180 【開拓VR実況】 お騒がせな毛玉
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。
開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。
「……というわけなんです/2 けど/7 どうしましょうか/4 エプヴィルさん/1 」
「前に/5 山のふもとで/5 会った時は/2 /05 悪さしてくる/2 魔物じゃなかったんです。/03 エンジさん/1 」
第一定都の開拓者ギルドでイドレードとオージハッドから連絡を受けたエンジ達が顔を見合わせる。
「魔王様なら/1 言葉が/3 分かると思うんですけど……/2 」
「きゅい」
「棲家の大まかな位置を/3 突き止められまいか?/2 /6 どう/4 対応するにしても/2 /7 居所が分からなければ/5 始まらん/2 」
「野生動物は/1 下手に縄張りに/5 入ると/2 危険です。/6 その魔物は/1 以前/5 街を/3 襲撃してきたこともありますし/2 」
エンジやエプヴィルの提案、ドーエクの注意を受けてパークサズラムが方針をまとめる。
「というわけだ/7 慎重にやってくれ/2 無理はしないでいい/2 」
北西の平原の更に北、山岳地帯に分け入った第一定都の調査隊。
夜、以前北西の街を壊滅させた魔物の小型のものに襲撃された。
今のところ被害はロアセフィの腰に吊るされていたランプだけだが。
「いや~/6 危ないところだった。/5
夏だったから/5 この程度で/6 済んだけど/2 /7 冬だったら/5 尻が/1 二つに/6 割れてたね/2 」
本人は至って元気だが、その魔物の巨大なやつは同じ氷結魔法で狩猟者を壊滅させた前科がある。
「というわけで/6 魔物の/3 捜索です/2 」
朝になってイドレードが号令をかける。
「え/6 山狩り/2 ?/6 」
調査メンバーがざわつく。
「オージハッドさんに/4 探してもらうんで/2 」
「はい/6 ちょっとだけ待っててください。/2 /7 できれば静かにしてください/2 」
オージハッドが目をつぶる。
「何/3 やってんだろ/2 ?/6 」
後ろの方でひそひそっと話す狩猟者達が居る。
「ノチリスノイラ第八の人だから/4 魔力感知が/1 高い/3 」
「それって/1 社長のエンジだけじゃないの?/3 」
「運輸会社の特性が/1 風読み。/3 魔力を/3 薄っすら/6 感知できる。/2
普通は/6 すっごく集中して/2 /05 ようやく/6 感知できるぐらいだから/2 /7 エンジさんは/1 やっぱりすごいんだけどさ/3 」
「エンジは/1 製品版で/5 若干/6 ナーフ/1 入ったっぽいけどな/2 」
「カーマンが/1 箱庭ゲームで/4 気配/3 感知してたのは/2 /01 エンジが/1 たびたび雇ったせいじゃねーかと/2 」
「三人組で/5 気配感知したのが/1 カーマンだけってなると。/3 やっぱ/6 元から/5 向き不向きはあるのかな。/3 /7 魔石なしで/5 魔法/3 使ってたの/2 エンジだけだったし/1 」
「ハロウさんの説明/3 聞くと/2 /05 魔石なしで/5 魔法/3 使えるようになる/2 」
「そーなの!?/6 」
「しー!/6 」
「ハロウさんが/1 表示する/2 あの説明画像を/03 見た時の/2 /05 認識パターンを元に/4 使いたい魔法とか/3 軌道を/3 識別してるぽい/2 」
「使えるようになるのは/1 自分の魔力だけだよ。/3 あのやり取りで/4 いきなり/6 魔素支配能力/3 開花したのは/2 /01 エンジ個人の特性/3 」
「βプレイヤーの何人かは/1 エンジの動画/3 見て/2 /7 ハロウさんに/3 直接/6 聞かなかったから/2 /04 魔石無いと/5 魔法/3 使えんかったみたいね/2 」
「ハァ?/6 」
「そんなの/5 最初の動作確認部屋とかで/5 レクチャーすればいいだろ!/2
俺/1 ちょっと/6 運営に/5 文句/3 言ってくる/2 」
「最初から/5 情報量が/1 多すぎると/3 /05 めげるからじゃないかなぁ/2 」
「ちゃんと使えた人も/1 多いぞ。/3 /7 威力低すぎて/4 魔法って/3 気付かなかっただけ/2 」
「あれで/4 使える/2 魔法って/01 エンジが/1 最初の頃に/5 やってた/2 しょぼいやつだぞ。/03 /7 エンジの雷撃は/1 魔素支配能力と/4 時間があったから/4 成功しただけだ。/2
普通なら/5 精々/6 ちょろっと風が吹いて終わる/2 」
