34 【開拓VRβ版実況9】 不毛の地
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。現在ベータ版が稼働している。
魔法のある十九世紀ぐらいの文明のある世界で新大陸を開拓していくゲーム。
エンジ、セージド、マルシールアのベータテスター三人でパーティーを組む。
NPCのいない、全員プレイヤーでのパーティーは初めてだ。
目的は街の南の砂漠地帯の査定。
― あそこは/1 マジで/6 魔物/1 出ない/2
― スライムは/1 波打ち際のごみに/5 たかってるけど/2
― 悲しいほど/6 何もない/3
― 不毛の土地/3
― また髪の話してる?/2
と、視聴者達のお墨付きをもらったので非戦闘職だらけのパーティーで向かう事になった。
念のため、護衛の人に払うはずだったお金で万が一戦闘になった時に必要な道具を買いそろえてもらう。
「中魔石/3 ゲットー!/2
よかったぁ/6 魔石が/1 無いと/2 /05 学者/1 戦闘で/5 なんもできないんだも~ん/2 」
これで土地買ってもらえなくても、せめて西に魔物を狩りに行ける……と、安堵していた。
今回出番がなくとも、魔石は何かしら役には立つのだろう、エンジに土地を買ってもらえると決まったわけではないのもその通り。
― やっぱ貴族は/1 魔法/3 扱いやすいんかな/2 ?/6 エンジ/1 魔石/3 使ってないよね/2
― 能力値は/5 個人差が/1 でかそうでなぁ……/3
視聴者たちが各ジョブの能力値を予想しているが、キャラメイクと能力値の関係が複雑な上にまだ限られた人数しかいないので結論は出ていないようだ。
三人は街の南西の門を通って外に出た。
そのまま左に曲がって町の外壁伝いに南を目指す。
エンジは二人に案内されて、ステッキをつきながら踏み固められた土の道を歩いていく。
外壁の周囲は牧草地帯が広がっている。が、遠く南の方の丘に目を向けると、徐々に地面が赤味を帯びていく。牧草が生えなくなってくるのだろう。
― 往復/9 一日がかり/5 だっけ?/6 この時間だと/5 途中で/5 日が/1 暮れそうね/2
― 他の二人のジョブも/5 デスペナルティみたいなのは/1 無いよね?/3
― 倒されても/5 拠点に/3 戻って/2 復活するだけだぞ。/2 今回は/5 パーティー組んだから/4 第一定都の開拓者ギルドが/1 復活地点だよ/3
それはよかった。安心してやられられる。と、エンジは密かに安堵した。
青い空の下、赤茶けた砂地に轟音が響く。
「あの~、/6 エンジさん/1 怒ってます/2 ?/6 」
「え?/6 何でですか?/6 」
セージドに聞き返したエンジだが自分の魔法の炸裂した痕を確認して何となく合点がいった。
少し強めに放った火の魔法によって遠くの砂地の広い範囲が赤熱し黒焦げになっている。
エンジたちは今、左手に大洋、右手に砂漠を望みながらゆっくりと南下している。
海岸べりはごみが大量に漂着している砂浜。少し内陸に目を向けると赤茶けた岩が乱立する砂の海。西に広がる砂の海は岩が減っていき、風でできた砂山の丘陵が地平線を構成している。
浜辺はけして見通しは悪くないが、岩の群れによって遠く南までは見通せない景色になっている。
機嫌が悪くなったと思われたら申し訳ないので、エンジはセージドに説明した。
「魔力が/1 体に/5 こもっている/2 って/03 言われて/2 /04 練習がてら/6 発散しているんです。/2
ちょっと加減が/1 つかめないだけなので/2 /04 気にしないでください/2 」
「気にしない/2 って/03 ちょ……/6 え……ええ……?/6 これ/1 ……ええ……?/6 」
「エンジさん/1 いいなー、/3 貴族って/1 みんな/8 そんな感じなんです/3 か?/6 」
マルシールアにそう尋ねられるが、うっかりするとエンジの方が二人より世間知らずだ。
「僕は/1 貴族のプレイヤーに/3 まだ/5 会った事が無いんです。/2
NPCの貴族で/5 魔力感知が強い人が/1 居たので/2 、/04 もしかしたら/6 ジョブ特性みたいなのは/1 あるのかもしれません/2 」
「うーん、/6 魔導回路は/1 分かるんだけど……/2 」
マルシールアは魔石は扱えるのだがエンジのような魔法の使い方はしていないようだ。
「その前に/5 リラックスして/2 /7 風を/3 感じる/2 というか……/8 」
― その説明だと/4 ポエムみたいだぞ/3
「うーん……/6 動画で/5 見て/2 、/7 そう言う状態に/3 なる/2 っていうのは/01 分かるんです/2 けどー……/7 」
マルシールアは眉間にしわを寄せる。そういえば他の人の動画を見ていた視聴者が、難しい人には難しいらしいというような事を言っていた。
― エンジ、/1 威力/1 上がったね/2
