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5 【開拓VRβ版実況1】家から出る

※お使いのパソコン・情報端末は正常です。

 セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。


  キャラメイクが完了してWalkers(ウォーカーズ) on(オン) the() Frontier(フロンティア)の初ログイン。


 扉を開けると、エンジは見知らぬ部屋に居た。


 大きな天蓋付きのベッドとともに書き物机や本棚が少し窮屈そうに詰め込まれている。

 部屋の隅には革製の大きな四角い旅行鞄、いわゆるトランク。

 向かいの壁には縦長の窓。


 またしてもスルッと上から現れたサポートキャラのピエロ人形、ハロウさんが解説する。

『ここが/1 あなたの部屋です。/3 今は/5 夕方ですね/5 』


 部屋の窓から外が見える。現実時間ではお昼だが、ゲーム内では確かに窓の外の日はだいぶ傾いているようだ。


 軽いノックの音。返事をすると上品そうなメイド服のおばあさんと無表情な若い男が部屋に入ってきた。


「改めまして。/6 お久しぶりでございます/6 エンジ様。/1 マリノキアでございます。/1

 こちらは/1 住み込みの学生/9 ジェクルさんでございます。/3 お家の事を/3 手伝っていただいています。/2

 遠路はるばる、/6 ようこそ/6 第一定都まで/5 お越しくださいました。/2 /7 長旅は/1 お疲れでしたでしょう、/2 ごゆるりと/6 おくつろぎくださいませ/2 」


― ばあや!/1 

― ばあやだ/1

― ばあや?/1 

― 下男?/1

― 明治時代の書生?/1


― 定都?/1 帝都じゃなくて/3 ?/6

― 帝国なん?/6

― 運営が/1 定めた/2 都市だから/03 /04 定都?/3

― 仮に/6 帝国だとしても/5 未開の開拓地に/3 遷都せんやろ/2


 視聴者のコメントの流れる中、優雅に一礼すると。何かあればお申し付けくださいと言って、マリノキアさん達は部屋を出ていった。


― すっごいエンジの知り合いぽかった/3 けど/7 初対面だよな/3 マリノキアさん/1

― エンジのキャラが/1 赤ちゃんの頃に/3 /05 お世話してた/2 みたいな設定/03 じゃないの?/6 


「……ハロウさん/1 」

 隣に浮かぶサポートキャラにそっと話しかける。

「メイドさんたちが/1 居るんですね、/2 びっくりしました/2 」


『あなたが/1 貴族を/3 選ぶと/2 /05 あなたは/1 持ち家に/3 住みます/2 そして/7 付き人が/1 住み込みます/2 』

 途端に視聴者のコメントがあふれる。


― 若いメイドさんは/1 いないのか/2 !?/6

― そうか!/6 貴族には/5 メイドさんが/1 居るんだ!/2

― 執事は/1 居ないの/2 ?/6

― 付き人の詳細/3 はよ/6

― 決めた。/2 俺、/1 WotFで/5 貴族/3 やるわ。/2

 清楚系メイドお姉さん/3 ヨロ/2


― ところで/6 夕方なんだよね?/5 /6 街に/3 出るなら/2 /05 早目の方が/5 良いんと違う/6 ?/6

― ガス灯時代は/1 かなり暗いぞ/3


 視聴者の声に促されて慌てて廊下に出ると、少し遠くからマリノキアさんに声をかけられた。

「エンジ様/1 お出かけになられるのでしたら/2 /05 まずは/5 開拓者ギルドに/5 ご挨拶に/3 うかがうのが/2 /01 よろしいかと存じます/2 」

「はい、/6 分かりました/6 」

「申し訳ありませんが/6 馬車の手配まで/4 お時間をいただきたいのですが/2 よろしうございますか?/6 」

 馬車を用意するというマリノキアさん。気持ちは嬉しいが、断った。


「いいえ/6 街を/3 知りたいので/2 /04 歩いていきます/2 」

「左様でございますか?/6 日も暮れかかっておりますので/4 お気をつけて、/2 早目にお帰りくださいませ/2 」


 廊下を歩きながらハロウさんに聞いてみる。

「そういえば/6 NPCにとって、/5 /7 プレイヤーが/1 ヘルプや/5 視聴者さんと/5 会話するのは/2 /01 どういう/6 扱いになるんでしょう/2 ?/6 」

