39 【開拓VRβ版実況10】 貴族たちのお仕事
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
開拓や魔物退治などで物資の需要・供給が成立し、拠点である街を防衛することによってキャラロストを防ぐ。という少し複雑なシステムで、現在βテストによりバランス調整中だ。
「エンジ様/1 ご報告が/1 あります/2 」
ある日、エンジが自分の会社、ノチリスノイラ第八運輸会社に来ると、秘書のエオフォンファードさんが話しかけてきた。
「今朝がた、/5 街の川で/5 我が社の汽船が一隻/1 襲撃され/2 転覆しました/2 」
― は?/6
― え?/6 事故とか/1 起こるの/2 ?/6
― 襲撃?/2 強盗か?/4
思いがけない事態に視聴者のコメントも面食らっている。
「乗客乗員は全員/1 無事ですが/3 /7 救助された乗組員の話によると/4 『巨大な魔物が/1 機関室に/3 噛みついてきた/2 』との事です。/3
回収された船体を/3 確認した/2 所、/05 巨大な歯型と/3 思しき/2 痕が/01 付いていました/2 」
とうとう川底に居た巨大な魔物が動き出してしまったようだ。
最初に対策を持ち掛けてきたのは狼耳の貴族、エプヴィル・ガナフドラ。
「NPCのコメントの端端から/4 近い将来/5 町全体が/1 脅かされる/2 可能性は/01 高い。/3
まずは/5 今後の/5 安全のために、/4 第一定都の河の/5 魔物/3 対策/2 を/03 行いたい/2 」
計画はシンプル、数日の内、川底に居る巨大な魔物の被害がこれ以上発生しない内にガナフドラ第一警備会社の最大戦力で叩く。
「こちらの特製爆薬で/4 水中の魔物を/3 一網打尽ですわ/2 」
ガナフドラ第一警備会社のお抱え技師エルフのプレイヤー、ニスミハ。彼女の自信作を披露する。
一見黒地の筒の束。筒には赤、青と金色で複雑な装飾が施されており、何に使うものかと言われて、見た目だけで当てるのは難しそうだ。強いて言うなら装飾の施された大きめのろうそくと言った所だろうか。
実際は魔導回路の施された高性能爆弾だという。
― 爆弾を/3 町中で/5 爆発させんの/2 !?/6
― 発破漁かよ/1
視聴者のコメントがざわつく。
思わずエンジも聞いた。
「それでは/4 街に/5 被害が/01 出るのでは/2 ?/6 」
― コラテラルダメージだ/6
と、ニスミハの説明が止まらなくなった。
「よくぞ聞いてくださいましたわ!/6 そのための/4 この魔導機構なんですのよ。/1 芯に/3 使っているのは/2 高密度魔石で、/01 そのまま使用すれば/5 水路を吹き飛ばしかねない威力を/3 誇ります/2 が、/7 こちらの黒の筒で/4 爆薬の固有定数と/3 バブルパルスを/3 調整できますの/2 その上で/7 周囲に/5 張り巡らせた/2 限局された範囲に/5 爆発を/3 圧縮して/2 閉じ込める/2 術式で/04 高威力/6 狭範囲を/6 実現しましたの/2 この赤い導線が圧縮方向の術式を、/3 この青い導線が 」
― すごく早口/3
― 長くなるやつだ/3 コレ/1
― 攻撃範囲を/3 限局できるって事でいいのね/2
エプヴェルが遮って話をつづけた。
「差し当たって/6 ノチリスノイラの水上便の/1 運休の/2 都合を/03 つけてもらいたい/2 」
魔物以外にも課題は多い。会社ではまた別の報告が上がっていた。
「エンジ様、/1 調査隊が/1 上流の/5 岩の多い/9 急流に/03 達しました。/2
川幅と/4 水深の関係で/4 ここより上流へは/5 安全に/6 航行できません/2 」
ノチリスノイラ第八運輸会社。
会社のNPC、エオフォンファードさんが地図を指しながら説明していく
報告を聞くと、山の中の渓流にさしかかったようだ。それ以上上流に行くには汽船では無理だろう。
― パウンドロックを/3 使えば/2 /05 もうちょっと/6 上流まで/5 利用できるかな/2 ?/6
― でも/7 誰が/1 秘境の水門/3 管理するんだ/2
― 工事が/1 めんどくさそう/3
― 崖に/4 囲まれた/2 谷間だから/04 他の地域への/3 アクセスも/2 /01 悪いしね/3
― パウンドロック/1 何?/6
― 大体/6 水門エレベーター/3
「川の両岸も/5 崖が/1 多く、/3 河港となる場所も/1 限られています。/2 /7 現在/5 建設中の/2 河港も/01 じきに/5 開発工事も/1 一段落します。/2
新しい事業計画案は/1 ございますか/2 ?/6 」
この前、南に目が向いたことで、エンジは密かに考えていた事があった。
「定都の上流の/5 調査も/2 /03 引き続き/6 行うとして……。/2
未知の航路を/3 調査できる/2 船は/01 ありますか/2 ?/6