― 狼を/3 数メートル/5 吹っ飛ばしただけで/2 終わってた/2 頃が/05 懐かしいな/2
― まだ出足の速度に/3 不安がある/2 、/7 近距離だと/5 発動前に/5 潰されるかも/2
変化を指摘する視聴者に解説する。
「僕/1 /7 以前は/5 ほとんど環境中にある魔力を/3 利用してて/2 /7 自分の魔力を/3 使ってなかったみたいなんです/2 」
環境中の魔力とは、最初に魔法を使う時に見えるようになった。風に吹かれるドライアイスの煙のような、微かな魔力の事だ。
以前はその霧を集めて放つ、という事を意識して魔法を使っていた。
「環境中の魔力の操作も/1 上手くはなってるんです/2 けど。/7
自分の魔力を/3 混ぜる/2 事を/03 意識するようにしたら/2 より/7 思うように/6 動かせるようになった/2 という/03 感じです/2 」
威力の違いは一目瞭然だった。
「以前の魔法は/5 強風に巻き込まれた綿飴みたいでした/3 けど /7 自分の魔力を/3 入れた/2 魔法は/01 水飴みたいな/6 感触ですかね……/3 」
― 分からん/2 けど/7 分かった/2
― 何で/6 例えが/1 ちょっとおいしそうなの/3 ?/6
― 普通、/6 自分の魔力の/3 制御/2 から/05 始めるもんでないのか/2 ?/6
― 密度が/1 ちょっと上がった感じ?/3
― しかし/7 平和だなー……/2 /7 魔物に/3 当てて/2 /7 威力を/3 みたかった/2
― マジで/6 魔物が/1 出ない/2
― なんでやろう?/6
― 餌が/1 無いからでは/2 /04 ?/6
― スライム/1 めっちゃ/6 ゴミに/3 たかっとるが/2
エンジは砂浜に打ち寄せられたごみをちらっと見て目をそらした。
― あいつら/1 何で/64 こっち/5 来ないんだろ/2
― 砂浜で/5 干からびるんじゃね/2 ?/6
― 夜/5 たかられたりしないかね?/2
― やだなぁ/2 それ/1
― スライムは/1 海の中の方が/5 餌が/1 豊富と/3 /03 判断して/2 /7 海洋生物の魔物に/3 変化してるのでは/2 ?/6
― しかし/7 マジで/6 生き物も/1 魔物も/1 居ないな/2
― 何かやばい理由とか/1 あったら/2 /05 いやだなぁ/3 /7 ランダムに/6 大ボスが/1 徘徊とか/2
― やめて/2
― エンジ/1 ここ/5 ごみ処理場に/3 どうか?/6
リアル19世紀も/5 散水濾床法とか/1 あったぐらいだし/2 /7 スライムの消化力に/3 期待して/2
「ごみ処理場ですか/1 ?/6 」
視聴者のコメントに思わず聞き返す。
― 待て/2 待て/2 、場所を/3 町中から/5 移しただけじゃねーか/2 ゴミ問題の/9 根本的解決に/3 なってねーわ/2
― 前時代のゴミ処理場に/5 良い印象が/1 皆無/2
― まぁ/6 聞いてくれ/2 、/7 陸に/5 居るなら/2 /05 初心者でも/1 そこそこでかいスライムを/3 狩れるはずだ/2
― あー/6
― 布団サイズは/5 無理でも/3 /7 クッションサイズなら/5 狩れるかも?/2
― それと/7 もしも/6 魔物が/1 来たとき/2 /05 ゴミ、もとい/9 スライムを/3 食べに/2 /04 街に/3 寄ってくる/2 魔物を/03 こっちに/5 誘導できる/2 かもしれない/8
― そっか/6 防衛にも/3 役立つのか/2 ……立つのか?/2
― 町の近くのゴミ捨て場から/5 あふれた/2 魔物が/01 街に/3 殺到する/2 可能性も/03 考えろ/2
― 中世の都市が/5 市壁の外に/5 ゴミ/3 捨ててたら/2 /05 狼が/1 大繁殖/2 っていう話/03 なかったっけ/2 ?/6
― それを言ったら/6 街中で/5 魔物が/1 溢れたら/2 /05 もっとやばいだろうが/6
― 街の近所なら/5 狩猟者が/1 積極的に/6 狩り回ってくれるんでないか/2 ?/6
― どこで/6 資金を/3 回収すんの/2 ?/6 ごみ/3 集めて/2 運ぶのも/2 /01 お金かかるんだけど/2
― 防衛費みたいなもんやろがい、/3 必要経費ってやつ/3
― 売り物にならない小魔石を/3 超低価格で/4 買い取って/2 燃料に/3 回すとか/2
― そんなうまくいくかなー/6
― 土地の買い取り費用/1 と/7 ゴミの運搬費用/1 と/7 魔石の買い取り費用と……/1
― フォンフォンに/5 このプランを/3 実行した/2 場合/05 、買取が/5 いくらで/6 採算取れそうか/2 /03 見積もってもらいなよ/2
― エオフォンファードさんな/1
― エンジ/1 /7 セージド君が/1 チラチラこっち/3 見てる/2 から/04 何か/6 話しなよ/2
視聴者のコメントに気を取られていたとはいえ、確かに強力な魔法を放ったまま黙りこむというのは印象が悪い。