6 【開拓VRβ版実況1】直帰する
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
開拓者ギルドに行こうと家を出た直後、強盗が大通りをパニックに陥れ、背中に思いっきり何かが当たって倒れた。
暗い中に映画のコマ送りの様に映像が浮かぶ。この画像はどうやら自分がやられた場面のリプレイの様だ。
口元を布で覆って顔を隠した男達。
大きな袋を馬の背に積むと、男たちも鞍にまたがり、威嚇として通りのあちこちに発砲する。
大通りに居た馬たちがパニックを起こして荷馬車に繋がれたまま走り回り。落っこちた荷物の樽が勢いよく転がってエンジの背中に直撃していた。
しばらくして、倒れたままのエンジの下に魔法陣のようなものが輝いたかと思うと、エンジとともに路上から消えた。
そして視界は真っ暗になった
「あー/6 、これは……/1 」
― え?死んだ?/6
― 突然の死?/6
― 今の/1 イベントと/3 違うん/2 ?/6
― 樽/1 強!/3
― 遠目から/5 見ててんけど/2 /7 エンジ/1 完全に/6 ムービーシーンの/5 パニックに/3 巻き込まれた/2 モブやん……/03
真っ暗な中に流れる視聴者のコメント。
次に見えた視界はベッドの上、ランプがあかあかと照らす室内。
「ぼっちゃま!/1 出先で/5 お怪我なさったと/2 /03 聞いた時は/2 /05 肝をつぶしましたよ!/6 」
そしてさっき別れたばかりのばあやのマリノキアさん、とジェクルさんが心配顔で見つめてくる。
「お医者様の話では/4 軽傷との事ですが/3 /7 どうか安静になさってください/2 」
「あー、/6 これは……/1 」
解説サポートキャラのハロウさんが話しかけてくる。
『あなたが/1 何かしらの要因で/4 倒れた時/2 /05 拠点に設定した地点に/3 移動します/2 』
攻撃によって倒された、ではなく、体を守るためにとっさに魔力を限界まで使って力尽きた。という表現らしい。
― WotFは/1 ゲームオーバーだと/5 こうなるのね/2
― 色々/6 起こりすぎて/2 /7 エンジが/1 さっきから/5 「あー、これは」 しか/3 言えてない/2
― エクストリーム直帰/6
― 帰宅/1 早杉/3 /7 ばあやさんも/1 肝もつぶすわ/6
― いきなり/5 樽に/4 轢かれた/2
― ゲームウォッ○じゃねーんだぞ/3
― 家を/5 出て/2 /05 百歩も/5 歩いてなかった/2
― ヨハネスブルクのガイドラインかな/6
― 今のは/5 必中の/6 被ダメイベントじゃないの?/3 /6 説明/3 聞かずに/2 /05 貴族/3 選択した/2 やつへの/03 洗礼的な/2
― ばあやさんの呼び方が/1 エンジ様だったのが/5 ぼっちゃまに/3 変わってるのが/2 /05 心配感を/3 表現してて/2 良き/6
― さすがにこれは/5 被ダメ/3 判定/2 しんどすぎない/6 ?/6
このままだと/5 道で/5 転んで/2 /04 寝室/3 送りも/2 /01 あり得る/6
― やわらかすぎるだろ/3 貴族/1 >道で転んで/4
「えーと/6 ご心配おかけしました/6 」
唐突のゲームオーバーに困惑しているのは他ならぬエンジだったが、マリノキアさん達にとも視聴者にともつかない感じで曖昧に頭を下げる。
マリノキアさん達は、何かあれば申し付けください、と部屋を出ていった。
「ええと……/6 どうしようかな。/6 夜間も/5 外に/5 出る事はできる、/2 と、/03 思うんです/2 けど/7 」
窓から外を覗く。
― 真っ暗ね/6
― もしかして/6 この街、/5 まだ/5 街灯が/1 無いのか/2 ?/6
― これから/5 発展させていくんじゃない/2 ?/6
― いつ/6 朝になるんだろ/2 ?/6
― やられても/5 キャラロストしないで/2 /7 時間が/1 経過してる/2 って事は……。/04 寿命とか/1 あるのかな/2 ?/6
言われてみると気になる。一人のキャラで遊べる時間が限られてるとなると、行動も変わってくる。
エンジはハロウさんを呼んだ。
ハロウさんの解説によると、昼夜は魔物の活動性や季節の移ろいなどのギミックのためで、NPCを含めキャラに老化や寿命は存在しない。
ゲーム内時間では、現実時間の約四十分ごとに朝晩が入れ替わる。八十分でゲーム内の一日が経過する事になる。
二十四時間で半月近く経ってしまう計算だが、この世界の季節はゆっくり巡るようだ。自転の速度とか公転周期とか設定があるのだろうが、深く考えると頭が痛くなりそうだ。