海岸線の/3 調査をしてほしいんです/2 」
セージド達に砂浜の南端まで連れて行ってもらった時、南の海岸は大きく西の内陸に湾曲していた。
エンジの行ってもらいたい所は南の海岸を回った先、そこが湾なのか、はたまた河口なのかを一つ調べてみたかったのだ。
どちらにせよ、どこまでも砂漠というのも考えづらい、上陸できる場所があればそこにも港が開ける。地形によっては西に向かった開拓団の補給所にできる可能性がある。
「現場の状況を/3 確認しないといけませんが……/2 」
と、エオフォンファードさんが長考モードに入ってしまったため書類を確認する。
書類を見て視聴者が現在の状況の分析を始める。
― なるほど、/7 川の上流が/1 建設ラッシュに/4 沸いてて/2 /7 建材の/3 運搬で/2 /04 稼いでる/2 けど/7 川の上流が/5 行き止まりになっちゃった/2 から/04 この需要は/1 そのうち/5 収まっちゃうね/2
― 採算割れは/3 防ぎたいところ/2 、/7 このままいけば/5 トントン/3 だけど、/7 河川の便の需要が/1 ジワジワ減ってく/2 と/05 だぶつきそう。/2 新しい航路は/3 欲しいねぇ/2
― 川船は/1 海船としては/5 使えないんじゃない/2 ?/6
― セオリーとしては/5 河船は/1 底を/3/9 こすらないように/2 /04 喫水浅く/3 海船は/1 安定のために/4 喫水深く/3 って/01 聞くけど/2
― 北か/5 南に/5 別の川が/1 あるかもしれないじゃない/2
「あとは……/7 荷馬車の/3 準備/2 と/7 水路/1 通行止め期間の/3 /05 調整と/2 周知と……/2 /7 エオフォンファードさん/1 お願いできますか?/2 」
エンジの複数の指示のせいか、エオフォンファードさんが長考モードで固まってしまった。
ゲーム内時間で数日後の朝。水路の魔物の駆除の予定日。
エンジはサリーリルカと一緒に、街の川べりでガナフドラ第一警備会社のエプヴィル、ニスミハと落ち合っていた。
「そちらの方が?/1 」
自分の自己紹介の後でニスミハが尋ねると、サリーリルカが優雅に礼をする。
「サリーリルカ・クジュレーオプセリルと/3 申します。/2 /7 よろしくお願いしますわ/6 」
少々複雑なことをするのでNPCを利用して大丈夫か不安だったが、今のところサリーリルカはフリーズしたりはしていない。
「魔物のいる位置を/3 指し示せばいいのよね。/2
やるわ、/2 役立って見せる/2 」
やる事も理解もしているようだ。河川の安全のためのモチベーションも高い。
「御足労かけるな/6 エンジ殿。/1 サリーリルカ殿。/1
魔力感知は/1 なかなか修得が/3 困難らしいゆえ。/2 他に適任者が/1 いなかった/2 」
エプヴィルの言葉をニスミハが継ぐ。
「本来なら/5 警備会社が/1 危険を/3 引き受けるべき/2 なのは/01 重々承知しておりますが、/2 /7 わたくしの魔力感知でも/5 ぼんやりとした方向ぐらいしか/3 分かりませんの。/2
お二人のご協力は/1 本当に助かりますわ/2 」
「そうなんですか?/6 」
― 動画/3 見た/2 けど、/05 そのニスミハさんも/1 魔素を/3/9 操って/2 /04 魔法/3 撃てる/2 けど、/7 魔力感知は/1 なかなか/6 上達してない/2
― 貴族の/5 ジョブ特性/3 なのかね?/6
― 一方で/7 貴族でも/5 魔力感知自体が/1 成功してない/2 人も/01 多いんだよ。/3 /7 謎/03
他のβテスターの実況を見ていたらしい視聴者達のコメントが届く。
今回の作戦はシンプル。
川に潜む魔物を爆弾で気絶、または負傷させて川下に設置した網に追い込んで引き上げ、狩猟者達で囲んで殴る。
「すまなかったな/6 エンジ殿。/1
万が一/6 水路が/1 塞がった/2 場合を/03 考えると/2 /7 まだ/5 荷馬車を/3 専用用途に/4 使ってもらうわけにいかん/2 」
そう、交通の要所である川のど真ん中で爆発を起こすこの作戦は、下手をすると川を利用した開拓地の流通が数日停止する事もあり得るのだ。
そうなってしまうとゴミ収集用に荷馬車を振り分ける余裕はない。
「いいえ/6 僕たちには/1 魔物を/3 管理する/2 ノウハウも/01 ありませんし/2 /7 丁度良かったかもしれません/6 」
テリューナル教授たちが頑張っているが、最初は手探り状態の運営になるだろう。ゴミが一気に増えてもゴミ山になるだけだ。
「ふむ/6 何かあれば/5 我らも/1 手伝わせてもらおう。/2
と、/7 準備が/1 整ったようだ/2 」
エプヴィルの向いている先。
川下にかかった橋で作業をしていた人たちが手を振って合図を送っているのが見えた。