30 【開拓VRβ版実況8】 スライム観察
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
魔法のある十九世紀ぐらいの文明のある世界で新大陸を開拓していくゲーム。
現在βテスト中。不具合や説明不足をチェックするためにベータテスターに実況を推奨している。
エンジはそのベータ版のテストプレイヤーだ。
ゲーム内では魔力による独自の生態系が形成されており、拠点となる街を守るのは一筋縄ではいかない。
現在、街の汚水で大発生したスライムによって街中の川に魔物の生態系が密かに構築されつつある。
スライムはゴミを分解して魔素を吸収して成長するため、街のゴミ処理をコントロールする必要が出てきたのだが。
「観察開始時の/5 スライムは/1 一律/5 一センチメートルプラスマイナス五ミリメートル/5 五十匹。/5 このスライムは/1 /7 五リットルのゴミと一緒に/5 入れて/2 五日目ですな/5 」
大学の校庭に作った実験場。
テリューナル教授が見せてくれたのは大きめの金属製のバケツの底にドロリと溜まるスライムの群れ。
バケツは小人の教授には大きすぎるので一緒に居た学生さんが蓋を取って見せてくれた。
五日というと現実時間で6時間ほどだ。
たまにしか来れないエンジにも経過を見比べやすいように、一日ごとにバケツを増やして観察を続けているらしい。
― 三日経ったものが/1 こちらになります/3 みたいな/8
― 料理番組の/3
視聴者のコメントが言いえて妙だ。
第一定都大学。
その敷地と学生食堂のゴミを利用してスライムの成長を観察中だ。
スライムがごみを分解するためか悪臭はなかったが……ごみバケツの底にある透明なぶよぶよの群れは控えめに言って生ごみの汁の煮凝りか巨大な複眼。
這い上がろうと、ゆっくりとごみ箱の側面にへばりつくのを見るとぞわぞわしてくる。
― 五日で/5 そこそこ分解できるんだな/2
― わらびもち/1
― だから/7 ゴミと/3 食い物/3 連想させるんじゃねーよ!/2
― ゆっくり/6 這い登ってきてるけど、/2 これ、/1 大丈夫/3 ?/6 寝てるうちに/5 襲われたりしない/2 ?/6
― ※狩猟者の立会いのもとで/05 実験しています/2
― ゴミ箱の蓋の上に/5 漬物石でも/3 置いとけばえんとちゃう/2 ?/6
― 魔物/1 舐められすぎだろ/2
エンジの実況視聴者からのコメントでも散々な言われようのスライム。
しかし、実害がないのも事実だった。護衛に雇った狩猟者達も向こうでカードゲームで遊んでいる。
ちなみに護衛の仕事に来たのは知り合いではベクローのみ、いつものアードットとカーマンは街に出たスライムの捜索をしているらしい。ケビンはずいぶん前から西の開拓地に出ている。
テリューナル教授は分析結果を告げる。
「今の効率では/4 ゴミ処理に/3 耐えませんな/2 /7 速度が/1 遅すぎます。/3
確かに想像を超えたスピードで/6 処理しています。/2 しかし/7 定都のゴミを/3 処理する/2 には/05 足りません/2 」
― あー/6
「広大な土地を/3 使えれば/2 /75 違うでしょうが……/2 」
― そんなものは/1 ない/2 /06
― ノチリスノイラが/1 持ってる/2 河港の土地でも/05 そんな大きくないぞ/3
― 上流に/5 ごみを/3 捨てさせようとするな/2
― どっかに/5 ゴミ捨て場みたいなの/3 作って/2 そこに/3 貯めれば/2 ?/6
― 貧民街に/5 スライムで/4 満杯の/2 用水路が/01 あるじゃろ。/2 それ見る限り/5 無理じゃろ/2
― 前に/5 リアル19世紀/5 人口密集地帯の肥溜めが/1 パンクした/2 話/03 したよね/2
― なにそれこわい/6
― 資源化とか/1 そう簡単には/6 いかないか/2 /7 やっぱ/6 ゴミ処理は/1 焼却場かなぁ/4
― いくら/5 かかるんだよ……/2 /7 絶対/6 ノチリスノイラで/5 処理できないだろ/2
― 無駄骨って/1 精神的にきつい/2
― 基礎研究って/5 そういうところが/1 あるから/2 /04 真っ先に/6 予算/3 削られるよな。/2 目先の利益だけ/3 見てたら/2 /05 やってられない/2
