177 【開拓VRβ版実況40】 さよならまた
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
※洪水、浸水などの表現に敏感になっている方はご注意ください
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。
開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。
現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。
そして今はベータテストが終わる直前だ。
津波が来ても避難場所になるようにと高台に作った灯台。
水浸しになった第一定都を抜け、戦闘に参加していた人たちの多くはそこに集まっていた。
午後も遅く、もうすぐ夕焼けに染まる前という感じだ。
「砕け散った/2 魔石は/3 なるべく/6 回収してください/2 /7 別の魔物が/1 寄ってきてしまう/2 」
ドーエクが指示を出しているのは砕け散った巨大な魔物の魔石の事だ。
「暗くなる前に/5 農園に/5 避難してくれ。/2 /7 夜間の作業は/1 危険すぎる/3 /7 汽車は/3 手配してあるからな/2 」
パークサズラムが避難について説明している。少し向こうでエプヴィルが社員に予定を説明していた。
「警備は/5 無事だった者で/1 ローテーションを/3 組んでもらう。/2 /7 回復薬の在庫は/1 西の河港から/5 順次/6 輸送してもらう予定だ/2 」
「しばらくは/7 農園を/3 拠点にして/2 復興してちょうだい/2 /7 無理そうなら/5 第一定都は/3 放棄してかまわないわ/2 」
イオナが声をかけると、ジェンシールやミルフマも声をあげる。
「第二定都にも/5 受け入れ態勢が/1 あります/2 /7 困ったら/5 相談してください/2 」
「西の河港も/1 大丈夫ですよー/3 」
第一定都の商店などは受け入れ先がないと大変だっただろう。
そのそばでウォンバーネフが辺りに注意していた。
「怪我人は/1 もう/6 いないかい!?/2 /6 病院船も/3 使えるからね!/2
洪水の後は/5 衛生環境が/1 悪くなるから/3 /7 手洗いをしっかりして/2 /7 食べ物/5 飲み物には/5 なるべく/6 火を/3 通すんだよ!/2 エマヒージさんのいう事を/3 よく聞いてね!/2 」
「ちゃんと注意しとくから/2 /7 心配いらないよ/2 ウォンバーネフさん/1 」
「貴族は/1 やる事が多くて/4 大変だなぁ/3 」
イグドナがぽつりとつぶやいた。
他のジョブの人達は個人的に親交のあったNPCに別れを告げているぐらいだ。ケビンがオージハッドを挟んでアードット達とやり取りしているのが見える。
ウェンカとリスジェイアが大学の学生や教授たちに挨拶しているのが見えた。
エンジはエオフォンファードさんと今後の確認をしていた。
「では/7 エンジ様/1 ご確認をお願いします。/2
しばらくは/5 ノチリスノイラ第八は/1 第二定都に/5 拠点を/3 移します。/2 第一定都に戻るタイミングは/1 任意。/3
まずは/5 定期便の/3 早期再開を/2 目標に/03 /7 第一定都の/3 復興の支援を/2 /03 継続します/2 」
「よろしくお願いします。/6 瓦礫も/3 運ばないといけないし。/2
建物を/3 修理するための/2 /04 建材とか/1 食料とか。/1
輸入しないと/5 賄いきれないと思います/2 」
第一定都がめちゃくちゃになってしまった場合、大きめの港湾が第二定都にしかないのであらかじめ決めておいたことだ。
供給が安定してきたとはいえ、本国の物資がないと不足するものも出てくる。
イオナの農園と第一定都の定期便も水路が復活するまで難しい。魔石もあらかた使ってしまったため汽車を定期的に動かすのも難しいだろう。
しばらくは馬車での移送がメインになるかもしれない。
― まぁ/6 正規版は/1 この世界/3 全リセットされてるかもしれないんだから/2 /04 そこまで/6 面倒/3 見なくてもよくね?/2
― お前/1 今/5 それ/3 言う/2 ?/6
視聴者のコメントが重くのしかかる。
そう、ベータ版のこの世界は消えてしまうかもしれないのだ。
街も、人も、思い出も
エンジが第一定都を眺めた。見慣れているはずの街角、ボロボロになりながらも建っているレンガの壁が半分水に浸かっている。
― 最後の最後に/5 魔物のどでかい魔石が/1 エンジの間近に/5 降って来た時が/2 /05 一番ビビった/2
― 魔石の破片/1 飛び散ったからな/2
