37 【開拓VRβ版実況9】 貴族のお仕事
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
南の海岸部を一通り見た後、開拓者ギルドに帰り着いたエンジたちは忙しかった。
砂漠に居た魔物は新発見の魔物だったらしく、魔物の一部や戦闘データなどを渡して情報提供を行うとギルドから報酬が貰える仕組みだ。
セージドとマルシールアが手続きをしている間、エンジは開拓者ギルドの隅で依頼が空振ってくだをまいていたNPC狩猟者三人組と一緒に話をしていた。
「はぁ!?/6 外に/5 出たんかい/2 旦那!!/1 」
「あんた/1 この前/5 学校で/5 食われかけたばっかりっすよ/2 !?/6 」
「旦那が/1 一番/6 金払いいいんだから/3 /04 頼むぜ/2 /7 勝手に/6 死なれると/2 /05 俺らが/1 困る/2 」
カーマンが無表情でアードットにチョップをかます。
エンジとしては魔物もほとんど居なかったし、大丈夫かと思ったが、どうやら自殺行為だったらしい。
もしも未測量の砂漠に突き落とされたりしたらどうするつもりだったのかと三人組に詰め寄られたが、向こうの方でマルシールアが心外だと言わんばかりに膨れていたので、エンジは苦笑で返すしかなかった。
― ごもっとも……/6
視聴者が呟いた。確かに同行者がプレイヤーキラーだったら非常に危険な状況ではあった。
「しかし/7 砂の中に鮫の魔物か/1 ……多分/6 犯人は/1 そいつですわい、/3 旦那。/1
被害が/1 出てる/2 場所や/05 時間も/05 一致しとるわい/2 /7 西の牧場の南にも/5 砂漠は/1 広がってるんだわいな/2 」
「砂ん中に/5 魔物ねぇ。/1 家畜が/1 越えないように/2 /04 柵/3 作らせりゃ/2 /05 解決か/2 」
「しかし/7 魔物も、/1 何だって/6 よりによって/6 俺らが/1 行った/2 時に/05 南の方に/3 行ってたんすか。/2 お陰で/4 無駄足っすよ/6 」
世間話ついでに今回見つけた砂漠の魔物について狩猟者NPCの三人に話したところ、家畜盗難の犯人としてどうも怪しいということになったのだ。
「何で/6 移動した/2 ?/6 狩猟者が/1 狩りに/4 来てるのに/2 /03 気づいたんか/2 ?/6 」
「話を聞く限り/6 そこまで/5 臆病にも/3 思えないわいな/2 /7 あっちこっち/5 移動してるんかもしれんわいな/2 」
「逃げ/2 隠れが/2 うまい/8 魔物は/01 賢いって/3 /7 よく言うんすけどねー/2 」
― へー/6 魔物にも/9 賢さとか/1 あるんだ/2
― もしかして/6 川に居るでかいのが/1 トラブル/3 起こしてないのは/2 /04 川底で/5 食っちゃ寝してる/2 方が/01 お得って/03 思ってる/2 のか?/6
― この前/5 エンジに/3 殴りかかってきた/2 でかいスライムも/01 側溝に/3 逃げてたから/2 /04 逃げ隠れが/1 上手い/2 個体っていうのは/01 あるんじゃないの/2 ?/6
― そういえば/6 クルムドスさんが/1 狡猾で/3 危険って/3 言ってたね/2
目新しい話にさっそく視聴者が考察タイムになりつつある。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
魔法のある十九世紀ぐらいの文明のある世界で新大陸を開拓していくゲーム。
四つのジョブが相互に助け合う事を想定した開拓ゲームだが、システムが複雑でなかなか要検証な場面がまだまだ多い。
「エンジ殿/1 /7 今/5 お話/2 よろしい/3 か?/6 」
不意に後ろから声をかけられる。
エンジが振り向くと、テーブルについている三人組が居た。
三人ともプレイヤーを表すエフェクト、キャラの周囲に輪を描く光が見える。
声をかけてきたのは意志の強そうな黒い目に、固そうなもみあげの黒髪犬耳?猫耳?の男性。手に持っている黒い帽子、羽織っている黒いジャケットと、服装からして貴族のようだ。顔は普通の人間だが口を開くと牙が見える。
その隣に金髪を後ろで結い上げた緑の目の女性。尖がった長い耳が特徴的。ベスト状の革鎧は狩猟者だろうか?