 いまどきはNPCとの友好度が無いゲームの方が珍しい。虚空に話しかけて変な人と思われたら困る。


 ハロウさんはふよふよと宙を浮くようについて来ながら答える。

『プレイヤーは/1 特級市民です。/3 そのため/7 NPC達の認識では、/5 プレイヤーは/1 旧大陸語と/4 魔法の通信装置で/4 頻繁に/6 本国と/3 連絡をとっています/2 』


― そんな設定なのか/1

― 特級市民って/1 何ぞ/6

― ヘルプって/1 プレイヤー全員に/5 付くよね?/2 /6 貴族は/1 ともかく/6 /7 開拓者や/1 狩猟者も/1 特級市民なの/3 ?/6

― 凄腕探検家みたいな/6 設定なんでないの/3 ?/6

― プレイヤーは/1 本国から/5 来たって/2 設定で/03 いいの?/6

― 旧大陸語って/3 聞こえたぞ。/2 何語?/6


『プレイヤーは/1 長くログアウトしている時/2 /05 本国に/3 帰国している/2 設定です/03 』

― なるほど、/6 プレイヤーは/1 本国と/3 頻繁に/6 連絡とって/2 仕事してると/2


 エンジはハロウさんに旧大陸語についても聞いてみる。

『新大陸の人たちは/1 旧大陸の各国から/5 集まってきました。/2

 NPCは/1 旧大陸地方語を/3 理解できますが/2 /7 旧大陸共通語を/3 ほとんど/6 理解できません/2 』


― ごめん/6 よくわかんない/2

― 地方語と/1 /7 共通語/1 ?/6

― 昔のヨーロッパ各国語と/5 ラテン語みたいな/5 /06 関係って事/3 ?/6

― 言葉/1 通じないの/2 ?/6


― 待って/2 待って/2 結局/6 この世界では/5 誰が/61 何語/63 喋ってんの/2 ?/6


「ええと/6 …………僕は/1 何語で/63 喋ってるんでしょう/2 ……?/6 」

 AIのヘルプで悩むのは、質問の一覧になっていないのでどう聞けば目的の返事が返ってくるか分からないことだ。


 ハロウさんが機械的に答える。

『貴族は/1 読解補助語を/3 使っている時/2 /05 複数言語を/3 自由に/6 使い分けている/2 という設定に/03 なっています/2 』


― もしかして/6 言語チート/1

― なんだかんだ言って/6 便利なのか?/3 /6 貴族/1

― 貴族の説明の所に/5 マルチリンガルとか/3 書いとくべき/2

― え?/6 じゃあ/6 貴族以外のキャラは/1 会話できないの/2 ?/6


「貴族以外の人は/1 何語を/63 喋ってるんですか/2 ?/6 」

『貴族と/1 学者は/1 複数言語を/3 喋っています。/2 /7 開拓者と/1 狩猟者は/1 旧大陸共通語を/3 喋っています。/2 /7 NPCは/1 旧大陸の地方語を/3 喋っています/2 』


― それじゃ/3 わかんねぇんだって、/2 ハロウさん!/1

― 混乱してきた/2

― 誰と/5 誰が/1 会話可能なんだ/2 ?/6

― 表を/3 出して/2

― 誰か/1 まとめろ/2



 そうした話をしているうちに階段を下りて一階へ。ガラスと真鍮しんちゅうに彩られた木の扉を押して外に出る。

 出た先は固められた土で覆われた大通り。道のわきには三階建てほどの赤いレンガの建物が並ぶ。


― ロンドンぽい/1

― エンジん/1 テラスハウスぽい/3

― テラスハウスって/1 狭い戸建ての事じゃないの?/3

― 住まいの呼び方って/1 言語によって/4 /7 かなり/6 表現が/1 違わない?/2

― フラット/1 /7 日本では/5 アパートとか/3 マンションとか/3 呼ぶ/2 やつ/03

 テラスハウス/1 街中にある/5 三階建てぐらいの建物。/3 /7 フラットの仲間だったり/3 /7 貴族の別宅/3 やってた/2 高級なやつも/01 ある。/2