― 三人が居なかったら/5 普通に死んでた/2
― 何で/6 執拗に攻撃されるんや/2 ?/6
エンジ/1 今回は/5 大したことしてないのに/3
― 最後の方で/5 魔物の防壁/3 ちょっといじったのが/2 /01 気に障ったのかもしれん/2
― あの妨害/1 役に立ったのか?/3
― さぁ?/6 乱戦だったし/3
― 魔力を/3 補給しようとして/2 /04 魔力に余裕のあるエンジに/3 向かってきたのかなって/2
不意にエンジのそばに長身の男性が立った。大きい姿に戻った魔王様だ。
「エンジ/1 私は/1 森に/5 戻るよ。/2
エンジやミルフマみたいな魔力の強い人たちが/1 いなくなると/2 /05 街の人たちが/1 危ないからね/3 」
「魔王様……/1 ありがとうございました/6 」
「また/6 森に/5 遊びに来てね/2 」
ふわりふわりと水に浸かった瓦礫を渡り、魔王様は帰って行った。
エンジは大学の皆と少し話す。こちらには主に学者の人が集まっていた。色々交流があったらしいドーエクも居る。
「ミーレ君/1 先生たち/1 お世話になりました/6 」
「こちらこそ/6 お世話になりっぱなしですよ/2 エンジさん/1 」
「大変興味深い出来事を/3 ありがとうございました/6 エンジさん/1 」
あまり出席していなかったにもかかわらず名残惜しんでくれた。
「少し/6 長く/6 不在になるのでしょう?/2 /6 体に気をつけて/2 /7 早く帰ってきてね/2 」
「サリーリルカさんのお陰で/4 助かりました/2 」
「まさか/7 あの巨大な魔物を/3 倒せるとは思わなかった/2 /7 私も/1 助かったの/2 /7 おあいこね/6 」
ギルドの面々とも顔を合わせる。こちらには狩猟者や開拓者が集まっていた。
「祝杯挙げる/2 時間が/01 ないのが/2 /01 残念だな/3 」
「ラッタマーシさん……/1 」
「さっさと/5 戻ってこいよ/2 /7 うちの売り上げと/3 街の復興に/3 貢献しろ/2 」
エンジが頷いていると、クルムドスさんとミルウェさんの小言が始まった。
「ラッタマーシさんも/1 頑張るんだよ/2 」
「そーですよー/6 お仕事はできるんですから/2 たまにはかっこいいところ/3 見せてくださいよ!/2 」
ラッタマーシさんがうんざりした顔をしながら頭を掻いていた。
「だんなー!/1 俺/1 活躍した!/2 俺/1 スゲー/6 活躍した!/2 」
「ニスミハさんに/5 聞きました!/2 /7 危ない中を/5 ありがとうございました/6 」
「あ!/6 レオワー!/1 お前/1 避難だっつーのに/2 /7 危ないとこに/5 居やがって!!/2 」
「うわー!/6 ウェンカさーん!/1 リズさーん!/1 」
藪蛇でエンジのそばに居た狩猟者三人組に叱られ、レオワー君はUターンして逃げていった。
散々お世話になった狩猟者三人。そして仲の良い開拓者のバサップ。
「皆さんに/5 復興を/3 押し付けちゃう形になって/2 すみません/6 」
「そりゃ/1 いいんだわいな/3 /7 あんだけ/6 でかけりゃ/3 /05 近いうち、/5 旦那らがいない隙にでも/5 腹空かせて/2 大暴れして/2 こんな風に/3 なってたわいな/2 」
「旦那らが/1 いないと/2 /05 できないことも/1 多かったっすよ/3 /7 張り倒せただけ/2 御の字っす/6 」
「まー/6 本国からの/5 強制招集だっつーんだから/2 /04 仕方ねぇよ/2 」
「頼むから/2 早く/6 帰って来てくれ。/2 坊ちゃんらが/1 一番まともなんだから/3 」
そしてお家につきっきりでお世話になったマリノキアさんとジェクルさん。
「マリノキアさん……/1 ジェクルさん……/1 」
「お帰りを/3 お待ちしております/2 」
「お家の事は/1 まか……お任せください/2 」
「きゅーい!」
「キューイ……/1 」
ハロウさんが再び告げる。
『ログアウト開始まで/5 一分です/5 』
― WotFのβ版が/1 終わる……/2
― やばい/6 泣きそう/2
「皆さん……/1 本当に……/6 」
「大げさだぜ/6 旦那/1 今生の/5 別れってわけでもあるまいしよぉ/2 」
「早く/6 戻ってきてほしいわいな/2 」
「待ってるっすよ/2 」
― 今生の/5 別れかもしんないんだよ!/2
― 演算人格に/5 今生って認識が/1 あるのかは/2 /01 分からんけど……/2
プレイヤーの一斉ログアウト。
夕方が近くなり、日の光が薄く黄色味を帯びる頃、街の皆が手を振る中で、周囲のプレイヤーが淡いプリズム色に輝く帰還用魔法陣のような小さな光に変わるのが一瞬見える。それはとても綺麗な光景だった。