22 【開拓VRβ版実況6】貧民街
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
汚水に浸かりながら何かを探すようにゆっくり動く子供たち。
― ええええええええ/6
― わあああ/6
― ぎゃあああ/6
― 落とし物でもした/2 ?/6
― 助けろ/2
「大丈夫っすよ。/6 いつもの/5 事っす/01 」
阿鼻叫喚の視聴者と顔色の悪いエンジとは対照的に、冷静すぎるNPCのカーマン。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
現在、不具合や説明不足をチェックするためにベータテスターに実況を推奨している。
この世界では魔力の食物連鎖によって魔物が街に寄ってくる。
エンジは開拓者ギルドの狩猟者たちの助けを借りて貧民街のゴミ事情を調査に来ていた。
そこに現れたのが汚水とスライムだらけの用水路に浸かる子供達だ。
肩まで汚水とスライムに浸かったその子達はしばらく水の中をウロウロしていたが、岸に向かってきた。
が、しかし、手に何か握り込んでいるようで上がるのにもたついている。
「大丈夫?/6 」
水中の子を抱き上げたのはケビン。
調査について来てくれた、エンジと同じプレイヤーだ。
「あ、ありがとう/6 」
言葉が通じなかったせいだろうか、ケビンに一瞬びっくりした顔をしたその子だが、素直に抱き上げられた。
VRとはいえ汚水とスライムまみれの子を抱え上げ、スライムを払い落としてあげているケビンを心底すごいと思う。
「え……/6 えっと/6 清潔なお水とか……/3 」
「水は/1 開拓者ギルドまで/5 汲みに行くしかないわな/2 」
「ギルドマスターのお情けで/4 使わしてもらってんだけどよ/2 」
「旦那には/5 無理っすよ/2 あーゆーのは/3 」
エンジの心の内を見透かしたかのようにカーマンが声をかけてくる。
思い切ってカーマンに聞いてみる。
「いつもの事……/3 なんですか……?/2 」
「水中にいる/5 そこそこの大きさのスライムの魔石を/3 採るんすよ。/2
くみ取り杓/3 突っ込んだところで/2 /05 濁ってて/4 見えねーし/2 /7 使える大きさの魔石/3 持ってるような/2 スライムには/01 逃げられるし/2 /7 手探りで/4 魔石/3 掴み出すしかないんすよ/2 」
あぐらをかいて足の指の間のスライムを取り除いている子の影には、少し大きめのビーズほどの赤い石がいくつもあった。
「子供が/4 狩れる/2 大きさのスライムの/09 魔石は/1 とてもじゃないが/6 売り物に/3 できる/2 もん/03 じゃねぇんだけどな/2 」
「炊事の/9 燃料とかに/3 使って/2 家計を/3 助けてるんだわ。/2 街の外に/5 木切れ/3 拾いに行くのは無理だわな/2 」
「魔物の襲撃が/1 あるんで/2 /04 開墾したばかりの村には/3 連れてけないんすよ/2 /7 子供が/1 多いのは/3 /01 そういうわけっす/3 」
― 親/1 街の外に/5 居るの/2 ?/6
― 街中で仕事してる人も/1 多いんじゃないかな/3
― てゆーか/6 こいつらと/3 貧民街の関係/01 何?/6
― 向こうから/4 教えてもらうまで/2 /05 聞かんほうがいいやつじゃないか/2 ?/6
― 同じ言葉が/1 通じるとか/2 /7 同郷のよしみで/4 母国から離れた土地で/5 互助組織が/1 形成されることは/2 /01 多いけどね/3
― 外国に/5 日本人街とか/1 あるもんな/2
― 何で/6 子供達と一緒に/5 スライム/3 汲み取りとか/2 /7 薪拾いしねーんだよ/2 /7 ギルドで/5 酒/3 飲んでる/2 場合/05 じゃねーだろ/3