『あなたが/1 倒された/2 場合/05 帰還魔法陣が/1 発動します/2 』
ハロウさんの説明によると、倒れた場所が拠点からどれくらい離れているかで拠点で復活するまでにかかる時間が変わる。
『未測量地点で/5 倒されてしまった/2 場合/05 測量済範囲内に/3 戻るまで/2 /05 帰還魔法は/1 発動しません/2 』
― 未測量地点とは/1 なんぞや/3
― 学者が/1 測量できる/2 とかなんとか/03 言ってなかったっけ?/2
― 帰還できないって/2 /7 永遠に/6 放置されることもあるわけ/2 ?/6
『現実時間の/9 二十四時間以内に/5 未測量地点から/5 救助されなかった/2 場合/05 ロストとなります/2 』
― げ/6
― 意外とシビア/3
『拠点は/1 最後に/5 ログインした/2 地点となります。/03
屋外などで/5 ログアウトすることもできますが、/2 /7 拠点を/3 持っていない/2 判定になります。/03 /7 その状態で/5 ログイン後/5 倒されると/2 /05 即/6 ロストとなります/2 』
― こわいがな/3
― 一番最初に/5 言っとけ/2
― 狩猟者・開拓者・学者は/1 最初にギルドに/3 向かう前に/2 /05 言われる/2 /7 ギルドを/3 拠点にすることが/2 多いから/6
拠点は魔物などに襲撃されるとダメージが蓄積し、ダメージの深刻さや範囲、敵の侵攻の深さなどによっては拠点の壊滅を判定される。と、ハロウさんは説明する。
『また/7 拠点内で/5 襲撃され、/2 倒されると/2 /05 ロストとなります/2 』
つまりゲームルール上でキャラロストする条件は
『拠点がない状態で倒された場合』
『拠点内で倒された場合』
『測量されていない場所で倒されて現実時間で24時間救助されなかった場合』
となる。
― へー、/6 拠点防衛と/1 測量/1 めっちゃ/9 大事じゃん/3
― 独りで/4 突出しても/2 /05 デメリットが/1 多いぞと/3
要点をまとめるとこういう結論になる。
― ……つまり/7 夜が明けるまで/5 あと40分/5 待ち/2 って事かい/8
― 少なくとも/6 即死キャラが/1 出歩ける/2 明るさではない/03
― さっき/5 治安も/1 悪かったしな/3
― 今日は/5 もう休もうか/2
「じゃあ/6 今日は/5 区切りもいいので/4 この辺で/5 実況を/3 終了します/2 」
― おつー/6
― 乙乙/6
― 次回/5 ジョブチェンジしてても/2 /05 誰も/1 怒んないからね/2 (コソッ/6
エンジは配信を停止し、ゲームからログアウト、VR装置を一旦シャットダウンする。
目の前の光景がブラックアウトしていき、見慣れた自分の部屋に変わっていく。
エンジは指を閉じたり開いたりして手足の感覚を確認した。
神経細胞を外部からの刺激で操作し、架空の刺激を作り出す研究は数年で医療分野を飛び出して仮想現実のゲーム機に応用された。
エンジの使っているのは個人用VR。けして上等な方ではないが安くはない、バイト代を貯めて買った時は嬉しかったものだ。
「っと編集と投稿。せめてリプレイデータとテキストデータは吸い出しておかないと忘れそう……あとはお喋り用にお茶の間を開けておかないと……」
エンジは生放送の実況を元に、プレイ動画を編集して投稿している。
WotFの開発陣は広く意見を募るために、ネタバレを除いてQ3D配信以外の動画投稿も推奨している。
配信サイトQuick3Dreaderでは、VRゲーム内のデータは全て保存されている。いわゆるリプレイデータというやつだ。
当然、一つの場面を視点を変えてもう一度、という事も可能、アバターとはいえ自分の表情をまじまじと見るのは良くも悪くも何とも言えない気分だ。
更に、ゲーム中のテキストデータはもちろん、実況中に配信サイトが受け取った視聴者のコメントもテキストデータとして取得できる。
「映像、テキストデータ確保っと」
エンジの動画は物凄く地味だ。動画編集で特別な事はしない。視聴者コメントもほぼ流れるに任す。
退屈なシーンをカット、または早送り。分かりづらいシーンでは状況が分かりやすい視点を探したり小窓で表示したりして差し替え。
あんまりぐるぐる視点を動かすと動画視聴者が酔う。
「今回は導入だからあまり削らなくてもいいかな……ゲーム世界の説明のシーンが多いし……会話をカットして文字でまとめて……分かりづらい所に注釈を加えて……」
世界観説明とキャラメイクから最初のゲームオーバーまで。濃いと言えば濃い内容だった。
2019.12.22 一部表現追加、変更