびりしていた。
― ところで/7 苦いものが/1 おいしいっていうのはさ……/3 /7 エンジ/1 栄養/1 足りてる/3 ?/6
― カップ麺ばっかり/3 食べてるとかさ/2
― 実は/6 最近のカップ麺は/1 下手な手作りより/6 栄養バランスいいんだ……/3
視聴者に健康を心配された。
「野菜の円盤も/3 入れてますよ/2 」
― カップ麺生活を/3 否定しなかったな/2
― 野菜の円盤って/1 何?/6
― フリーズドライの/9 野菜の塊の/9 商品名/01 味がついてないから/4 スープ系には何にでも/5 入れられるんで/2 /04 重宝してる/3
― 水分調節すれば/4 炒め物もできるお!/2
― エンジ/1 ちょっと現実の方の外/3 出てきたら/2 ?/6 エプヴィルさん達/1 しばらく/6 起きてこないでしょ/2 /7 船足とか/3 荷物の積み下ろしとか/3 考えると/2 一時間ぐらい/5 余裕あると思う/6
「そうですね……/6 ちょっとした用事は/1 ありますし……/2 」
エンジは立ち上がると、言伝を頼むためにイオナ達を探し始めた。
「というわけで/7 僕が返ってくるまでに/5 動きがあったら/5 お願いしてもいいですか?/6 」
イオナとオージハッドに言付けを済ませたエンジは大広間に体だけ置いておくことにした。ゲーム画面上では大広間の椅子で寝てるように見える。
人の出入りも多いし人目もある、何か起こる事は稀だろう。
配信は、ちょっと考えたがいつものエンジの四畳半チャットルームに切り替えた。こたつの上のスケッチブックには数十分後の配信予定時刻を書き込み、タヌキは寝た。
― しばらく暇だなー/3
― この時代の/9 保存食って/5 何が/1 ある/2 ?/6
― 干物/1
― 燻製/1
― 越冬野菜/1
― 高野豆腐みたいな/1
― 塩漬け/1
― コンフィ/1
― ビン/1
― カン/1
― プラスチック/1 まだ/6 ないんだっけ?/2
― フリーズドライは/1 冷凍装置と/3 真空ポンプと/3 包装材が/3 必要だしなー/2
― 流通の上でも/5 でっけぇ/6 冷蔵設備はあると/3 いいかもね/6
― この時代/5 冷蔵庫/1 あるの/2 ?/6
― 蒸気圧縮冷凍機も/3 吸収式冷凍機も/3 この時代の/5 発明だけど/2 ……っていうか/7 冷却魔法/1 あるよね/2
― せやな/6
― 魔法/1 使えないようでいて/3 使えるから/3 困る/6
― 速く移動する手段も/3 作れないもんかね/2
― 自動車?/3
― 燃料/3 どーする/6
― 現状/5 馬しかいないんだよな/3
― 馬って/1 二人乗りできるんだね/2
― 大勢で移動するときも/5 あるだろうし/2
― そんなら/5 NPCにも/5 帰還魔法/3 付与させてあげてほしいよ/2
プレイヤーと/5 パーティー/3 組んでるのが/2 /01 条件とかさ/3
― ゲームシステムの基幹部分/3 いじるの/2 めんどくさいからなぁ……/6
運営のセーフ、アウト判定に文句を言いつつ、おしゃべりは徐々に減っていった……
「すいません/6 ちょっと/6 寝坊しました!/2 ん……?/6 」
エンジが再びWotFの自分の体に戻ったとき。暗闇で周囲の状況が全く分からなかった。
「うわっ!/6 」
その顔のそばにヘルプキャラクターのハロウさんがぶらさがってるのはびっくりする。猫の目つきが鋭い。
『プレイヤー:オージハッド・カドエルさんから メッセージが/1 届いています/2 』
ハロウさんが機械的に喋った。
『あ、/7 エンジさん/1 すみません/6 置いてっちゃって……/2 /7 パーティー/3 組んでなかったので/2 /04 気付くのが遅れてしまって……/2 /7 無事帰ってきてください/2 /7 ガナフドラ第一警備の人達なら/1 大丈夫です/3 』
ものすごく慌てていたようで、オージハッドのメッセージは要領を得なかったが、エンジは自分も口下手なので気持ちはわかる。
どうやら自分は置いて行かれてしまったらしい?
隙間から光の刺す薄暗い建物。周囲には大小さまざまな箱。ログインしたばかりなせいかゆっくり揺れるような感覚。どこからともなく聞こえる、ギイギイきしむ音。ホワイトノイズのような静かな水音。木のにおいに混じる、沼のほとりに似た独特の香り。
「……もしかして/6 イオナさんの家じゃなくて/3 船の中なんでしょうか/3 」
魔力感知で足元を確認すると同時に、念のためステッキで床を探りながら、明りの射してくる扉を開けると。ランプの明りの点いた廊下に出た。
「む/6 エンジ殿/1 やっぱり乗り過ごしていたか/2 」
「へ?/6 」
背後から声をかけられて振り返ると、エプヴィルが立っていた。
「ここは/1 ガナフドラ第一警備の/1 借りている/2 船だ/03 」
「ということは/7 僕は/1 寝ている間に/5 乗せてもらえたんですね/2 」
「オージハッド殿から/5 メッセージを/3 受け取っておるまい/2 か?/6 」
相手の持っている情報と自分の持っている情報を把握するのは想像以上に難しいものだ。
エプヴィルが改めて説明してくれたところ、エンジはイオナの農園から無事船に乗せてもらえたが、第一定都で乗り過ごしてしまったらしい。
「今/5 この船は/1 西の大河に/5 霧の森の住人を/3 説得しに行くところなのだ/2 」
「西の大河に/3 向かってるんですか!?/2 」
「南の岬を/3 大きく/6 回るので/2 /04 片道/5 現実時間で/5 一時間以上/5 かかる……。/2 あと二十分ぐらいか/5 」
エプヴィルはエプヴィルで、退屈して船内を歩き回っていたようだ。
― 今北産業/6
― エンジ/1 第一定都で/5 乗り過ごし/2 /7 ガナフドラと/5 一緒に/8 西の大河へ/5 /7 到着まで/5 あと二三十分/5
視聴者もいたようだ。
「しかし/7 エンジ殿は/1 どこに/56 いたの/2 か?/6 出港前に/5 一通り/6 確認したはずなのだが……/2 」
「起きたときは/5 ここに/5 居ましたね/2 」
今しがた出てきた部屋をみる。
「ははぁ……/6 船倉に/5 いたなら/2 /05 客室で/5 見つからないわけだ/2 」
― 荷物扱い/1
― どうしてそうなった/6
― 検証してみないと/5 何とも言えない/2 けど、/7 体だけの状態だと/5 NPCが/1 オブジェクトと/3 認識するんじゃないかと/2
― エンジ/1 上に/5 荷物/3 積まれなくてよかったな/2
― もし/6 NPCの/1 誤認/2 バグなら/05 危ないから/4 修正してくれ/2
オージハッドに折り返し無事のメッセージを送り、エプヴィルと一緒に船内を探検して回る。
甲板に出ると、ちょうど夜だった。船の灯りを除いて真っ暗なのに面食らう。
「真っ暗ですね……/3 」
「よーく見ると/5 山影で/4 水平線のあたりの星が/1 見えなくなってはいるがな/2 」
「むー……/6 灯台とか/1 ほしいですね……/2 」
「確かに/6 あると/2 /5 便利であろうな/3 」
目が慣れると満天の星と真っ黒い陸地が見えてきた。
色々考えつつ、開拓は続く。