― 機会費用/3
― ここで/5 スライム/3 拾ってたら/2 /05 エンジの二万クァンの依頼を/3 受けられなかったな/2 つまり/7 そういうことだ/3
― 全員で/5 酒/3 飲んでなくてもいいじゃん/2
― ヒント:/6 依頼を/3 出すのは/2 /01 エンジだけではない/3
― いつ/5 どんな/4 依頼が/01 来るか/2 /01 分からないんだから/2 /04 収入源である/3 ギルドに/05 居るべきかな/2
― 前に/5 エンジが/1 ちらっと/6 外/3 歩いた限り/2 /7 街の周辺は/5 草原で/5 魔物/1 ほとんど/6 いなかったろ/2 /7 外に/5 薪拾いや/2 狩りに行くのも/2 /01 効率悪くなってるんだと思う/3
何か思う所があったのか、視聴者が一斉に喋り出す。
― 炭鉱で/5 小さな石炭/3 拾うみたいな感覚か/2
― 病気に/3 なるだろ/2 こんなん/1
― こういうの/1 ダメ/3 ……小さい子が/1 辛い/3 奴/01 無理/3……
― 強い魔物ほど/5 魔石が/1 大きい/3 とかそういう感じ?/6
― ストリートチルドレン?/6
― あー/6 ……19世紀は/5 児童労働とか/1 多かったね……/3
― 生物濃縮とか/4 討伐難易度とか/4 考える/2 に/05 強い魔物ほど/5 魔石/1 大きい/3 んじゃないかな?/6
― まさか/6 阿片禍まで/1 再現してないだろうな/2
― 誰だよ/6 十九世紀が/1 黄金時代とか/03 言った/2 やつ/01
― こういう魔石とかを/3 貴族が/1 採算度外視で/4 買い上げたりして/2 なんとかするもんじゃないの?/6
話題が混ざって会話していると混乱必至だ。
― 二十世紀近くで/5 ようやく/6 義務教育とか/8 福祉も/1 充実してくるんやで/2
― 子供の労働力も/1 必要だった/2 時代、/05 今が/1 珍しいんだよ/2
― 中毒描写は/1 無いと思うよ/2
薬物乱用の描写があると/05 一気に/6 対象年齢が/1 上がる/2 国が/01 あるから/2
― 中毒以前に/5 虐待も/1 禁止表現ですぅー!/3 児童労働は/1 虐待ですぅー!/3
― 歴史的に見て/4 儲かると/3 思われたら/2 /05 余計に/6 子供が/1 働かされる/2
― リアル十九世紀は/5 手織り職人とかが/1 機械に/4 仕事/3 とられて/2 /7 手取りが/1 どんどん/6 減ってた/2 から/04 むしろ/6 子供も/1 家計の為に/4 働きに出てたの/2
― そんなとこまで/3 再現せんでも……/2
― 落ち着こう、/2 そもそも/7 ゲーム中の/5 不特定多数の一般市民に/05 採算を/3 計算して/2 行動するような/2 厳密な思考を/03 組んでる/2 かね?/6
― 義務教育が/1 福祉/3 と/03 言われる/2 と/7 もやっとするわ/6
― NPCが/5 貯蓄や/9 消費などの/9 数字が/1 最大になるように/3 /04 行動パターンを/3 組まれてる/2 場合/05 、/7 買い取りを/3 始める/2 と/05 児童労働の/3 推奨になるな/2
― 表現と精神衛生の関係なんて/5 現状/5 エビデンス/1 ないでしょ。/2 なんとなーくで/4 良い悪い/3 決めてるだけ/2
それこそ/6 肉は/1 こってりしてて/3 体に/5 悪い/3 から/04 子供は/1 ヘルシーな炭水化物だけ/3 食べろ/2 とか/03 言ってた/2 十九世紀の栄養学レベル/03
― 何でゲーム中の出来事にそこまで真剣になれるの?/6
― 君の所は/5 そういう/3 教育/01 だったんだろ、/2 ご愁傷さま/6 >もやっと/5
