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4 【開拓VRβ版実況1】動作確認用の部屋に入る

※お使いのパソコン・情報端末は正常です。

 セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。


 Walkers(ウォーカーズ) on(オン) the() Frontier(フロンティア)のキャラメイク部屋の扉を開けた。


 キャラメイク部屋のドアを出た先は、木を基調とした小部屋。

 部屋の中央には細工の施された木製の机と椅子。机の上には手のひらサイズの簡素な革袋が載っている。

 机を挟んで反対側の壁には小さな丸い窓が一つ。

 部屋の隅には全身鏡。

 

 ヘルプキャラのピエロ人形、ハロウさんが解説を始める。

『ここは/1 動作/3 確認用の/2  スペースです。/5

 毎回/5 ログイン時に、/5 ここで/5 動作を/3 確認できます/2 』

 

「分かりました。/2

 えー……/6 では/7 動きの/3 確認をするので/2 /04 少しお待ちください/2 /7 気になるものが/1 あったら/2 /05 調べてみますので/2 /7 コメントしてくださいね/2 」

 

― ゲームスタートじゃないんかーい/3

― VRなら/5 動作確認スペースは/1 あるだろ/2 常識的に考えて/6

― 化石ゲーマーが/1 うるせぇ/3

― 思ったこと/3 書いただけなのに/2 辛辣すぎ/6

― つ[チラ裏]/6

― ヘッシェル回と/3 コメント入力欄/3 直結でもしてんの/2 ?/6

 空気の悪くなった視聴者のコメントを見ながら、我ながら実況者としてテンポが悪いなぁ、とエンジは思う。

 

 ストレッチのように手足を曲げ伸ばしたりしてみる。


「あの/6 ハロウさん/1 」

『はい、/6 何か/6 御用ですか/2 ?/6 』


「ステッキって/1 ずっと/6 持ってないといけないんですか/2 ?/6 」

『使わないときは/5 剣帯のように/4 体の横に/5 吊るすことが/2 /01 一般化しています。/3

 貴族の/9 護身用武器であり/4 仕込み杖や/3 傘などに/3 変えることもできます/2 』


 よかった。ストレッチしてみたら慣れないせいか割と邪魔だった。

 安心して腰に吊るしてストレッチを再開したところ、ウエストの出っ張ってるところ……腸骨にしたたかにステッキの握りの部位をぶつけた。痛覚の入力はVR装置側で調整してはいるが、ジーンと痛い……。慣れないとまたぶつけそうだ。



― リアルとは/3 だいぶ違うのか。/2 ステッキ用の剣帯なんて/1 ないよな/2 ……無いよな/2 ?/6 あるの/2 ?/6

― 知らん/2

― ステッキの本場のマナーとかは/1 求められないのね/2

― ゲームで/5 そんなん/3 求められたら/2 /05 泣くわ/2


 一方、部屋を観察していた視聴者のコメントも流れてきている。

― こういう部屋/3 好き/2

― 最近/5 増えてきたけど、/2 /7 動作確認部屋が/1 格子状のサイバースペースじゃないってのは/3 /01 いきねぇ/3


― 時代設定だけあって/5 この机の細工とか/1 アールヌーボー/3 意識してたりするのかね/2 ?/6

― 丸窓って事は/4 ここ、/5 船の中/5 だったりする?/6

― 外/3 見てみようぜ/2


― 船だと/1 丸窓なの/3 ?/6

― でっかい船が/1 動くと/2 /05 自重やら/4 波やらで/4 圧が/1 かかるんで。/2 その時/5 割れにくいような/2 形が/01 丸ってことになってたはず/3