「魔導回路ないと/5 驚くほど/6 効率悪いんだよ/3 」
「文句言うなら/5 ビブラートに包んで/4 頼む/2 」
「う~~~ん~~~え~~~い~~~し~~~ご~~~と~~~し~~~ろ~~~/6 」
静かな棒読みながら、それでいてビブラートの利いたパッヘルベルのカノンの旋律で、オージハッドが吹いた。
「あー/6 そこの後ろの人達/5 魔力感知中の/5 コントは/01 ご遠慮ください/2 」
「聞こえてた!/2 」
イドレードに注意されてしばらく静かになる面々。
「でも/7 エンジも/5 相変わらず/6 生産系の魔法が/1 全然だめだし/3 /7 攻撃系も/1 時間かかる。/2 ミルフマさんは/5 補助の道具がないと/5 魔法使うのが/1 難しいんだって。/3
魔法特化って/3 言っても/2 /7 単純じゃないみたい/2 」
「魔力が/1 大きいと/3 /05 コントロールが/1 難しくなるとか/2 」
「このゲーム/5 うまく万能な組み合わせって/1 ないもんだね/2 」
「個々人のキャラの短所を/3 補いあう/2 設計思想っぽいし/03 」
目を開けたオージハッドが一方向を指した。
「多分/6 あっちの方です/5 」
「ぴぃ」
「ぴゃっ」
白い毛玉がいっぱいいるのは切り立った山の北側。
山影に大きな洞窟があいていて、夏だというのに近くには万年雪が残り、毛玉は思い思いにくつろいだり遊んだりしている。
調査隊一行はかなりの距離を開けた茂みの中から、双眼鏡でその様子を見ていた。
「やっぱり/6 暑さには/5 弱そうですね/3 」
「いいな~/6 涼しそ~/6 」
「夜になると/5 現れるのは/2 /01 そのせいかな/4 /7 涼しくなると/5 行動範囲を/3 広げるのかも/2 」
「あの洞窟内に/5 でっけーのが/1 居るんだと思う?/2
それとも/7 ちっちゃいのが/1 くっついて/2 巨大化したりするんだと思う?/2 」
「どの道/6 刺激するのは/2 /01 危ないな……/3
棲家も/3 見つけたし/2 /7 帰ろうか?/2 」
「了解。/6 学者さん誰か/1 目印のために/4 測量ポイントを……/3 」
と、イグドナとエフジドルダが振り向いて硬直した。
「ロアセフィ……/1 うしろ/5 」
「ん?/6 」
二人の視線の先、後方組でまとまっていた所のロアセフィの背後。
「ぴや」
「おっす/6 」
とりあえず、という感じで背後に居た毛玉に返事を返すロアセフィ。
こういう時は肝が据わっていて大騒ぎしたりしないので助かる。
長い沈黙が流れる。
魔物の大きさはほぼ球体の毛玉で直径五十センチぐらい。能力はおそらく吹雪のブレス。身体能力は不明だが、かなりすばしっこい。
「ぴ」
「ん?/6 ああ/6 尻は/1 無事だぞ/3 」
その後も「ぴぃ」とか「ぴゃあ」とかの声に適当に相槌を打っているロアセフィを皆で見守る。
「……敵意を/3 持ってない?/2 」
「じゃあ/6 何で/6 攻撃されたんだろう?/2 」
皆で色々と思い返す。
「……ロアセフィさんに/5 火が/1 点いてると/2 /03 誤解されたのでは/2 ?/6 」
「ぴやっ」
「ぴやぴやっ」
氷をプレゼントしたり、ランプの灯りを点けてみたら驚いて逃げられたりしつつ、またなだめたりして数十分。
今は数匹の魔物が氷を齧りながらそばでくつろいでいる。
どうやら人間には炎が必要だという事を理解してもらえたようだ。
「この魔物は/1 ジリスが/1 モデルかな?/3 /6 穴を/3 掘ったりする/2 ?/6 」
「ぴや」
学者が至近距離で毛玉の魔物を観察できるようになってきた。
とっぷり日が暮れた中、調査隊の一行は白い毛玉に囲まれている。
野営地の側には松明を点けているのだが……。
「ぴやっ!」
不意に現れた小さい毛玉が一声鳴くと、いきなり吹雪で焚火を吹き消した。
「ぴやっ」
「ぴややっ」
「ぴやっ」
「ぴやっ」
ぴやぴや騒がしい暗がりの中、慌てて開拓者たちが火を点けなおすと、一匹の毛玉がすまなそうな顔をして他の毛玉に囲まれている。どうやら毛玉内で情報が周知されていなかったようだ。
「情報の周知/1 大変そうだなぁ……/3 」
「言語っぽいものが/1 あるのかも/2 /03 よく分からないし……/2 」
「すまなそうにしてるから/4 情報を伝える方法は/1 あるんじゃないかと思うけど/2 」
「テレパシーみたいなので/4 一斉に/6 伝わるとかじゃないんだ……/2 」
「新聞なんて/1 ないだろうし……/2 」
「絵を/3 渡す?/2 」
「イブンカコミニュケーション/6 」
「立体物とか/3 」