もう一人は華奢だが背がやや高く、シルクハットを胸に置き、燕尾服という恰好。その人が話しかけてきた。
「エンジさん、/1 お話し中に/5 連れが/1 失礼しました。/2
私は/1 ドーエク・フロード。/3 この街で/5 商業を/3 営んでる/2 貴族です/01 」
困ったような八の字眉に微笑しているように細められている眼。ベリーショートの黒髪を後ろになでつけ、眼鏡をかけている。
「おお、/6 失礼した。/6 我も/5 自己紹介を/3 忘れていたな。/2
エプヴィル・ガナフドラ。/1 警備会社を/3 運営している/2 この町の貴族である。/1
種族は/1 狼族だ/3 」
「わたくしは/1 ガナフドラ第一警備会社の/5 技師を/3 しております/2 学者。/03 ニスミハ・リアナハテと/3 申します。/2
種族は/1 エルフですのよ/3 」
― 学者か/1
― 動きやすそうな服/3 着てるから/2 /04 狩猟者かなんかかと/3 思った。/2 技師か/1
― 狼/1 と/7 エルフ/1 と/7 眼鏡/1
― プレイヤー陣も/5 急に/6 キャラ/1 濃くなったな/2
― この三人も/1 知り合い同士で/3 /7 ベータ版に/3 来たのかな/2
― エプヴィルさんと/1 ドーエクさんは/1 知り合いじゃないけど/2 /7 仲は良いぞ/3
― エンジ/1 ぼっち/3
― エ、エンジは/1 ぼっちちゃうし/3 、/7 ケビン君も/1 ソロだし/3
― ぼっちゃまに/3 空目/2
― この人?/1 セージド達に/5 エンジを/3 紹介したの/2
― そう/6
― ドーエクさんは/1 /7 あちこちに/5 顔を見せて/2 渡りをつけてる/2 から/04 わりと有名/3
「エンジさん、/1 今/5 お話/3 よろしいでしょうか?/6 」
ドーエクに再びそう尋ねられて狩猟者NPC三人組の方を振り返ると、めいめい口にものを入れて手でどーぞどーぞとジェスチャーしていた。
― 貴族って/1 一般市民には/5/9 原則/6 アンタッチャブルな/2 存在なのかなー/03
― 単に/6 イベントでなければ/5 プレイヤー同士の会話に/3 NPCが/1 割り込まない/2 ってだけだと/03 思うよ/2
― この動作、/1 ユーモラスで/6 好き/2
「エンジさん、/1 この人達に/1 紹介してもらったんです。/2 えーと/6 」
もどってきたセージドが声をかけてきた。
「すまなかった/6 セージド殿/1 /7 我も/5 いたずらに/6 使わぬ土地を/3 持つわけにもいかぬゆえ/2 /04
しかし/7 エンジ殿が/1 土地を/3 見に/2 /04 見ず知らずの者に/3 ついていくとは/2 /03 思わなかったぞ/2 」
― 何で/6 この人/1 こういう喋り方なの/3 ?/6 ロールプレイ/2 ガチ勢/8 ?/6
― 翻訳ソフトの設定で/5 『地位が高い』/6 『強気』/6 みたいな設定/03 してる/2 と思われる/8
「え~!/6 私達の事/3 信用してなかったんですか?!/2 」
「いや/6 信用していたから/2 /04 驚いたというか……/2 /7 貴族の護衛は/1 難しい事は/03 身に染みて/6 知っているからな……/2 /7 無事でよかった/6 」
― もしかして/6 良い人?/1
― 口調で/4 誤解されがち/2 だけど/7 エプヴィルさんも/1 信用第一の/6 真面目な/6 プレイヤーさんだよ。/3
自分が/1 断らざるを得なかった/2 取引が/01 上手くいったか/2 /03 見に来たんじゃないかな/2
「エンジさんが/1 やってることを/3 考えると/2 /7 近々/5 街の近くに/5 広い土地が/3 必要/2 かと/03 思い/2 /7 ご紹介しました/2 」
ドーエクから微笑でそう答えられる。
― なるほど/6 この先読み感で/4 不気味っぽく/3 見えるのか/2
「でも/7 大型の鮫の魔物が/1 生息しているとなると/2 /05 実戦訓練なりで/4 エプヴィルさんにも/5 利用価値の/1 ある/2 土地ですけど/3 ?/6 どうするんです?/6 エンジさんと/5 競り合いでもしますか?/2 」
そしてドーエクはカラッとエプヴィルに話を振った。エンジも思わずエプヴィルを見る。
個人の出資なので会社と競り合いになったら厳しい。
「人が悪いぞ/3 ドーエク/1 /7 うちの会社が/1 エンジ殿から/5 借りる/2 」
土地を借りてもらえれば収入が入ってエンジの金銭的な負担は減るが……。
「エプヴィルさんもエンジさんを手助けできそうなタイミングを計ってたみたいなんです」とドーエクは面白そうに付け加えた。
エンジもそうだが、会社に関わらないことでは個人でお金を出すしかないので、その辺で皆なかなか苦労しているようだ。
― スライム養殖の/9 共同出資とかも/3 してもらえんかね/2
― 今の段階では/5 基礎研究レベルに/5 とどめといた/2 方が/01 いい気もするんだ/3
肝心のセージドとマルシールアはというと、そもそも二人の目的地は森のそばの土地だったという。