― リアル19世紀でも/5 学校を/3 知らない/2 大人が/01 教室の真ん中で/5 鞭/3 持って/2 /7 授業時間が/1 終わるまで/2 /05 子供たちに/5 ひたすら/6 動かず/2 喋らず/2 っていう状態を/03 維持させてた/2 って話/01 あるからな/2
― 思考実験は/5 真剣に/6 取り組まな/2 /05 おもしろくないやろ/6
― よりシニカルなこと/3 言った/2 やつが/01 優勝/3 ってゲーム/03 してるんなら/2 /05 ゲーム会場/3 間違えてるよ/2
― マシな/9 児童労働現場が/1 叩かれたせいで/2 /04 よりアウトローな/9 労働に/3 就かざるをえない/2 っていうパターンが/01 何度も/6 あったから/2 /04 単純な一律禁止は/1 あかん/3
― エンジは/1 どう/6 思う/2 ?/6
「旦那、/1 大丈夫っすか/6 ?/6 」
「え、えっと/6 」
雑多に混ざった視聴者の話を聞いて尚更考えがまとまらない。
「慎重にやらないといけません/2 が/7 ……何とか/3 したいと/2 /03 思ってます/2 」
はぁ……とアードットがため息をついた。
「ここには/5 ルールが/1 変わったら/2 次の日には/05 飢え死にする、/2 /7 本当に/9 綱渡りの/6 生活をしている/2 奴らも/01 いるんだ。/2 頼むから/2 余計な事は/3 しないでくれよ/2 」
べクローがぽつりと漏らす。
「……そうさな/7……昔/5 馬車道に/5 木が敷かれた時/5 靴が無いせいで/4 ささくれた木で/4 怪我して/2 ひどく膿んじまって/2 /04 足が/3 不自由になった/2 子が/01 いたわ/2 」
「……旦那の家/3 引っくり返したって/2 /05 ここに/5 住む/2 やつら/03 全員/8 救う/2 には/05 足りないっすよ/2 」
カーマンが背を向けたまま呟く。
「旦那は/1 精々/6 俺らに/3 羽振り良くしといてください/6 、/7 手の届く範囲は/5 俺らが/1 守るっす/2
……気持ちは嬉しかったっすよ/6 」
― まだ/5 信用されてないんだな/2
― 貧困の/3 解消/2 とか、/01 裕福な若造の/4 戯言だもん。/3 むしろ/7 青臭さを/3 笑わないし/2 /7 立場に/3 理解のある/2 良い奴ら/01 だと思うよ。/6
― この環境/3 考えると/2 /05 開拓者ギルドで/5 魔法の練習したいって/3 言った/2 時に/05 殴ってこなかった/2 時点で/05 紳士だって/3 分かるだろ/2
― 普通/6 魔法の練習には/5 魔石が/1 必要だからな/2
― それで/4 あの態度だったのか……/3
― 中に/5 人/1 入ってない/2 ?/6
― 三人組の中には/5 たまに/6 人/1 入ってる/2 気がする/6
― 自動翻訳にしては/5 独特な言い回しが/1 あるんだよな/2 、/7 どっかの国の/5 慣用句/1 かね?/6
― NPCの妙な言い回しは/1 レーティングの暴言判定/3 回避/2 だと/03 思う。/2 /7 中には/5 誰も/1 いませんよ/2 /06
また視聴者のコメントが騒がしくなってきた時に話しかけてきたのはケビンだった。
「エンジ、/1 僕たち/5 囲まれてる/2 ?/6 」
エンジが周囲を見ると板塀の隙間から人が見え隠れするような……エンジよりも狩猟者の4人の反応が圧倒的に速い。
「てめぇら!/1 どこのモンだ!?/6 」
アードットが吠える。
「旦那、/1 さっさと/6 その子達と/5 下がるんだわ/2 」
べクローが前に出る。
「やられないっすよ、/2 護衛としての/5 メンツが/1 かかってるんでね/2 」
カーマンがダガーを両手に構えると、見知らぬ男たちが周囲から現れた。