― しかし/7 NPCの/3 使い/2 処が/01 分かったな/2 /7 研究は/1 絶対に/6 NPCの助けが/1 ないと/2 /05 できない/2
― なんで?/6
― 絶対って事はない/3 けど/7 日数の/1 かかる/2 観察とかだと/05 プレイヤーには/1 無理/3
― この世界の/5 一日が/1 八十分だから/3 /7 二十四時間で/4 十八日/1 経過する/2 /7 プレイヤーが/1 毎日/5 六時間/5 ログインしても/2 /05 残りの十八時間で/4 十日以上/5 不在にしてることになる/2
― スライム/1 干からびるな/2
― じゃあ/6 プレイヤーが/1 野菜/3 育てようとした/2 ときさー……/05
― 放っとかれた/2 作物が/01 死ぬな/2
― たまごっ○かよ/3
― 世話してくれる/2 NPC/03 雇わないと/2
成長の最適環境が分かればあるいは……と、呟きながら、テリューナル教授は熱心にスライムの大きさを測っている。
教授が見えるようにミーレ君がごみ箱を傾けていた。
― そういえば/6 でっかい方のスライムは/1 どうなったんだろう?/6
― 狩猟者が/1 警戒してる/2 けど/7 まだ/6 見つかってないよ/2
― エンジ/1 魔物を/3 感知できるなら/2 /05 街中のスライムを/3 探してみたら/2 ?/6
「そういえば/6 僕は/1 一度も/6 探してませんね/2 」
― 最初の夜に/5 どつかれたっきりだな/2
エンジは魔力感知をやってみた。
教授達の周りやゴミ箱の中のスライムの様子など、魔力の密になっている場所が知覚できる。
― スライムって/1 本当に/6 かすかな魔力を/3 かき集めて/2 生きてるんだな/2
― はかない……/3
その状況で周囲を見回してみる。
警備の狩猟者、遠くを連れ立って歩く学生達。
「?」
校庭の隅を走る側溝の中にやたらと魔力の高い場所がある。
― 誰かが/1 魔石でも/3 落としたんだろうか/2 ?/6
― ゲームの定番だよね/1 そこそこの/6 アイテムが/1 なぜか/6 地面に/5 落ちてる/2
エンジは側溝に近寄ってみた、木の板で蓋がしてあるのでステッキでちょっと持ち上げてみる。
その途端、なんだか粘性の透明な液体が溢れてきた。
「え?/6 」
― え?/6
― なんじゃこりゃ/6
― 埋めろ/2 埋めろ/2
エンジは液体に触れないように後ずさりつつ慌てて蓋を戻そうとするが液体は溢れてくる、そして魔石が滑り出てきたところでようやく理解した。
― これ/1 スライムだー!/3
― エンジ/1 逃げて!/2
― 何で/6 教授や/1 人魚のお嬢さんが/1 気付かねーんだ!/2
― 常に/6 アンテナ/3 張ってるわけじゃないでしょ/2 /7 エンジだって/1 今/5 見つけたし/2
気付くとエンジは壁際に追い込まれていた。
異常に気付いた狩猟者が駆けてきている。
スライムはエンジを攻撃しようと鎌首をもたげるように伸びあがり……背後に駆けつけて来た狩猟者たちの攻撃をすり抜けて狩猟者の背後に滑り出した。
「ほあ!?/6 」
攻撃を避けられたベクローともう一人の狩猟者がつんのめって止まる。
― フェイントだと!?/6
― スライム/1 速くね/3 ?/6
― エンジを/3 攻撃するように見せかけて/2 /7 すり抜けたって事/2 ?/6
― この悪知恵の回り方は/1 あのスライムぽい/3
スライムはそのまま一直線に教授たちに向かっていく。
「先生方!/1 逃げろ!/2 」
狩猟者の一人が叫んで駆けだすとバケツを観察していた教授と学生達も気付いて一目散に逃げだした。
ミーレ君が教授を脇に抱えて走っていくところを見るとNPC間の接触はそこまで制限されてい無いようだ?
― 流石/6 危機管理能力は/1 高くていらっしゃる/3
大スライムはバケツの群れにつっこんで派手に蹴倒し、バケツの中に居た小粒のスライムがこぼれる。
そのスライム達を包み込み、握りつぶすようにぐっと圧縮すると、大スライムの塊は一瞬で黒っぽく濁り形を変え始めた。
「なんだ?/6 」
追いかけていた狩猟者が異常に気付いて足を止める。
そのスライムだったものは濁ったような咆哮をあげた。
エンジ達が遠巻きに見ている前で、空になったゴミ箱の間から現れたのはどす黒い紫のトカゲだった。