 デタッチドハウス/1 郊外とかの/5 庭付きのでかい一軒家/3

 カントリーハウス/1 貴族のでかい屋敷/3

 と/03 認識している/2

― マンションは/1 セレブとかの/1 持ってる/2 豪邸の事だよね/03 ?/6

― もう/6 自分の国の事は/3 各自で/4 調べてっていうか/2 /7 マジで/6 みんな/1 どこから/5 来てるの/2 ?/6


― あっちの一階は/1 商店かね/3 ?/6

― この道路/5 街灯/1 なくね/2 ?/6

 既に興味が町並みに向いている視聴者も居る。


「これだけ/6 似た/9 建物だらけだと/1 /05 帰るとき/5 迷いそうですね/2 」

 町並みに統一感があり、大通りには同じ色のレンガの壁が並んでいる。様式も似ているので見慣れないと、どれがどれと言い難い形だ


『自宅は/1 アイコンで/4 表示されます/2 』


 ハロウさんに言われて、歩道から自宅の玄関を向くと、分かりやすく青い光のエフェクトが地面に円を描いてくるくる回っている。


― 選べるキャラって/1 人間だけかと/03 思ったけど/2 /7 もしかして/6 獣耳とか/3 角つきとか/3 いるの/2 ?/6

 向こうの/5 白っぽい建物の方の人/5 耳/1 ついてない/2 ?/6

― どこ?/65

― パッと見/4 周りの人は/1 普通の人間ばっかりだな/3

― エンジは/1 ビジュアルも/3 ランダムしちゃったからな/2

「確かに/6 色々/6 いじってみれば/2 /01 よかったですね/3 」

 エンジも言いながら通りの向こうに目を凝らす。


 そんな時、唐突に大通りに女性の悲鳴が響き渡った。


 そちらの方を見ると三百メートルほど先、大きな帽子と口元を覆う布で顔を隠した男たちが堅牢そうな建物から出てくる。

 手に手に拳銃や鉈のような大型の刃物を構えて周囲を威圧しながら、袋を馬に積み上げている。


「あー/6 これは……/1 」

― 強盗だよな/3

 事件を認識して、思わず腰のステッキを体の前に抱えるが、視聴者から注意が飛ぶ。


― 建物内に/3 戻った方が/2 良いんと違う/6 ?/6


― 強盗イベントって/3 プレイヤーが/1 解決するもんじゃないのか/2 ?/6

― プレイヤーが/1 エンジで/3 /7 一撃死するのに/3 ?/6

― 悪い事は/3 言わない、/2 /7 伏せて/2 じっとして炉/2

― 魔法は/3 使えないのか/2 ?/6


 男たちは銃を通りのあちこちに向けて撃っている。威嚇の様だ。あちこちから馬のいななきや悲鳴が聞こえる。

― 拳銃って/1 19世紀/3 ?/6

― リボルバーとかは/1 19世紀半ばに/5 もう普及し始めてるよ/2

― フリントロックピストルとかなら/1 もっと前から/5 あるけど……/2 /7 銃口から/5 弾を/3 込める/2 /7 ……海賊とかが/1 持ってる/2 やつね/03

― 西部劇で/5 めっちゃ/6 出てくるじゃん/2 >拳銃/1


 ふと、背後が騒がしくなる。

 銃の音に驚いたのか荷馬車の馬が暴れて走り出していた。

 パニックが伝染したようで何頭かの馬が暴走状態で大通りを走り回る。


― パニック起こさせて/4 追跡しにくくすんのか、/2 /7 強盗/1 頭いいな/3


 エンジも慌てて右往左往するが、特にできる事もない。

 人にぶつからないようにするので精いっぱいだ、数十歩離れた自宅のドアに駆け寄るのも難しい。


 背後ですごい音がしたので振り返ろうとしたその瞬間。

「ふぎゅ!/6 」

 背中に体当たりされたような強い感触。倒れる一瞬、視界が暗くなると、耳の奥の血の巡る音が大きく聞こえ、次いで目の前が真っ暗になった。


― え?/6

― え?/6

― え?/6

― !?/6

― は?/6


「……あー/6 これは……/1 」


2019.12.22 一部表現追加、変更


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