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36 【開拓VRβ版実況9】 普通は砂漠にもってこないもの

※お使いのパソコン・情報端末は正常です。

 セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。


 撥ね上がる大量の砂。浮き上がる重量感のある流線型のシルエット。


「っっっ!?ぎゃ――――――!!!??/6 」

 一番驚いたのは先頭で牙の生えた大口を間近に見たセージドだろう。

 マルシールアが驚いて尻餅をついた拍子にセージドも後ろに倒れた。

 そのおかげで、食らいついてきた魔物が振り回した大顎に殴られずに済んだかもしれない。

 襲撃によって松明代わりに浮かべておいた魔力の明かりが消し飛ばされてしまったが、エンジは魔力感知である程度周囲の状況は把握している。


― ぎゃあああああ/6

― さめ!?さめっ!さめさめさめ!/6

― ぎゃーーーーーーーーーーーーー/6

― 鮫映画/3 じゃねーんだぞ/2 /7 何で/6 砂に/5 鮫が/1 居るんだ/2

 薄暗くなった視界に浮かぶ視聴者のリアクションもセージドと近いものがある。

 実況閲覧サイト、Q3Dの視点切り替えの機能を利用して前に出ていたら至近距離から飛び出してくる鮫にご対面した視聴者が居たのかもしれない。


 エンジは慌てて魔力で明かりをつけ直し、二人の無事を確認した。

「二人とも/1 こっちへ、/5 離れて!/2 」

 膝をつき、手をつきながら、よたよたと立ち上がって簡易キャンプ内に移動してきた。



 簡易キャンプに戻ってしばらく。

「死んだかと/3 思った/2 」

 セージドの感想だが、確かにVRであれは心臓に悪い。

 息を整えながらマルシールアがエンジに声をかけてきた。

「危ないことして/2 すいません/6 /7 私たちも/1 あれは/3 知らなかったんです/2 」


「見れば/4 分かりますよ、/2 びっくりしましたよね/2 」

 例え陳腐なパニックホラー映画といわれる演出でも、VRでは覿面てきめんに効く。


― まぁ/6 事情を知ってる/5 リアクションじゃ無かったよね/2

― 測量の時に/5 噛まれなくて/2 よかったね/6



 開拓VRゲーム。Walkers(ウォーカーズ) on(オン) the() Frontier(フロンティア)。略称WotF。

 魔法のある十九世紀ぐらいの文明のある世界で新大陸を開拓していくゲーム。


 ベータテスターのエンジたちはパーティーを組んで町の南、海岸沿いの岩山と砂漠を見に来ていた。

 夜間になって岩場でキャンプしていたが、妙な気配を感じて砂地に近寄ってみたらあの騒ぎだ。



「いや~/6 すっげビビった/2 /04 ぶん殴りたいなー/2 あの鮫/3 」

― SPC/6

― 鮫だ!殴れ!/6

「あきらめましょう/2 相手に/5 地の利が/1 あり過ぎます/2 」

 視聴者が独自の小ネタを好き過ぎるがエンジはスルーした。


「でもなー、/7 あ/6 」

 セージドは自分の荷物の中から何かを探している。

「あなた/1 そんなもの/3 持ってきてたの……/2 」

「いや/6 海も/1 近いから/2 」

 セージドが取り出したのは。釣り竿だった。

― 釣る気/2 ?/6

― 結構面白いな/3 君/1



 そういった事情で、釣り針のくっついた干し肉が砂の上に放置されて数分。

 砂にも多少の浮力は存在するらしく、釣り針は沈んでいかなかった。


「エンジさん/1 まだ/5 あいつら/1 居ますか/2 ?/6 」

「居ますね/2 」

 相変わらず砂の奥には泳ぎ回る気配。しかし一度たりとも砂上に上がってきていない。

 完全に暇を持て余す実況になっている。コメントもまばらだ。


― これは/1 ボウズの/6 気配/3


― ボーズが/1

― ビョーブに/5

― ジョーズに/6

― ジョーズの/9

― 絵を/3 描いた/2


― 仲いいな/6 お前ら/1


 複数人で一つの文章を作る。暇を持て余した視聴者の遊びにフフッとなったところでセージドに声をかけられた。


「エンジさん/1 ちょっと実験に/3 協力してもらってもいいですか/2 ?/6 」

― なにがはじまるんです/6

― 大惨事鮫殴り大戦だ/6

― 生餌は/1 だめだぞ/2

― 生餌って/1 エンジ?/3

「!?/6 」

 アードットに「食いでのあるスライム」と言われたことが脳裏にちらついたエンジだった。



 夜の砂の上に光る花のようにふわふわと立ち上る魔力の塊。

 その地面には何の仕掛けもない釣り針が横たわっている。


