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31 【開拓VRβ版実況8】 実験中止

※お使いのパソコン・情報端末は正常です。

 セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。


 開拓VRゲーム。Walkers(ウォーカーズ) on(オン) the() Frontier(フロンティア)。略称WotF。

 エンジはそのベータ版のテストプレイヤーだ。


 現在、大学でスライムの実験していた所に、外から侵入して来た大きなスライムの襲撃を受けた。

「スライムが/1 魔物に/3 なるとは/2 /03 言われてたけど/2 /7 実際に/6 見たのは/2 初めてだわな/5 」

「食って/4 成長したのか/2 ?/6 」

 エンジの近くに居た狩猟者達が呟く。


 どうやら襲撃してきた大きなスライムは、実験で育てられていた小さなスライム達の魔力を取り込んで一瞬で魔物に変化したようだ。ごみバケツが転がって中身が見えたが、空っぽになっていた。


― せっかく/6 育ててた/2 スラちゃんたちが!/1

 悲痛な視聴者のコメントが届く。スラちゃんと呼べるほどかわいかったかは意見の分かれるところだが。


 近くに居た学者たちは全員遠くに逃げている。


「さて/6 どっちに/3 来るんだ/2 ?/6 」

「バアアァァァ!」

 狩猟者に応えるように魔物がエンジ達に向かって吠えた。


「護衛っつったって/3 /7 アレを/3 止めるのは/2 /01 難いぜ/3 」

 四本足で走ってくる魔物を迎え討ちに、狩猟者の一人が走る。

 剣で叩こうとしたが、躱されたのを見るとすぐに横に避けて突進を避けた。

 狩猟者は追撃しようと剣を振るが、トカゲ型の魔物は思いっきり体をひねって躱す。


― すばしっこい/3

― あれぐらい重心低くて/3 でかいと/3 /05 崩すのも難しいしな/2

― ワニの/9 突進て/03 感じ/2

― 棒/3 持ってても/2 /05 相手したくないな/2

― エンジ/1 魔法/3 構えた方が/2 /01 いいんじゃない/3 ?/6

 エンジの視聴者が冷静に分析している。


 魔物はベクローの前までくると盾を避けて上から攻撃すべく後足で立ち上がった。

「ふんっ!/6 」

 魔物はベクローの盾突撃によって転がされる。すかさず他の狩猟者が追撃するが、魔物はコロコロ巧みに転がって避けた。


「バアアアァァァァ!」

― 怒ってらっしゃる/2

― そりゃあ/6 そこで/5 立ち上がったら/2 /05 そうなるぞ/2


 大学のあちこちも騒がしくなり始めた。

 非常事態に鳴らすようになっているのだろう、鐘がけたたましくなっている。


「旦那は/1 わしの後ろに/5 居てほしいわな。/2

 後ろから/5 変に飛び出されたら/2 /05 捌ききれんわいな/2 」

「分かりました/2 」


 その後は狩猟者達が牽制しつつ、じりじりと木の周りをまわるようなエンジと魔物の鬼ごっこになった。真ん中に居るのは木ではなくベクローだが。

 ベクローは慎重に盾で相手を牽制し、危なげがない。

― エンジ/1 魔法/3 使わないの/2 ?/6

「魔法は/1 集中しないと/5 使えないので……/2 」

「旦那は/1 攻撃せんでいいわいな/2 」


 狩猟者の一人が踏みつけて攻撃しようとしたところ、逆に尻尾で軸足を払われて転倒、尻尾で目を払われて片目を負傷する。

「っ!/6 」

 そのまま飛びかかられてあわやというところでベクローが盾で魔物を弾いた。

「バアァァ!」

「無事かいな/3 ?/6 」

「すまん!/6 」

「下がれるか/2 ?/6 」

「下がるだけならなんとか/2 」

― 無理に/6 攻勢に出ると/2 /05 こうなるのか/3

― エンジは/1 やったら/2 /05 ダメな奴だわ/3


 そこに狩猟者の増援が到着した。大学の鐘をきいて異常に気づいてくれたらしい。



「せいっ!/6 このっ!/6 こんにゃろ!/1 すばしっこいな/3 ちくしょう/6 」

「バァー!!」

 アードットに踏まれまいと逃げ回る魔物、逃がさないように取り囲む狩猟者達。

 エンジもステッキを構えてはいるが、狩猟者達を校庭の端っこの壁の近くから見守るだけになった。


 アードットは大男なので尻尾での足払いも効果が薄いようだ、本人も気を付けて立ち回っているのもある。


― なんだこれ/6

― どっちも/1 決定打が/3 与えられてないね/2

― 暇/3


 そんな中、唐突に魔物が狩猟者の囲みに飛びついた。

「うわっ!/6 」

 すっかり油断していた狩猟者がのけぞって囲みが破れ、魔物はエンジに向かって突進してきた。

「行ったぞ!/2 」

「いや/6 旦那!/1 そこに/5 居ろ!/2 」

 狩猟者が口々に叫ぶがエンジは迷って硬直していた。


 ダンッ!