しかし開拓地の最前線は遠く、ならばライバルの少ない南に森を探そうとして当てが外れたのだ。
「WotFのルール上/5 土地/3 持ってたところで/2 /05 獲物の/3 独占とかはできないんです。/2 権限は/1 採取制限ぐらいで。/2
俺たちは/5 鮫/1 いらないし/2 。/7 最初の金額に/3 ちょっと色つけてくれたら/2 /05 嬉しいな/2 ぐらいですね/8 」
セージド達が土地を持ってエンジ達が利用する事も提案したが、色々やるのを許可出すのがめんどくさいと断られた。
このゲームでは原則土地所有者が許可しないと土地に建物を建てられないのだ。
四人の話し合いの結果、最終的に、二人はエプヴィルのガナフドラ第一が持っている西の森の側の土地の一部に引っ越すことになった。
エプヴィルとしては前線の拠点に学者と開拓者が居てくれるのは何かと助かるので、持ちつ持たれつらしい。
エンジは土地を購入して、エプヴィルはその土地の一部を演習用に借りる。
商談も終わってセージドとマルシールアの問題は解決した。
「エンジさんも/1 お世話になりました/6 がんばってくださいねー/2 」
「ノチリスノイラ第八運送/1 でしたっけ?/6 贔屓にしますー/6 」
「ノチリスノイラ第八運輸会社であるぞ/1 」
― エプヴィルさん/1 もしかして/6 割とよく/6 エンジの動画/3 見に来てる/2 ?/6
セージドとマルシールアの二人は街から西に向けて旅立っていった。
― 一件落着かー/6
― 結局/6 ドーエクさんの方は/1 何の/6 用事だったんだ/2 ?/6
「そういえば/6 ドーエクさんは/1 今日、/5 何故/6 こちらに/5 ?/6」
「私は/1 水道ですかね/3 」
「水道?/6 」
「私も/1 商業会社ですから/3 /7 荷馬車を/3 利用することは/2 /01 多いんです。/3
水道代を/3 一部負担する/2 代わりに/7 口出しさせていただければと/2 /03 思いました/2 」
― 口出し?/2
「一般には/5 水道の/1 ある/2 ご家庭は/01 まだまだ/6 少ないのでね/3 /7 近くに/5 洗濯場とか/3 小物屋を/3 作って/2 洗剤とか/9 氷とか/9 関連商品を/3 売りたいので/2 /04 お話合いして/4 水道の場所を/3 決めたいのですよ。/2
貧民街から近いのは/5 絶対条件ですが/3 」
― 言い方が/1 不穏!/3
― わざとやってるでしょ/2 この人/1
― お金/3 出してくれるってさ/2
「……収益の目途が/1 立っているなら/2 /05 どうぞよろしくお願いします/6 」
「紙コップの製品化も急がないといけませんねぇ」と立ち去ろうとしたドーエクが、もう一度振り向いた。
「それと/7 お礼です/2 」
「?/6 」
「エンジさんの動画のコメントで/5 狩猟者が/1 余らせた屑魔石を/3 どこかに/5 売りたがっていたので/2 」
― そーいや/6 あったね/2 そんなの/1
「極小魔石バンク/3 始めました/2 」
お店の金庫を格安で貸して、一定期間内に指定の量の魔石を収めた場合は換金に応じ、期間内に量が届かなかった場合は金庫の中身をフロード第十一商業会社が接収する契約だ。
すでに燃料として販売するなど、そこそこに成功しているらしい。
― そんなん/1 できたの/2 ?/6 知らんかった/2
― 利用してるんだけど/2 /7 換金/3 忘れそう。/2 /7 マメな人なら/1 ある程度/6 利益/3 出せると思う/2 /7 ぶっちゃけ/6 募金感覚/3
― レベル/1 低い/3 開拓者としては/01 魔石拾いで/4 収入ができるのは/2 /01 助かる/2 /7 パーティー/3 組まないと/2 /05 魔物の群れ/1 危ないんだもんよ/3
― 魔石を/3 預けると/2 /05 勘合符みたいな/4 手書きの/9 預かり証明書を/3 発行してくれるのな/2 /7 ゲームシステムの枠内で/5 よくやってるよ/2
「スライム養殖が/1 成功した/2 暁には/05 お手伝いさせていただこうかと/2 」
― あ、/6 商業展開を/3 狙ってたのか/2
― 割合に/6 ちゃっかりしてるなこの人/1
― 赤字/3 出さないように/2 /04 工夫してるだけで/2 /7 ぼろ儲けしてるわけではないんだけど/2
「結局/6 プレイヤーは/1 運命共同体の様ですから、/3 今後/5 協力しないといけない/2 場面も/01 ありそうですし/2 」
そう言って、最後にちらっと川の方を見た。
エプヴィル、ドーエク、ニスミハの三人を見送った後、エンジの横では途中からずっとハロウさんがプランプランしている。
「あの/6 ハロウさんは/1 何を/6 してらっしゃるんですか/2 ?/6 」
『個人で/4 土地を/3 持った/2 プレイヤーに/05 土地の利用について/3 解説をさせていただきます/2 』
― 君/1 ずっと/6 待ってたの/2 ?/6
― NPCは/1 /7 会話に/3 割り込まない/2 設計を/03 されてるっぽいね/2