 突然下の砂が吹き飛び巨大な歯の群れが姿を現した。

「いっけえええぇぇ!/2 」

 掛け声とともに巨体が宙を舞い、固い岩肌に叩きつけられる。

 セージドが鮫を釣り上げたのだ。


 ちなみにエンジとマルシールアはかなり後ろの方から見ていた。


― びだぁーん/6

― びたたぁん/6 びたたぁん/6

― おー/6 暴れとる/2 暴れとる/2

― 釣れるもんだねぇ/2

― プレイヤーは/1 力/1 強いんだな/2 やっぱり/6


― それより/6 釣り竿さんだよ/3 釣り竿さん/3

― 釣り竿さん/5 耐久/1 どうなってんだ/3


「やっぱり/6 魔力に/3 反応して/2 近づいてくるんだな/2 」

 セージドが意気揚々と鋤を携え、陸上で暴れている鮫型の魔物に近づく。


― 岩に/3 ぶつかっても/2 /05 生きてんのかよ/2

― 炎に/3 噛みついてきた/2 って事は/05 魔力を感知して/04 襲ってきてる/2 って事でよさげ/8 ?/6

― さっき/5 跳び上がってきたのも/2 /01 魔法の松明の魔力に/3 反応したのかも/2

― 炎/1 熱くないのかい?/3

― 魔力だけ/3 感知してるなら/2 /05 魔物は/1 ずっと燃えてる魔力の塊とか/3 あまり/6 想定してないのでは/2


― セージド君/1 大丈夫?/6 回復薬/1 ある/2 ?/6


 すきで応戦しているセージドだが、確かに反撃されてると一撃一撃が重いらしく。ヒレがかすっただけで痛そうなダメージエフェクトがとんでいる。


 砂から上げられた鮫は大きく動けないから、こちらの攻撃はよく当たる。

 一方で、鮫が大きく身をよじって暴れるたびにヒレや尾びれが鋤による防御をものともせずかなりのダメージをたたき出している様なのだ。


― 遠距離攻撃しとこ、/2 エンジが/1 しばかれたら/2 /05 百パー/5 死ぬ/2


 エンジとマルシールアは魔法を放つ。

 マルシールアの炎は背びれ付近に着弾して鮫に身もだえさせた。


 一方のエンジ。

― エンジ/1 遅くね/2 ?/6

― 感触が/1 水飴だもんな/3


「スピード/3 上げると/05 コントロールが/1 利かなくて。/2 近くに/5 セージドさんも/1 居ますし……/2

 あ、/6 このゲーム/5  FF(フレンドリーファイア)って/1 起こるんですか/2 ?/6 」

「え!?/6 今/5 それ/3 聞きます/2 !?/6 」

「魔法自体のダメージは/1 無いです/2 けど、/7 延焼とか/1 突風に飛ばされるとかは/1 起こりますよ/2 」

― 着弾に迷って/4 鮫さんを/3 じりじり/9 炙るの/2 /03 やめてやれ/2

― あつっ!/3 あっつ!/3 バタバタ/6



「あ~~~/6 意外と/6 強かった/2 」

 釣り上げた鮫を倒せたのはたっぷり夜明け近くだった。倒したのはほぼセージドとマルシールア。

 獲得アイテムは鮫肌や牙などの関連アイテム。

 この世界の生き物の体はほとんど魔素で保たれているが、植物や一部の動物、魔物はこの結合が強く、一部の肉体部分が残るのだそうだ。それは牙だったり爪だったり毛皮だったり筋肉だったりする。


「魔物から/5 とれる/2 魔石って/01 これぐらいなんですか/3 ?/6 」

 一方で鮫の魔物から落ちた魔石は小石ほど。数は多いが、サイズとしては汚水の中くらいのスライムといい勝負だ。

「消耗戦/3 した/2 から/04 小さいですね。/2 魔物が/1 魔石の魔力を/3 ほぼ/6 使い切ったんですね/2 」


 大きい魔石を手に入れるには、魔石に蓄えた魔力を使う余裕もないスピードで倒すなど、少し技術が必要なのだそうだ。

 その技術の腕前によって魔石の価値が大きく変わるらしい。


「狩猟者の人は/1 ジョブ特性で/4 魔石の位置/3 や/7 残りHPが/3 分かるらしいですよ/2 」

 マルシールアとセージドが交互に説明してくれる。

「あと、/7 ものすごく強力な魔物は/1 /7 何らかの理由で/4 使い切らなかった魔力が/01 残る/2 事も/01 あるらしいです。/2 蓄えられたエネルギー、/3 脂肪みたいな物って/3 言ってましたね/2 」

「脂肪……/1 」

 魔力が溜まりすぎてサリーリルカにコレステロール値みたいな注意をされたことを思い出し、ちょっとお腹の皮をつまんでみるエンジだった。


― そこに/5 魔石は/1 たまらないと思うぞ/2


 三者三様、十人十色、一長一短。

 色々なジョブがあって得意な事を生かして生きている。


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