― 飛行機も/5 気圧なんかに/3 対応するために/2 /04 一見/6 四角いけど/3 /7 丸みのある/9 窓に/3 なってるはずよ/2


 エンジは視聴者コメントに多かった窓に寄ってみた。


 明るさで一瞬視界がホワイトアウトした後、外の景色が見える。


 まず目をひくのが青空。

 大通りの左右に佇んでいる3~5階建てぐらいの建物群は、区画ごとにレンガや壁の色が揃えられており、統一感がある街並みになっている。

 通りは石畳だ。通りを歩いていく馬車が絶妙に時代を感じさせる。


 窓の前の広場では人の手によってせわしなく木箱や樽が行き交っている。

 視聴者の指摘通り、窓の外は埠頭ふとうの様だ。ここは船の中だろう。


― 馬車が/1 居る/2

― 外灯のデザイン/1 オシャレ/3

― 汽車は/1 まだなのか/5 ?/6

― 蒸気機関/1 あったら/2 /05 スモッグで/4 曇天なんでないの/3 ?/6


― あっちのでっかい/9 建物が/1 機関車の駅なのでは/3 ?/6

― え?/6 これ/1 始まりの街なん/3 ?/6


― 赤レンガ/4 ヴィクトリア朝ぽ~い/3

― あの辺/1 オスマン様式?/3

― オスマン帝国が/1 モデルにしては/3 /05 アーチと/1 ドームが/1 足りないような/2

― パリ改造の方のオスマンでは?/6


― ベル・エポックや/5

― 飛行船は/1 いないのか/2 ?/6

― 世界観を/3 理解した/2


― ひゃっふぅー!/6 スタンレ○スチーマーっぽいのが/1 いるー!/2

― あの蒸気自動車/1 ツボを/3 轢いてくる/2



 視聴者が窓の外にあるものを確認している間、エンジは黙々と室内で色々な動作をしていく。

 ここで確認しないと、不具合を起こしたらまたキャラメイクからやり直しになってしまうかもしれない。


 歩く。壁をノックする。椅子を引く、持ち上げる。座る。

 机の上の袋を開けて大小の硬貨やビーズをつまんでみると、冷たさと重さを感じる。

 位置情報や衝突判定、感覚の応答も良好なようだ。……さっき腰を杖にぶつけて痛かったし。



 一通り部屋のものを触ったところでハロウさんから声をかけられた。

『不具合はないでしょうか?/3 /6 この部屋の扉を/3 開ければ/2 /05 新大陸に/3 出発となります/2 』


 エンジはどこともなく見回して姿のない視聴者たちに呼びかける。

「皆さんは/1 大丈夫ですか?/3 /6 特に気になるものは/1 無いですか/3 ?/6 」

― おけ/6

― おk/6

― この動作確認用部屋は/1 ログインするたびに/5 来るんだから/2 /7 サクッと/6 いこ/2

― そだっけ?/6

― 最初に/5 言ってた/2


― あんまキョロキョロ/6 視点/3 変えられると/2 /05 酔う/2

― エンジに/3 言うな。/2 /7 お前が/1 q3の閲覧の設定/3 変えろ/2


― q3?/6

― サイトのヘルプぐらい/3 嫁/2

― 右上の/5 薄っすい/9 "三"みたいな/9 記号/03 タップしてみて/2

 下の方に/5 視点切り替えって/1 出る。/2 /7 一人称視点が/1 苦手なら/3 /05 三人称視点/3 推奨。/2

― うちは/1 鳥瞰背後追従型視点で/3 /7 一人称視点を/3 小窓に/5 出してるよ/2

― 追従型だと/1 尻しか/3 見えないし/2 /7 慣れないと/5 迷うので/2 /04 鳥瞰北方向固定相対移動視点/3 おすすめ/2


 現在エンジが使っている配信サイト。正式名称Quick3Dreader。愛称q3、Q3D、Q3Dr、きゅーさん、など。

 名前の由来は『3Dを読み込む』と合わせて、昔はホラーゲームの会社が提供していたため。Dreadとも読めるようになっている。らしい。


 配信側にとっても視聴者側にとっても、そしてゲーム開発者にとっても痒い所に手が届く仕様になっている。


 配信者にとってはすぐに無料で始められるゲーム実況の配信場所。

 負荷も少なく、字幕表示、配信ゲームの切り替え、配信開始中止設定などもスムーズ。

 実況配信、追いかけ視聴の公開非公開公開範囲設定の他に、素材として切り出しての動画製作もスムーズに行える。


 視聴者にとっては好きな動画を見ながらリアルタイムでコメントできる……だけではない。

 このサイトは音声データ、テキストデータはもちろん、ゲーム中のプレイヤーや背景、NPCなどの動作等、ゲーム中のあらゆるデータを収集している。

 つまり、視聴者側が設定でゲーム画面を再構築し、ゲーム画面をリアルタイムで好きな時に好きな方向から見れるのだ。



 更に、このQuick3Dreader、ゲーム開発者側にも利点がある。


 強制的にコメントや配信自体を非公開にする設定ができるのだ。


 例えばネタバレ禁止のシーンに入るとき。

 あるいは対人戦のある一人称視点ゲームなどで、視聴者からプレイヤーに情報が伝えられると、有利不利が著しく変わってしまうとき。

 あらかじめゲーム内に配信停止やコメント停止する命令を埋め込んでおくことができるのだ。


 ババ抜きで相手の手札を覗き見してヒントをくれる人が居ると有利不利に強くかかわってしまう状況などを考えると分かりやすい。

 それを簡単に防止できる。

 ゲーム用語ではゴースティング防止措置といった所だろうか。


 現在のQuick3Dreaderはホラーゲームだけでなく複数のゲーム会社と提携しており、動画投稿サイトは数あれど、ゲーム動画配信サイトとして標準規格となっている。



「いってきます/6 」

 エンジはゲームスタートとなる扉を開けた。


2019.12.22 一部表現変更


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