 と音がして何か大きなものが目の前の魔物の上に降ってきた。一瞬何かが魔物の首のあたりを閃く。

 同時にクリティカルを示す赤いダメージエフェクトが光り、エンジの目の前でぐったりした魔物は徐々に消えていき、爪と大小いくつかの魔石だけが残った。


「で?/6 あんだけ言ったのに/6 魔物/3 逃がしたんすか/2 ?/6 」

 魔物の上に降ってきたのは人を殺せそうなぐらい冷たい目をして大振りのナイフを握ったカーマンだった。


― 魔物より/6 怖い/3



 開拓者ギルドに居るのはエンジとテリューナル教授とその場に居た狩猟者達。


「だから/7 危ない実験だって/3 分かってたんすよね/2 ?/6 」

「ちがわい/6 たまたま/6 学校の端っこに/5 隠れてた/2 スライムが/01 襲って来たんだわい/2 」

 カーマンとベクローが言い争っている。


 目を怪我していた狩猟者の人も居る、幸い傷は浅く、お見舞いの回復薬のお陰か、目に異常も無いようだった。

「俺らも/1 証言しますけど/2 /7 あいつが/1 来るまで/2 /05 実験に/5 危険な様子は/01 ありませんでしたよ/2 」


 そして、裁定するのはギルドマスターでありこの町の領主に近い役割のラッタマーシさんだ。

 大柄の強面に囲まれるちっこいエンジとテリューナル教授は傍から見ていても胃が痛い構図だ。


― これ/1 最悪の場合/5 エンジは/1 BANされるのでは/2

― どうなるんだろうな/6 こういうトラブルは/5


「あー、/6 まとめるとだな。/2

 スライムの成長を/3 観察する/2 実験だった。/01

 そこに/5 たまたま/6 町に/5 入り込んでいた/2 大スライムが/01 襲撃してきた。/2

 急成長したスライムが/1 魔物化して/2 暴れた。/2

 という事で/01 間違いないか/3 ?/6 」


 ラッタマーシさんの沙汰としては、今回はお咎めなし。

 ただし、街中でのスライムを使った実験は今後禁止。教授は街の中で観察する間は今までのサイズ制限を守る事、という事で落ち着いた。


 一方、大学に送る途中、テリューナル教授は意気消沈しているかと思いきや、目がキラキラしていた。

「けして/7 無駄ではありませんでした。/3

 特に/6 あの大スライムは/1 明らかに/6 自身の重量比より/6 大量のスライムと/3 ゴミを/3 取り込んでいました。/2

 条件さえ/3 整えれば/2 /57 スライムの消化力は/1 変化する/2 /7 証左です/6 」


― お/6 おう/6

― マッドサイエンティストオチだけは/1 やめてね/2


 安全な実験方法が見つかるまで、一旦実験は中止となったが、機会があればまた、と、教授は大学に帰って行った。



 教授を大学に送ってから、開拓者ギルドに戻ったエンジの所へ近付いてきたのは見慣れない開拓者。

 上着を腰に巻き、灰色のズボン、黒いノースリーブのシャツ、青灰色の目と銀髪、黒いつば付きの帽子を前後逆にかぶっている若い男性だ。

「エンジさんですよね/1 ?/6 」


 そして彼の周囲を周回するようにたまに走る光。プレイヤーとNPCを見分ける目印だ。

― プレイヤーか/1

― 誰だ?/1

― 毎度/5 毎度/5 君たち/1 名を/3 名乗れ/2

― この人達の実況/3 見たことある/2

― 一方的に/7 知ってると/2 /05 うっかりする/2 気持ちは/03 分かるな~/2


 視聴者ががやがやするので相手に促すことにした。

「はい/6 僕は/1 エンジです/3 が/7 どちら様ですか?/6 」

「あ、すいません。/6

 開拓者の/9 セージドです/1 」

「私は/1 マルシールアです~。/3

 学者やってまーす/3 」


 セージドの後ろから来たのはこれまたプレイヤーの証の光が明滅する女の子。

 肩で切りそろえられた銀のぱっつん髪と青い目。革製の軽装の防具と厚手の布の服を着ている。髪色が似てるせいか、若干兄妹っぽく見える二人だ。


「エンジさん、/1 唐突ですけど/6 土地/3 買ってくれない/2 ですか?/6 」

― マジで/6 唐突だな/6

― こいつ/1 説明/2 /01 へたくそだぞ/3



 セージドとマルシールアはゲーム外でも知り合いらしい。

 二人そろってβテストに参加できたという事で、はりきってNPCを雇い、ライバルの少ない町の南側を測量していった。

 しかし行けども行けども砂の土地。学者のスキルで調べてみたところ、塩害で作物も採れないという。


「本当に/6 何も/1 ない/2 から/04 開拓者や学者のスキルで/4 生産も/1 できないし/2 /7 資金も/1 尽きちゃって/2 /04 困ってるんです/2 」

 セージドはそう言った。

― そんなハズレも/1 あるのか/2

― 初心者だらけの/6 最初の街のそばに/5 それは/1 悪質な罠だろ。/3 説明も/1 不十分そうだし/3

― きちんと/6 事前調査しろ/2 っていう洗礼/01 ?/6

― 測量されてない土地で/5 倒れると/2 /05 キャラロストしかねないでしょ、/2 測量していくしかないでしょ、/2 /04 罠だよ/3


「だから/7 この不毛の土地を/3 買い取ってもらって、/2 せめて/6 運転資金ぐらい/3 回収したいんです/2 けど/7

 さっき/5 他の貴族のプレイヤーの人達に/3 頼んだら/2 /7 断られちゃって/2 」

― 他の貴族のプレイヤー/1 居たのか/2


「でも/7 その人達が、/1 これから/5 ここに/5 来る/2 エンジさんに/03 頼めば/2 /05 買い取ってくれるかもって/2 」

― なんで?/6

― 誰だよ/6 こえーよ/3


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