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51 【開拓VRβ版実況15】 暗がりの丸い

※お使いのパソコン・情報端末は正常です。

 セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。


― なぁ/6 ゲーム内の夜明けまで/5 あと何分?/6

― リアル時間で/5 5分ぐらい/05

― そんな待ってられるか!/2 おれは/1 部屋に戻るぞ!/2


 エンジの実況の視聴者がふざけあっている。


― やっぱり/6 あれ/1 ついて来てるって/2

― 何で/6 ここに/3 来る/2 と/05 いつも/5 微ホラーに/3 なるん/2 ?/6


 エンジの実況の視聴者がわいわい盛り上がっているのも無理はない。前回ここで起こった微ホラーはモンスター鮫パニックホラーの一幕だ。

 今回は、あとをついてくる丸い何かがいる。



 開拓VRゲーム。Walkers(ウォーカーズ) on(オン) the() Frontier(フロンティア)。略称WotF。

 舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。

 開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。


 大規模βテストを実施中で、不具合や説明不足をチェックするためにベータテスターに実況を推奨している。


 エンジたちは現在海岸べりで魔物の調査をしているのだが……月明りと魔力の松明だけの真っ暗な海岸で、さっきから音も立てず、そこそこの大きさの丸い物体が後をついてきている。気がする。



 エンジがチラチラ同じ方向を見ている事に最初に気付いたのはケビンだった。

「エンジ、/1 何か/3 見つけた/2 ?/6 」

「いえ/6 海岸に/5 異様に丸い岩みたいなものが/1 あって/2 /04 気になって/2 」

「丸い岩?/1 」


「あれ/1 ?/6 」

 砂浜の方向を向いたケビンがしばらくしてから少し別の方向を指さす。

「いえ、/6 あっちの波打ち際近くに/5 ……え?/6 」


― 増えてる/2

― もうだめだ、おしまいだぁ/6

― ホラーの文脈じゃん/3

― ただの魔物でしょ/1 /7 狩猟者の二人に/4 さっさと/6 殴ってもらえよ/2


 ケビンの示した方はもっと近く、数百メートル先ぐらいにはっきりした気配を感じる丸いシルエットだ。


 狩猟者の二人がすかさず前に出る。

「あれは/1 魔物/3 ?/6 」

「僕が/1 見てくる。/2 エンジ、/1 明かりを/3 お願い/6 」

 ケビンを追いかけて松明のような魔力の明かりをフワフワ付いていかせる。

 すると丸いシルエットが動き始めた。


「ケビンさん、/1 丸いのが/1 海の方向に/3 向かってます/2 」

 ケビンは走り出した。

「非戦闘員、/1 後ろから/5 ついてきて/2 」

 エフジドルダも全員に指示を出して少し後ろを走る、他の皆と離れすぎず、ケビンをフォローできるような絶妙な位置取りだ。


 エンジも灯りを複数出して付いていく。

 学者の三人もエンジと一緒に走ってついてきた。ばらけるよりも安全だろう。


 数十メートルまで近づくと相手の様子がある程度感知できる。

 近付きすぎないようにエンジは速度を緩めた。エフジドルダもみんなを守るためにその場に立ち止まる。ケビンはそのまま一撃加えようとする勢いだ。

 一番後ろに居たミーレ君がウェンカとリスジェイアを守るように少し前に出た。


― 虫?/1

― 足が/1 わしゃわしゃしてる/2 ?/6

― 足か?/1 スライムみたいに/6 体の一部を/3 引きずってるんじゃない?/2

― 暗くて/4 よく見えねぇ/2


 灯りに薄っすら相手が照らされる

― 毛玉?/1

 黒い毛のような塊が照り返す光のような物が見えた気がした。


 追いつかれたそいつは振り返った。

― ひっ/6

「kぇyゃ!?/6 」

― うひ/6

― ひゃえ!/6

 視聴者の短い悲鳴に混じってエンジも字で表しづらい小さい悲鳴を上げた。字幕もちょっとおかしくなっている。



 それは一メートルはあろうかという巨大なドクロ。

 暗い眼窩と鼻腔、左右に垂れ下がる口、ぼうぼうの黒髪を這わせて地面を蠢く、溶けかけたドクロのような姿をしていた。

 ケビンもその異様な姿に思わず足を止める。


― わああああ/6

― ぎゃああああああああ/6

― ガチお化け!!/6

― きもぉあ!/6



「とうそくるい/1 ってなんじゃそらー!!?/6 」

「タコ?!/1 」

「タコです!/1 」

 学者三人がほぼ同時に叫んだ。



― たこ!?/6

― 凧?/1

― 蛸ぉ!?/1


 魔力の松明で煌々と照らされたそれは、ぬるりと溶けかけたドクロのように見える。


 不意に毛の束に見える何かを数メートル先に居るケビンに向けて叩きつけてきた。

 ケビンが斧の一閃でそれを薙ぎ払うと、黄色いダメージエフェクトが輝いた。


― マジだ!/3

― 蛸の足だ!/1 吸盤が/1 ある!/2

― 毛やドクロに見えるのは/1 模様なのか!/3

― ほんとだ!/3 脇に/5 蛸の目が/1 ある!/2


 ドクロ模様の丸い頭の下の方、毛の束ように見える足に隠れて金色の目がついている。


「蛸の魔物だって/3 何で/6 分かったんですか/2 ?/6 」

「学者だと/5 魔物の/3 簡単な/6 鑑定ができるんですよ/2 」

 思わず聞いたエンジにリスジェイアが返事をする。


― そろそろ/5 怖い所/3 過ぎたかなー/2 って/03 戻ってきたら/2 /05 蛸に/4 ビビらされた/2 僕に/1 /03 一言/2

― タイミング悪ー!/6


「皆は/1 周囲を/3 警戒して/2 」

 ケビンは言うが早いか斧を叩きつける。

 タコを一刀両断するようなクリティカルの赤いエフェクトが放たれた。


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